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君の魂に抱かれて  作者: 皐月-Satsuki-
boy and girls' aspects
92/136

9月3日/侑eyes    悩めるチーム名

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



ーboy and girls' aspectsとは?ー


このモードは主人公の視点ではなく、

君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。


これにより、より世界観がわかりやすくなります。


※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。


「ゴホン!」


粢先輩は咳払いをする。

俺達は円を描くように座っている。


「これからの行動も大切だが……」


粢先輩が再び話を再開した。


「まずは、チーム名を決めたいと思う」


チーム名?

ああ、なるほど……。

俺達のチーム名か……。

確かに、あったほうが何だか燃えるよな。


「チーム名?」


聖夜がオウム返しに繰り返す。


「ああ、そうだ。チーム名を決めて、より団結力を強くしようじゃないか!」


粢先輩は皆の合意を求めるように全員に呼びかけた。

そうだな。

確かにチーム名は付けた方がいい。


「そうですね。俺も賛成です」


断る理由もないし、俺は賛成にした。


「可愛い名前にしようねぇ~」


……。……。……。


可愛い名前?


ハムスターとか?

なんか弱そうな名前だな……。


「そうね。名前は付けた方がいいかも」


菜月はコクリと一回頷く。


「どうせ付けるならカッコいい名前じゃないとな」


まったく聖夜のいう通りだよな。

可愛い名前は嫌だよな。


こうして次々と賛成票が増えていく。


「俺は構わないが」


蒼生先輩は状況に合わせたようだ。


「あだ名付け名人って呼ばれた実力!魅せてあげる!」


緋咲は両腕を組みながら、誇らしくそういった。

あだ名付け名人……?

そんなあだ名で呼ばれて嬉しいのか?


「嘘はいけないぞ。緋咲」


やっぱり嘘だったか……。

ともかくで、全員が賛成だ。


「では、早速命名をしよう。思い付いた奴は挙手!」


さぁって……。

俺も考えるか……。


「はぁ~い~!」


誰よりも早く奏笑が手を上げる。

その手を何度も上下左右に揺らす。


「じゃぁ、奏笑!」


揺らしていた手を、

元の位置に戻した。


「ハムスタ~!」


……。……。……。


俺の予感が物の見事に的中した。


「ボツッ!」


粢先輩に即答された。


「う、うわ~~~ん~」


奏笑が声を出して泣き始めた。

フォローしたいが、フォローのしようがない。


「流石にハムスターはないな……」


さらに聖夜がダメ押しをする。


「う、うわぁ~~~ん~」


俺も聖夜に賛成だな。

流石にハムスターはない。


「元気だしてよ奏笑ちゃん!この良さは女の子しか分からないんだよ」


奏笑を慰める菜月。

美しい友情だ。

俺も聖夜が不適切な発言をしたらフォローしないとな。


「じゃ~、なんで粢先輩はボツって言ったの~」


「そ、それは……」


痛い所をつかれたのか、少しの間考え込む菜月。


「う、うわ~~~ん~」


……。……。……。


「次ッ!」


そんな奏笑を無視して話を進める。

う~~~ん……。

何がいいかな……。


「はぁ~い~!」


再び奏笑が手を上げる。

その手を何度も上下左右に揺らす。


もう立ち直ったのか……。

何処までもマイペースだな……。


「じゃぁ、奏笑!」


揺らしていた手を、

元の位置に戻した。


「カピパラ~!」


……。……。……。


それ可愛いのか?


「…………」


「う、うわぁ~~~ん~」


先輩の反応でボツと理解できたようだ。

それはそうだ。

「俺達!カピパラが相手になろう!」

とか、最高に格好悪いからな。


「次ッ!」


英語風とかカッコいいかもな。

でも、それが思い付かない。


「はい」


蒼生先輩がゆっくりと手を上げた。

なんなんだろう?

今までになかったこの期待感は……。

あ、そうか……。

今までの二つは両方とも奏笑だったからか……。


「じゃぁ、蒼生!」


名前を呼ばれた後、ゆっくりと手を下ろした。


Farther(ファーザーなんてどうだ」


おお!すっごくまともな意見だ!

ようやく話合いっぽくなってきた


「お、お父さん……?」


「それは、Fatherファーザーだ。読み方は同じだけどな」


Farther(ファーザー

俺もどういう意味かは知らない。


Farther(ファーザーは【さらに先へ】ていう意味だ」


さらに先へ……。

なるほど、いい意味だな。


「さらに先か……候補入りだ。他には!」


俺もそろそろ案を出さないと……。

そういえば、聖夜って以外に英語が得意だったよな。

なんでだろう?前世が外人だったのかな?


「はい」


緋咲が自信ありげに手を上げる。

さぁ、あだ名付け名人って呼ばれた実力。

魅せてもらおうか。


「じゃぁ、緋咲!」


緋咲は上げていた手を下ろした。


「チーム緋咲!!」


「ボッツ!!!!!」


この時、初めて全員の声が揃った。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇



しばらく静寂が続いた。

原因を作ったのは緋咲だろうな。


「はいっ!」


威勢よく聖夜が手を上げる。

この静寂を破ったのは聖夜だった。


「じゃぁ、聖夜!」


聖夜はゆっくりと手を下ろした。


Weウィー haveハブ the brilliantブリアント futureフューチャー


英単語ではなく英文だった。

随分と長いチーム名だな。


「意味は?」


「俺達には輝かしい未来がある」


おお……。

意味的にはいい意味だし、聖夜にしては良い意見だ……。

だけど長いな……。


「チーム名には長すぎるな……。よし!これを合言葉に使おう!」


「合言葉?」


合言葉っていわれてもピンとこない。

だから俺はその言葉を繰り返す。


「ああ、もしも戦闘になった場合この言葉を全員で言い、士気を高める。合言葉にはこんな意味もある」


なるほど……。


『We have the brilliant future』


俺達には輝かしい未来があるっか……。


「皆は『We have the brilliant future』が合言葉でいいか?」


粢先輩は皆の合意を求めるように全員に呼びかけた。


「そうだな。良いアイディアだ。採用しないとな」


蒼生先輩も頷く。


周りを視るが、全員頷いている。

決定だな。


なんだか、随分と本格的になってきた。


「はい!」


威勢よく菜月が手を上げる。


「じゃぁ、菜月!」


菜月はゆっくりと手を下ろした。


Companionクンパニアン!」


菜月が上げたのは英単語だった。


「意味は?」


「仲間!」


仲間……。

素晴らしい意味だな。

そんなことを思っていたら

再び蒼生先輩の声がした。


「はい」


菜月に負けじと、蒼生先輩がゆっくりと手を上げた。


「じゃぁ、蒼生!」


名前を呼ばれた後、

ゆっくりと手を下ろした。


Farthest(ファーゼストなんてどうかな」


またもや、素晴らしい意見。

どっかの奏笑だれかさんとは大違いだ。


「意味は?」


「【遥か】という意味だ」


遥か……。


……。……。……。


おお!これなんかどうだ!?

俺の脳内に良案が浮かぶ。


俺は手を上げるのを忘れ、発言に出た。


「菜月の出した【Companionクンパニアン】と【Farthest(ファーゼスト】を合わせてみればどうですか!?」


「合わせる?」


粢先輩が俺に聞き返した。


「【ファーゼストクンパニアン】意味は【仲間の遥か先】」


ファーゼストクンパニアン。

その意味は、『仲間という関係すら遥かに超えた関係』

という意味。


「…………」


先輩は黙り込んだ。

あれ?駄目だったかな?


「素晴らしいんじゃないか!?」


粢先輩には好印象だった。


「そうだな。カッコいいしな」


聖夜も格好良いと言ってくれた。


「侑にしては、いい案だしたんじゃない?」


「菜月ちゃんがいいならいいよ~」


「そうだな。俺も賛成だな」


蒼生先輩も賛成。

次々と賛成票が集まってくる。

なんだか嬉しい。


「まぁ、いいんじゃない?【チーム緋咲】には劣るけど」


全員、哀れむような眼で緋咲を見つめる。


「そ、そんな眼でみるな―――――!!!!!」


今、全員の意見が合意した。

俺達は……。


「私達は、『ファーゼストクンパニアン』だっ!!」



ー用語集ー



ファーゼストクンパニアン(Farthest Companion)          

  

粢 璃桜をリーダーとするチームの名称。

チームメイトは、粢 璃桜、天神 侑、蝶野 菜月、

衛藤 聖夜、新稲 奏笑、柊 蒼生、嘉上 緋咲、の7人。


名前の由来は、菜月が出した案【Companion(仲間)】と、蒼生が出した案

【Farthest(遥か)】を侑が合わせたもの。

ファーゼストクンパニアンの意味は、『仲間という関係すら遥かに超えた関係』


合言葉は、『Weウィー haveハブ the brilliantブリアント futureフューチャー (私達には輝かしい未来がある)』



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