9月2日/美唯eyes 信力
ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)
この作品はフィクションです。
登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、
実際の物とは一切関係ありません。
初めて読む方は、本編からご覧ください。
ーboy and girls' aspectsとは?ー
このモードは主人公の視点ではなく、
君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。
これにより、より世界観がわかりやすくなります。
※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。
5話(2) 目覚め~
「えっ!?潤っ!!危ないって!!!」
銃声のした方へ走りだす、潤に向かって叫んだ。
やだ……。潤……。
行かないでっ!!
その想いは届かず、潤は林の中へ消えた。
「潤……」
私はどうすればいいの?
潤を助けに行けばいいの?
それとも動かなければいいの?
私には武器がない。
戦えない。
私は一人で震えていた。
『ズドーーーン!!!』
再び銃声がした。
右側の方から。
つまりは潤が向かった場所から。
「もういや……どうしてこんな世界に……」
何で私達なの?
どうして殺し合うの?
協力は出来ないの?
自然と涙が流れた。
慌てて流れた涙を拭った。
泣いたら駄目だ!
自分のできることを考えなきゃ!
私にできること……。
それは信じること。
「潤……先輩……どうか無事で……」
祈るように願い、信じた。
眼を閉じて。
手を握り、祈った。
……。……。……。
様々な音がする。
何の音?
ピカっと前方が光った。
「あれは雷?」
確かにそれは雷だった。
どうして一部だけ……。
まさか先輩の雷魂!?
位置的にも先輩の向かった方向。
本当に雷魂が宿っているなんて……。
先輩は強くて綺麗な人。
そして、憧れるような人。
「おお!成沢くん!無事だったか!?」
先輩が戻ってきた。
よかった……。
先輩は無事だ……。
「先輩……潤が戦場に……」
「何!?何処だ!?」
『ズド―――ンッ!!!ズド―――ンッ!!!ズド―――ンッ!』
潤の向かった方向で、
銃声がした。
潤……。
「行くぞ!!!」
先輩がその場へ向かって走る。
草を掻き分け、広場に出た。
だが、この場はおかしい。
見たことが無いものがそこには存在していた。
「結界ッ!?」
結界……。
その桜夜先輩言葉がピッタリ。
その中に潤がいた。
「潤―――――ッ!!!」
私は潤に向かって走った。
「待ちたまえ!」
だけど、桜夜先輩に声で止められた。
「どうしてですか!?」
すぐ近くには潤がいる。
なのにどうして行っては駄目なの?
「あれは結界だ。触ればどうなるかは予想出来ない」
結界の中に潤がいる。
どうして結界の中にいるの?
閉じ込められたの?
「中沢くんッ!!!」
先輩が結界に近づき、大声を出す。
「潤―――――ッ!!!」
私も叫ぶ。
だけど、なかなか潤は気付いてくれない。
「中沢くんッ!!!」
「潤―――――ッ!!!」
大声を出す。
潤に届くように。
ようやく潤が振り返ってくれた。
そして、結界が消える。
「中沢くん!大丈夫かね!?それと、先ほどの結界はなんだね!?」
「潤ッ!!大丈夫!?」
私と先輩は潤のもとへ走った。
「細かいことは後で!まずはこの女の子を!」
女の子……。
そこには女の子が倒れていた。
地面には血がたまっている。
「はぁ!これはいけない!」
「わぁ!大丈夫!?」
先輩と共に女の子の手当てを行った。
潤……。無事で本当に良かった……。




