46話 出発
はやく戦闘シーンが書きたい・・・
ちょいと更新を早めます。
翌日、現在時刻は午後一時。
昨夜は高宮家の屋敷に泊めて貰ったが、やはり金持ちは色々桁外れなのだと驚かされた。風呂は滅茶苦茶広いし、料理も豪華、マナーなんて何も分からないから普通に食べたけど大丈夫だったかな? 天蓋付きのベッドなんて初めて見たぜ。
「柏木様、そろそろ出発の時間ですが、準備は大丈夫ですか?」
「はい、自分は特に準備する事も無いので大丈夫です。それにしてもこれだけの能力者がいると何とも頼もしいですね」
「ええ、彼等には感謝の言葉しかありませんよ」
屋敷の前で、する事がなく呆然と立つ俺に、執事――井貝さんが声を掛ける。昨日と変わらず完璧な姿勢で立っている。イケメンは何しても似合うなあ、さぞオモテになるのだろう。チッ!
高宮家の敷地内で各々の準備をする能力者達。その数何と二十三。
雇われた者が殆どであるが、以前に当主の世話になりその恩を返す為に護衛を無償で受けた者が数名いるらしい。その中でも能力数値が十万を超える猛者まで居るのだから高宮家当主の人助けは大正解であったと言えるだろう。正に因果応報の通りである。
「おう! おめえら元気か!」
能力者の集団から一人の男性が抜け出しこちらに手を上げて俺達に近づく。
スキンヘッドにサングラスを掛けており、総理大臣の周りにいるSPに似た風貌をしている。顔に斜め傷があるが、熊にでもやられたのだろうか。
「はい、体調は万全です。岩谷様の方こそ大丈夫ですか? 現場に出るのは久々だとお聞きしましたが」
「安心しろ! 一度も鍛錬は怠ってないし、今日は絶好調だ! ふっ、それにこの仕事が終わればやらなきゃならん事があるからな、やる気もばっちりだぜ! っと、そこの坊主は初めましてだな。俺は岩谷 弦哉ってんだ、よろしくな!」
「よろしくお願いします。俺は柏木です。探知系の能力者なので戦闘はお任せします」
「おう! 任せとけ!」
ニヒルに笑うスキンヘッド。
何か不穏な事言ってるけど大丈夫か? まあ、決定的な事は言ってないからいいか。
と、思っていた俺が甘かった。
「やらなければならない事とは?」
「井貝さん?!」
何で聞いてるんですか?!
今のはスルーしなくちゃいけない場面だったでしょ!
「ああ、実はな五年付き合ってる彼女がいるんだが、そろそろプロポーズしようと思っていてな、へへっ」
「おお! では成功した暁には僭越ながら私からも贈り物をさせて頂きましょう」
とんでもねえ死亡フラグ立てやがったな! このクソハゲ野郎が! 今時そんなベタな理由でフラグ立てる奴初めて見たわ!
・・・終わった。
特大なフラグが盛大に建っちまったよ。一級フラグ建築士である俺が惚れ惚れするほどの流れだった。
今ので俺の死亡率が十パーセントは上がったかもしれん。
「ん? どうしたんだお前顔色が悪いが、体調が悪いなら休むか?」
誰の所為だと思ってんだこの野郎・・・この任務で死んだら全部あんたの所為だよ。
「・・・いえ、大丈夫です。それよりも今回はかなり危険かもしれないので気張っていきましょう」
「おう!」
本当に分かってるのかねぇ、あなたが一番危ないんですけど。
ただの杞憂で終わってくれたら嬉しいが、これまでの経験上何も無しで終わった試しがないからなあ・・・精々彼女さんを悲しませるような事にはならないで下さいねと祈る事しか俺には出来ないです。
◇
十数分後、全ての準備が完了し、遂に移動段階へと移った。
一台のリムジンに高宮家の女児二人と執事である井貝さん、最後に俺が乗り込む。
「それではお願いします」
井貝さんの合図で車が発進する。
そしてその周囲を計七台の車が守護するように囲んで並走する。
車内にはそれぞれ護衛の能力者が乗車しており、三から四人のチームで行動している。
また、全員の服にはインカムが取り付けられており井貝さんの指示がいつでも届くようになっている。
「柏木さん、何も異常はありませんか?」
「はい、こちらを狙っている反応は探知範囲の中には存在していません」
俺も既に能力を発動し周囲の警戒をしている。
「ふうー」
(呼吸、動作、こちらに向けられるあらゆる悪意を感知しろ)
この移動中が最も接触しやすいタイミングなのだ、敵は必ず現れるだろう。
俺の仕事はその敵に先手を取らせない事だ。他人の護衛は初めてだが、要は相手に触れる隙さえ与えなければ大丈夫という事だろう。
「おねえちゃん・・・」
「大丈夫よ瑠奈。とっても強い人達があなたを守ってくれるからね」
座席の隅で恐怖からか目に涙を浮かべる瑠奈。それを姉である春香が優しく抱きしめるがその手を見ると僅かに震えているのが分かる。
春香もまだ十三の少女だ。この状況に恐怖しないはずがない。ただ妹を少しでも安心させようと強がっているだけだ。
・・・全く、こんな年端も行かない少女にこんな顔をさせるお相手さんの思考が理解出来ねえよ。
「ええ、微力ながら私もおります。お嬢様方には指一本触れさせませんとも」
自信満々に井貝さんが告げる。
その言葉に二人の表情は多少晴れるがやはり言葉だけでは不安を完全に拭い取ることは出来ない。
「・・・」
俺は何も言わない。
“大丈夫だよ”とか“絶対に守る”何て言葉は誰かが言ってくれるだろうから。
それに、そもそもそんな言葉を言う必要がない。
何せ彼女達の安全は俺が来た時点で確定されているのだから。
「はっ」
無意識に口角が上がる。
来るなら来いよ有象無象共
――俺が相手になろう
ちょっと隼人がイラついてるかな?
出来れば明日更新





