表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神々の権能を操りし者 ~能力数値『0』で蔑まれている俺だが、実は世界最強の一角~  作者:
第二章 対校戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/237

30話 快晴

「知らない天井だ」


 まさか異世界転生せずにこのセリフを言う日が来るとは・・・

 いや、もしかして俺死んだのか?

 ベッドに体を倒したまま首だけを回して辺りを確認する。


 窓から明るい陽射しが射し込んでいるところを見るに今は朝方だろう。

 少し離れた位置に掛けられた時計を見つけると、午前九時を指していた。

 他には俺のベッドに隣で倒れ伏している蒼がいることぐらいだろうか。そして何故かナースのコスプレをしている。

・・・いや何でだよ。


「いや何でだよ」


 おっと、つい口に出てしまった。

 それにしてもなんつう際どい恰好してんだこいつは、丈が短すぎるだろ。貞操観念がぶっ飛んでんのか?


「うぅ、あれ? お兄ちゃん?」


「そうだ、お前の兄だ」


「ふぁぁ~ おはよ~ 今何時?」


 蒼は欠伸をしながら大きく背伸びをする。

 おいおい口から涎が出てるぞ。こらっ袖で拭くんじゃありません!


「いや、それにしても学校はどうしたんだ?」


「今日は土曜だから休み~」


「あーそうか。いや、それよりもその恰好はなんだ?」


「うん? ナースだけどお兄ちゃん知らないの?」


 馬鹿にしてんのか? 

 この世界に純白の天使を知らない愚か者など存在するわけ無いだろ。


「違ぇよ、何でそんな卑猥な恰好してんのかって聞いてんだよ」


「卑猥?! 今卑猥って言った?!」


「何処からどう見ても卑猥だろうが! もうほとんどパンツ見えてんじゃねえか!」


「サービスだよ! 嬉しいでしょ! ほらほら!」


「めくるんじゃねえよ! 貴様、ナースを汚すと俺が許さんぞ!」


 白色の布が視界に割り込んでくる。

 蒼は顔を赤くしているので別に羞恥を欠如している訳ではないと思うが、如何せん行動が突拍子過ぎて兄として心配になる。他の奴にこんな事やってないだろうな?


「言っちまえよ! ナースの恰好した蒼ちゃんマジ天使って言っちまえよ!」


「自分からスカートをめくる奴を天使とは言わん! どちらかと言えば淫魔の方だ! ・・・はぁ、本当にお前の相手をすると疲れるな」


 何処で育て方を間違えたのか悔やんでも悔やみきれん。


「と、そんな事よりも俺が倒れた後どうなった?」


「そうだね~ 怪我した人達は専門の治療院に送られて、誰も命に別状はないらしいよ」


「そうか・・・」


 良かった。七瀬先輩は何本か骨が折れてたみたいだからな。

 内臓には刺さっていなかったのだろう。


「それよりもその他が大変だったよ」


「何かあったのか?」


「いや~ お兄ちゃんが滅茶苦茶活躍しちゃうもんだから何か凄い偉い人に話しかけられるわ、クラスのラインからはお兄ちゃんを紹介してくれと引っ切り無しに通知が送られてくるわで本当大変だったよ~」


「そんなにか?」


「もう掌くるっくるだよ? トリプルアクセルぐらいは回ってるよあれは。クラスの男子生徒が直接私の所に来たときはムカついて顔面なぐっちゃった、えへ☆」


 大丈夫かよ、殺してないよな?

 それにしてもそんな事になっているとは。

 こりゃあ・・・もう戻れねえな。


「・・・蒼」


「いいよ」


「まだ何も言ってないんだが?」


「お兄ちゃんの考えてることなんて丸分かりだよ。特殊対策部隊に入るんでしょ? 確か本部の近くにも学校があったよね、転校するよ、もう今の学校居心地悪いし」


「・・・すまん」


 俺には蒼と離れられない理由がある。

 もし蒼が・・・いや、今はよそう。考えたくもない。あれは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


「頑張ったね。」


「あの・・・何してるんです?」


「頭を撫でてるんですよ」


「お前は母さんか!」


「まあまあ、今はなんだっていいじゃん」


 妹に頭を撫でられる兄・・・全く威厳がないな。


「蒼、俺のスマホあるか?」


「あるよ~ ほい」


「サンキュー」


 今から電話を掛ける訳だがその相手は服部さんだ。

 後に回せば回すほど決意が揺らぐからな。こう言うのは早めに伝えるに限る。

 女性に電話を掛けるという事に人生初の体験(母さんは除く)しつつ震える手でボタンを押す。


プルルルプルルル


『愛する君のアイドル! 服部 鈴奈っす! 怪我治ったんすね、良かったっす!』


 ・・・かけ間違えたかな?


『あれ? 聞こえてないんすか?』


「・・・あの、服部さんのお電話で間違いはないでしょうか?」


『ええ、合ってるっすよ!』


 いつから貴方は俺のアイドルになったんですか。

 俺のアイドルはもふもふの動物以外いないですよ。


「そうですか、良かったです。それで用件なんですが今でもあのスカウトは有効なんでしょうか」


『お! 遂に入る気になってくれたんすか! ええ、勿論有効っすよ!』


「では、特殊対策部隊に俺を入れてください」


『そう言ってくれると信じてたっす。最終確認です、本当にその選択でいいんすか』


「はい」


 迷いなく許諾の返事をする。

 もう俺は間違えない。

 どんな理不尽が襲い掛かってこようともこの手で全てを捻じ伏せる。ただそれだけだ。

 たったそれだけの事で蒼の笑顔を守れるというのなら例え相手が神であろうとも俺は負けないさ。


『オッケーっす! 必要な手続きはこちらでやっておくっす。それで早速なんすけど近々ちょいと大きめの仕事があるっす。柳君は一度学校に顔を出したら暫くは本部に居てもらうことになると思うっす』


 もう仕事か。

 学校に暫く通えなくなるのは別に構わない。

 と言うよりも辞めてもいいとすら思っていたからな。

 仕方ない、一度顔を見せるか。


「あ、それと特殊対策部隊には特権があると思うんですけどそれを使ってちょっとお願いしてもいいですかね」


『全然いいっすよ~ 城でも買ってみるっすか?』


 城も買えるのかよ。どれだけ権力あるんだ・・・

 まあ、それだけ金が動かせるなら十分だ。


「では詳細は後で送りますね」


『了解っす! これからもよろしくお願いするっす!』


「こちらこそよろしくお願いします」


 電話を切り、窓の外に視線を向ける。

 雲が多少浮かんではいるが、空は澄んだ青色が多くまるで今の俺の気持ちを表すかのような快晴であった。


ようやく特殊対策部隊になりましたね。

これからどんな奴らと戦うのでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉都市の雑草
連載開始です(*´▽`*)
神々の権能を操りし者2
― 新着の感想 ―
[一言] タイトルから行くと戦神のほかもありそうだけどマルスだけで十分すぎるほどの強すぎる。 二神目はどんな神がいつでてくるのかも楽しみ。
[良い点] 妹ちゃんの腹の中にヤバげなもの飼ってる伏線が楽しみな事(๑•̀‧̫•́๑) [一言] ザマァ。ザマァですか。ザマァといえばあの警官二人を含む3バカのザマァが薄かったので追加で滅茶苦茶にして…
[一言] ざまぁを楽しみにしてます笑 更新頑張って下さい(^^)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ