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神々の権能を操りし者 ~能力数値『0』で蔑まれている俺だが、実は世界最強の一角~  作者:
第十章 都市伝説編

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147話 霧

ちょいと休養しておりました(*´▽`*)

なにかしらツイッターにあげとけば良かったと後で気付きましたw

 移動すること数時間。

 ようやく静岡に入り、目的地である救急隊の拠点へと到着した。


 建物に入ると、二階堂先生がロビーで話を済ませ、その連絡が来たのか、奥の方から救急隊員と思われる人物が二名姿を現す。

 その内の一人、優しそうな女性が俺達の元へと寄ってくると軽く微笑み、口を開く。


「あなた達がもう一つのグループね。私の名前は双葉(ふたば) 春香(はるか)。引率をしてる双葉の同期よ。ふふっ、懐かしいことを思い出しちゃった。双葉と私の姓が同じものだから、授業の発表でよく間違えたわ」


「確かにそんなこともあったな。懐かしい思い出だ」


 思い出し笑いを浮かべる二階堂先生と双葉さん。二階堂先生の同期というからもっと恐ろしい人かと想像していたが、見た感じ優しそうな人で安心した。


 その後、軽い挨拶を済ませると、沖田先輩が元気に手を上げて質問する。


「はいは~い! 二階堂先生って昔はどんな感じの人だったんですか?」


「む? 何故私のことを・・・・・・」


「そうねぇ、昔はもっとトゲトゲしかったわよ。今はかなり丸くなっているようだけれどね」


「そ、そうだったか? あまり覚えていないが」


「あれで丸くなってる・・・・・・・だと?」


 恐ろしい事を聞いてしまった。

 そんなパーフェクト女帝時代に、二階堂先生に求愛したという現在の旦那さんは勇者だな。俺なら怖過ぎてリタイアボタンを連打しているところだ。


 沖田先輩が質問をしてから、七瀬先輩や由良さんも色々と双葉さんと会話を広げ、ものの数分で女性陣は仲良くなった。一方の俺は別に質問がある訳でもない為、疎外感を感じながら後ろで棒立ちし続けていると、双葉さんがちらちらと俺を見ながら、他のお三方に質問を投げかける。


「あのぅ、私も一つ質問いいかしら?」


「・・・・・・なんとなく予想はつきますが、どうぞ」


「後ろの彼が着けているお面はどういう?」


 本当にすいません。別に舐めている訳じゃないのでお許しを。

 そうだよな。一人だけ特撮ヒーローの仮面を被った生徒がいて疑問に思わないはずがないよな。

 俺も本当はこんなもの被りたくないんですよ? でも着けてろって先生に言われているから仕方なく着けているんです。

 視界も滅茶苦茶悪いし、これでもしラッキースケベでも発動しようものなら俺は回避できないですよ。ただ、それで色々なところを揉みしだきデロンデロンにしてしまっても、俺だけの責任じゃない事を理解して頂きたいですね!・・・・・・ぐへへ。


「あぁ、あいつの事は気にしなくてもいい。今日任務を体験するのは女生徒三人で、奴は見学の生徒だ」


「それは理解しているけど、仮面の答えになっていないわよ?」


「・・・・・・知らない方がいい事もある」


 二階堂先生の意味深な発言に首を傾げる双葉さんだったが、数秒して何かに閃いたのか、ハッとした表情をして、俺に悲し気な表情を向ける。


「ご、ごめんなさい。人との付き合いって大変よね? 別に顔は見せなくても大丈夫だから、頑張って少し喋るところから始めればいいと思うわ!」


「えっ、あ、はい」


 どうやら極度のあがり症だと判断されたのようだ。別に困る事はないので否定はしないが生温かい視線が居心地悪い。


「あっ、それと私の後ろにいる軽薄そうな男性は加藤(かとう) (じゅん)君よ」


「軽薄そうってどんな紹介ですか?! はぁ、加藤だ。なにか質問なんかがあればいつでも言ってくれ。よろしくな」


 苦笑を浮かべながら手を上げる男性。見た限り、歳はそう高くない。

 軽薄そうって訳でもなさそうだが、どこかチャラそうな印象を受ける。


「私達は元々あなた達の地元の近くに所属していたのだけれど、転勤でこっちに来たのよ。二人ともそれなりの経験者だから、なんでも聞いてね。じゃあ早速だけど、時間も押しているし、任務の同行をして貰いましょうか」


 戦闘部隊ではない為、危険は少ないが決して気を抜かないように、と続ける。

 俺はその任務に同行しながらも、意識は耳に嵌めたインカムに集中していた。







『まだこっちには霧は確認出来てないっす』


『私もまだね』


「了解した。引き続き警戒にあたってくれ」


 静岡に入って数時間。全域を特殊対策部隊で見張っているが、今だ霧が現れる様子はない。


「すみません。時間も分かれば良かったのですが・・・・・・」


「いや、日程が予言出来ただけでも上出来だ。菊理には本当に感謝している」


 後方で菊理が申し訳なさげな声を上げるが、この少女無くして今回の任務は成り立っていない。もうし少し自分の存在の重要性を理解して自信を付けてもらいたいものだ。


 今回の任務は三チームに分かれて行動している。

 俺と菊理、服部と牙城、西連寺と吉良坂と桐坂のチームだ。

 もしも対処不可能と判断した強敵と遭遇した際に、確実に撤退出来ると判断した人物を一人ずつ配置した。


(映像で見た霧の範囲はかなり狭いように見えたが、今回はどうだろうな)


 範囲としては半径三百メートル程の霧だった。

 問題はその中に侵入する前に霧が晴れてしまう事。敵の強度を考えると全員が侵入する必要がある。なによりも柳が入れなかった場合、最悪の展開になる可能性が高い。


「菊理、もし柳がいない場合。部隊が全滅する確率は幾らだ」


「・・・・・・迷宮での一件以外で私の予知が外れた事がない事を考慮するならば、ほぼ、百パーセントです・・・・・・」


「やはりか」


「しかし・・・・・・今回の予知は少しおかしいです」


 眉を寄せて菊理がそう呟く。


「ん? おかしいとは?」


「私の予知が僅かに変動し続けている気がします。それも、部隊が生存する可能性が上がる方向で。・・・・・・もしかしたら、柳さん以外にも相当な実力者がいるのかもしれません」


「ふむ・・・・・・」


 まさか柳の他にも絶対者がいるのか?


 柳関連でなにかあるとするならば可能性は零ではない。

 もし仮にいるとするならば、何も情報が出回っていないという事を踏まえて、絶対者の中でも正体を明確にしていない数名か。


 以前、柳と喋った時になにやら策があるようだったが、もしかしたらその事なのかもしれないな。


「ッ?!・・・・・・金剛さん!」


「なッ?!」


 思考に耽っていると、突如下方の光景が霞みだす。

 ようやく霧が現れたと意気込むが、驚愕したのはその範囲だ。


(どう見ても三百というなどという狭い範囲ではない!)


 視界内の全域、軽く見積もっても数十キロはあるだろう。


『こちら服部! 霧が出現しました! 突入するっすか?!』


『吉良坂、私の方も同様よ! 聞いていた範囲ではないけれどこれは一般人はどうなっているの?!』


 目を細め霧の中を凝視すれば、一般人は普通に道路を移動しているのが見える。


(という事は転移するにはなにかの法則があるのか? ちっ、情報が無さ過ぎる! 兎に角、霧が消えてしまってはマズイ)


「全隊突入!」


 障壁を展開し、菊理を抱えて霧の中へと飛び込んだ。







「はぁ・・・・・・」


 救急隊について粗方の説明を受け、一応の任務も同行したが、怪物が出現していない現状は楽なものだ。市民の安全を確保する見回りで大抵の時間が過ぎた。やはり実際に怪物が現れなければ任務で得られることも半減どころか四分の一程度だろう。


 現在は昼休憩中で、俺はお手洗い中である。

 流石にずっと仮面を着けているのもしんどいので、人目がこの瞬間だけは外して解放感に浸る。


『ゥ・・・ズ・・・やな・・・、・・・』


「なんだ?」


 手を洗っていると、インカムからおかしなノイズ音が聞こえて来る。


「こんな時に故障か? 勘弁してく・・・・・・いや」


 気付けば、外の声が聞こえない。

 俺が今入っているのは公衆トイレだ。外にいる人の足音、車の騒音は必ず聞こえてくるはず。

 

「金剛さん、聞こえますか?」


 何度かインカムで呼びかけるが、向こうから一切の言葉が聞こえてこない。

 嫌な予感に小さく舌打ちしながら、一度合流すべくトイレから出ると、視界に映る光景に大きく目を見開いていく。


 点々と並ぶ木造の家、レンガの家、そして何故か地面に敷かれている線路。遥か遠くにだが見える巨大な建築物は城だろうか。

 ただこのちぐはぐな世界は、先程まで自分がいた場所とは明らかに違う事だけは分かる。


「・・・・・・そうか、トイレの中だから霧の中にいる事に気付かなかった訳だ。ははっ、間抜け過ぎて笑えない」


 後ろを振り返れば、公衆トイレが俺とともに転移してその場に建っている。


「ただまあ、結果オーライだ」


 霧の中に入れたのであればそれでいい。

 ――全ての怪物を掃討しよう。


県民全員を逃がせればいいんですがねぇ。

それをすれば霧が現れないという未来に・・・

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終焉都市の雑草
連載開始です(*´▽`*)
神々の権能を操りし者2
― 新着の感想 ―
[一言] 次も楽しみに待ってます! お身体には気をつけて!
[一言] 更新ありがとうございます! 待っておりました! 休むの大事ですよねー これからも無理のないよう更新して下さい! 応援しております!
感想一覧
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