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神々の権能を操りし者 ~能力数値『0』で蔑まれている俺だが、実は世界最強の一角~  作者:
第七章 イギリス旅行編

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100話 共闘?

100話(102話)達成です(*´▽`*)やった~

「じゃ、いきますか」


「ああ」


 数秒の停滞の後、両者が動き出す。

 軌跡を描きながら疾走する俺と獅子、そして轟音を轟かせぶつかり合うジャックさんと骨の怪物。


 絶対者二人の共闘が始まった。







「う、嘘・・・あの方は」


 遠目で見ても分かるその姿は、誰もがその記憶に刻み付けているものだった。

 紫電をその身に纏い、縦横無尽に戦場を駆け巡る様は世界大会で見た姿よりも苛烈さを感じさせる。


「柳 隼人・・・」


 誰かがその名を口にする。


 私達と同年代でありながら、レオン様、さらにはジャック様を下した少年。

 世界大会にて、私達は絶対者どちらかの優勝を疑わなかったがそれを覆し、無名の彼は絶対者の二人を立て続けに打ち破った。


 レオン様が手を抜いていないであろう事は、戦闘での瞳を見れば一目瞭然であった。

 その上で、【破壊王】の全力を彼の力が上回ったのだ。


 世界大会を経て当然の如く、その少年は絶対者の仲間入りを果たしたのだ。

 世界人口数十億人の中でも隔絶した存在となった少年に贈られた二つ名は、【千変万化】。幾多の変化が起こるという意味のその二つ名は彼の持つ能力が印象的過ぎたからだろう。


 予選、そして準決勝のレオン様との試合で見せた戦闘では拳を使っていたのに対し、決勝では誰もが予想だにしなかった戦闘を繰り広げた。

 開始の合図と共に、彼は炎を操り周囲を炎の海に変えたのだ。近接での戦闘は難しいようであったが、その殲滅力は拳の時とは比較にならなかった。もし私があの場にいたらと思うと、想像するだけで怖気が走る。


 そして今、その彼がこの場にいる。


「はぁっ!」


 ジャック様の気合の入った一閃に骨の怪物を薙ぎ払い、その隙を狙おうと動く獅子に柳様が横入する。


「・・・凄い」


 いつしか私の震えは止まっていた。


 普通であれば絶望に打ちひしがれてしまう程の怪物達と相対しても尚、その表情に笑みを浮かべる彼等がいることで、どれだけ不安に圧し潰されそうな心に自然と余裕が生まれる。


 何もすることが出来ない自分が悔しく思える

 だからせめて、私は彼等の無事を、切に願う。







(ようやく息が合ってきたな)


 ジャックさんの呼吸がようやく掴めてきた。

 俺の事を信用しているからなのか偶に無茶な攻撃をするのでかなり煩わしい。敵より厄介な味方とか本当に勘弁して欲しいものだ。


「鬱陶しいっ!」


 獅子が怒りに任せ剛腕を振るう。

 紙一重のギリギリで回避しながら返す刀でその腹部を斬りつける。しかし、斬りつけたはずの腹部には僅かの傷も入っておらず、すかさず連撃が叩き込まれる。


「リブ」


 獅子と俺の間に展開された結界が数発の打撃で破壊されるが、その間に俺は場所を移動し、ジャックさんの背後へと迫る骨の怪物の片脚を切断する。


「ちっ」


 分かっていた事だが、骨の怪物は切断された片脚を瞬時に回復する。厄介な敵のポテンシャルに思わず舌打ちが漏れる。


 骨野郎はまだいいとして厄介なのは黄金の獅子だ。


 武御雷の速度と同等だというだけでも厄介なのに、さらに奴の体を覆う毛皮が硬過ぎるのだ。幾度も千鳥で斬りつけてもかすり傷一つ負わすことができない。


「ジャックさん、そろそろ背理剣出しちゃってもいいのでは?」


「う~ん、切り札は出来るだけ使いたくないんだよね。少年こそあの浴衣姿にならないのかい?」


「あれは消耗が激しすぎるんですよ。それでもしあの獅子に通用しなかったら即、ご臨終ですよ」


 まあ九割九分方通用するだろうが、リスクを負う必要のない賭けはしたくない。絶対者が二人もいるのにわざわざ使う必要もないだろう。


「じゃあ僕が場を整えるから最後は任せてもいいかい?」


「了解です」


 あまり時間はかけられない。

 再生した骨の怪物がまた体を変形させ、体が縮み、より人間に近い姿へと変わり、黄金の獅子がその身に纏う青電を増幅させる。


「絶対者が一人増えようが関係ない。二人とも始末するだけだ」


『殺そう! 殺そう!』

『けんもってるのはまかせて!』

『もう片方はネメアーの獅子に譲ろう』


 どうやら俺の相手は獅子のようだ。


「来てくれ、フレーリア」


 隣でジャックさんが聖剣を消し、代わりに世界大会で見せた冷気を纏う白い剣を召喚する。


「さあ少年、完璧な隙を作ってみせるから強烈な一撃を頼むよ」


「・・・えっ、一人で時間稼ぐんですか?」


 予想外のジャックさんの言葉に一瞬反応が遅れた。


「ああ、任せて。じゃあ行ってくるよ!」


「ちょっと!」


 俺の静止を無視して怪物へと飛び込んでいくジャックさん。


(かっ、勝手すぎる・・・)


 共闘の共の字もない。いや、最後の攻撃だけ任されているから共の字ぐらいはあるのか?

 今までずっと一人で戦ってきた為に誰かとの共闘が体に馴染まないのかもしれない。息が合ってきたと思ったがどうやら気のせいだったようだ。


「はぁ」


 仕方ない。先輩の意向に従うとしよう。


 肩幅に足を開き、体を倒して前傾姿勢を取る。

 左手で鞘を握りしめ、右手で千鳥の柄を握る。そして、全ての紫電を千鳥へと集中させていく。骨の怪物の再生力を上回り、かつ獅子の怪物の毛皮を斬る事の出来る攻撃にしなければならない。


 極限の集中を維持しながら、前方での戦闘を見ると、ジャックさんが改めて異常である事がよく分かる。


「ぬっ?!」


 俺に攻撃を仕掛けようとする獅子との間に氷塊を生成して無理矢理その場に押し留める。

 幾ら速度が速かろうとも空間中に生成されている無数の氷塊を回避する事は難しい。獅子は苛立った声を上げて目標をジャックさんへと移し、圧倒的な速度で襲い掛かるのだが、


「それはあまりにも単調過ぎるんじゃないかな」


 その全てを、一歩たりとも動かずにジャックさんが捌いてしまう。


 獅子の攻撃が単調なのは容易に分かるが、それはジャックさんがそのように誘導しているからだ。あの獅子は本能的に攻撃を繰り出している。ジャックさんはあえて己が不利になる隙を意図的に作り出す事で獅子の攻撃を誘導し、掌握しているのだ。


『我を無視するとはいい度胸だ!』


「そう思うかい?」


 人間に近づいた体で地を這うように疾走し、両の鎌を振るう骨の怪物にジャックさんは不敵な笑みを浮かべ、そう答える。


『なっ?!』


 ジャックさんの顔の寸前、紙一枚の距離で鎌が止まる。

 当然、それは骨の怪物の意思ではない。


『どうなっている。体が、動かん!』


 確かに骨の怪物は鎌を振るった状態で固まっている。

 変化があるとすれば、ジャックさんの右手に持つリブが淡く発光している事だろう。


「結界が君に破壊されたことに偉く憤ったようで、かなり滾っている。これでは流石に動く事もできないようだね」


 ジャックさんは獅子の攻撃を捌きながら、フレーリアを地に突き刺して巨大な氷塊を作りだす。


「そろそろ幕を引こうか。眠れ!」


 その言葉が紡がれると、いつの間に仕掛けていたのか、地面に刻まれた五芒星が輝き始める。


「まずいっ!」


『くっ!』


 怪物がその攻撃に気付いた時には既に遅く、五芒星の内側が一瞬にして怪物ごと氷塊へと変わる。


 しかし、氷塊の内部を静電が迸り、鎌で切り刻まれる音が徐々に大きくなる。


「舐めるなぁああ!!」


『殺す』

『まずはうでをきりおとす』

『その後は人質を目の前で一人ずつ殺していこう』


 やはり普通の怪物とは一線を画する化け物だ。

 ジャックさんの封印を無理矢理こじ開けた。ただ、完全には突破出来ていないようで五芒星から脱出は出来てはいない。


「ほら、出番だよ」


 空中に飛び上がっていたジャックさんが、俺に呼びかけた。


「分かってますよ」


 溜めの時間は十分過ぎるほどに稼いでもらった。

 場面も完璧、文句の一つもつけようがない。


(これでもしミスったら笑いものだな)


 ふっと僅かに口角を上げる。

 そして、


華雷(からい)


 周辺一帯に雷が降り注ぐ、空間全てが震撼し、大気が揺らめいた。


 残像を残し、周囲を焦がしながら五芒星の中にいる二体の怪物に迫り、千鳥を抜き放つ。


『ぬぅ?!』


「ばかなッ!」


 千鳥が振られると、紫電が花のように咲く。

 その一撃で骨の怪物が腕を切断され不快な声を出し、僅かに斬られた己の毛皮に獅子が驚愕を露わにする。


『無駄無駄!』

『一撃をもらったところですぐに再せ・・・』


「誰が一撃で終わると?」


 怪物の周囲を疾走すると共に天から雷が降り注ぎ、刀を走らせるたびに紫電の花が咲く。

 獅子がたまらず結界をこじ開けようと腕を伸ばすも、剣戟の結界から逃れることは出来ない。瞬きの間に生じる無数の斬撃で腕が斬り落とされる。


「開花」


 最後の一刀を放つと、怪物を背に足を止める。

 そして、千鳥の納刀と同時に、背後の二体の怪物の体が全て雷の花で咲き乱れ、二体の絶命を証明するように花が散った。


次話は隼人の父にハイライトが向くかな?

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終焉都市の雑草
連載開始です(*´▽`*)
神々の権能を操りし者2
― 新着の感想 ―
[一言] 納刀フィニッシュってロマンだよねぇ・・・
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