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第87話

新選組屯所-


土方が小走りに近づいてくるのを見て、総司は少し後ずさりした。


土方「総司!どこへ行っていた!心配したぞ!」

総司「すいません。…礼庵殿の所にいたんです。」

土方「何っ!?お、おまえ、あの女医者ともしかして…」

総司「違いますっ!!」


総司は顔を真っ赤にして言った。


総司「何を勘違いなさっているんです!…ただ、休ませてもらっただけです。」

土方「そうか…しかし、どうしてわざわざあの医者のところへ?また具合が悪くなったのか?」

総司「それも違います!」


総司は困ったような顔をした。


土方「本当か?…俺には本当のことを言えよ。」

総司「本当ですよ。…参ったなぁ…土方さんには…」

土方「どちらにしても少し安め。巡察は昼からだっただろう?」

総司「そうですが…。もう眠れそうにないので、今日は朝練にでますよ。」

土方「ばか、無茶をするな。」

総司「大丈夫ですってば…」


総司はにこにことして土方に頭を下げると、自分の部屋に向かった。

土方の視線が背中に刺さる。


総司(参ったなぁ…。本当に心配性なんだから…)


総司はくすくすと笑いながら、部屋へ入った。

床が引いてある。昨夜、たぶん中條がひいてくれていたのだろう。


総司(いつもこうして、皆に心配ばかりかけて…。…私が新選組にいる必要はあるのだろうか…)


いつも思うことである。総司はふーっとため息をつき、引かれた床の上でごろりと横になった。


土方に「朝練に出る」…と言った限りは、出なければならないが、正直、体力がどれだけ持つか自信がなかった。しかし、土方にこれ以上心配をかけたくない…という思いで言わずにはいられなかったのである。


総司「(…いつまで、この空元気が持つだろう…)」


総司は、ぼんやりと天井を見ながら、そう思った。

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