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第78話

総司の部屋-


熱が下がり、少し元気になった総司は、文机の前に座りぼんやり外を見ていた。


総司「ずいぶんと迷惑をかけてしまったな…」


結局3日間もの間、寝たままになってしまった。

熱は1日で下がったが、近藤や土方が「総司のことだからまた無理をする」と言い、部屋から出さなかったのである。

実のところ、まだ微熱が残っている。が、この微熱を取るのはもう無理だと総司は思っていた。

中條が薬をもらってきてくれたが、正直効き目は薄れていた。

しかしそれを言えば、また医者のところへ行けと言われるだろう。

総司の心の中で、薬は病を治すものではなく、一時的に症状を押さえるだけのものだという結論に達していた。

だから医者へ行ったところで、どうしようもない…と思っている。


ただ、一つだけ安心していることがある。

自分が休むことで、一番隊にも休みができたことである。

総司が休んでいる間は、二番隊組長の永倉が一緒に見てくれることになっているが、実際には一番隊が二番隊と一緒に出動することはなかった。

ただ、体がなまるといけないので、皆自主的に稽古をしているという。

今朝も「一番隊は皆、組長を待っているようだから、ちゃんと食うもの食って早く戻って来い」…と永倉が言いに来てくれた。

総司の稽古は厳しいことで嫌がられていたが、いざいないとなると「早く戻ってきて欲しい」らしい。


総司「…ねぇ…永倉さん…これからもずっと、一番隊を見てもらえませんか?」

永倉「やなこった。」


永倉は、その総司の言葉に笑って言った。


永倉「一番隊はくせの強い奴が多すぎて手を焼いてるんだ。おまえしかまとめられねぇよ。」


総司は一緒に笑った。

永倉が自分を気遣ってくれていることを感じたのである。



しばらく、ぼんやりしていると、遠くから気合の声が聞こえてきた。


総司「…剣術の稽古が始まったのかな…ちょっと覗いて見るか…」


総司は着替えの支度を始めた。


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