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第7話

土方の部屋-


土方の前に、総司が憮然とした表情で座っている。


総司「…また、私が行くのですか?」

土方「そんな顔をするな。」


土方が苦笑した。

総司は、会津藩との宴会に同席するよう、土方に言われたのである。

前は、近藤と土方と総司の三人で出席したが、総司自身、あまり宴会というものに慣れていないこともあり、何が楽しいのかよくわからない。

どちらかというと、苦手であった。


総司「近藤先生と、土方さんお二人で充分じゃないですか。私は遠慮します。」

土方「遠慮されると困るんだよ。」

総司「…どうしてです?」

土方「今回、近藤さんは他に用事があって行けないんだ。私一人で出るわけにもいかんしな。」

総司「会津さんとの宴会に出られないほどの用事って、いったいなんですか」

土方「おい、つっかかるな。」


土方は困り果てたように言った。


土方「頼むよ。…お前は舞妓達の受けがいい。会津さんの方でも、おまえにいい印象をもっておられる。」

総司「本当ですか?…いい印象をもたれるようなことはしていないけどなぁ。」

土方「お前は「凄腕の剣士」として評判だそうだ。それもその若さでな。「沖田総司」を一度見てみたい…と仰る方もいるそうだ。」

総司「それはかいかぶりすぎというものです。きっと、私のこの頼りない顔を見て、がっくりなさいますよ。」

土方「それは心配ない。おまえの風貌などは噂で皆知っている。」

総司「……」

土方「頼む!一緒に行ってくれ!」


土方がとうとう総司の前で手を合わせた。総司はその場に飛び上がらんばかりに驚いた。


総司「よしてくださいよ!!似合わないことをしないでください。」

土方「じゃぁ、一緒に行ってくれるんだな?」

総司「わかりました、行きますよ!…もう…仕方ないなぁ…」


最後の言葉はほとんど呟きになっている。

土方は安堵の息をついている。対して、総司はため息をついていた。


土方「じゃぁ暮六つになったら、準備をして、またここに来てくれ。」

総司「暮六つ!?…そんな早い時間にですか?」

土方「こちらが遅れていくわけにもいかないからな。」

総司「…わかりました…。」


総司は再びため息をついた。

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