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24.違う!これには深い理由が!!

こういう台詞吐く時は、決まって深くない理由なのがお約束だよね~によによw

「はぃぃぃぃぃ!?」


「どうしたのかしら?なにかとってもいい情報あったら教えるべき」


「い、いや……情報というか、あれは『味噌』の成りそこないだ。それよりエクレアちゃんに憑いてる悪魔……“キャロット”はどんな想いを描いてるかわかるか?」


 思わぬ結果に驚きつつも、丁度いいからっとアシュレにあいまいな返事をしつつエクレアの様子を調べてもらう事にしたケバブ。

 ちなみにエクレアは傍から見た感じではますますトリップが進んでやばい気配であるが……


「『おいやめろ馬鹿』とか『ちょとsYレならんしょこれは・・?』とか辺り」


「そうか……」


 なんで謙虚なナイトの言語なんだと突っ込みたくはなるも、それ以上にとんでもないことが……軽い気持ちで窯の中身を『鑑定』したらクリティカルを出した事もあって、トップシークレットとも言うべき詳細がわかってしまったのだ。


 しかも、それに悪魔……“キャロット”は気付いてない。昨日の『鑑定』に干渉して脅しまで入れてきたアレが気付いてない。

 ケバブはエクレアの隠された秘密をバレることなく偶然ながら知ってしまったようだ。

 創作あるあるだが、直接ではなく間接的な鑑定経由の情報だったために気付かれなかったのだろう。


 おまけにこのタイミングでクリティカルによる詳細が知れたのだ。なんらかの補正が働いてる疑いすらもってしまう。


 果たしてこの情報をどう扱うべきか……



「いや、そういった事考えるよりもまずアレを止める方が先か」


 みれば窯の中身がいよいよヤバくなってきていた。

 あれはもう、どう考えてもメシマズ系でも頂点に位置するレベルXに該当する代物だ。

 気が付いたら本人でも制御不能な代物となってたなんて、十分にありえる。


 絶対世に出してはいけない……いや、すでにエクレア自身が世に出してはいけない代物な気もするが、これ以上の危険物の量産化は防ぐべきっとケバブは意を決して中心部に踏み込む。


 再度バフは全振りにして、気合を入れてから踏み込む。



 一歩踏み込む度にHPらしき生命力がごりごり削られる。

 生命力判定に失敗したらその場で絶命する。


 そんな危険地帯をケバブは決死の覚悟で突き進む。





 その甲斐あってか、ケバブは事故死することなく中心部にたどり着いた。

 フグは自分の毒で死なない事を証明するかのごとく、窯から立ち上がる高濃度な瘴気を浴びながらも平然と窯をかき回してるエクレアの隣までたどり着いた。


 もしかしたらたどり着く直前にラッキースケベ的な謎補正の力で、足を滑らすとかつまづくとかでバランス崩し……




うっかりエクレアに抱き着く



エクレア悲鳴とともに思わず殴る



衝撃で窯の中に頭突っ込む



窯の中から地獄の亡者を思わせる手が伸びてきて引きずり込まれる



残念。俺の冒険はここで終わってしまった






 なんてお約束パターンを想定してても、そんなことはなかった。

 さらにいえば瘴気を吸わないよう片手で口と鼻を抑えながら息を止めてるので、声かけの代わりに行った動作が肩を叩くものだったが……



ぽんっ



 無事に肩を叩く事に成功。

 ここも変な補正のせいでなぜか胸タッチとかありえたが、そこまでの補正は働かずこうかもばつぐんだった。


「ん?ケバブおお義兄ちゃん。どうしたの?」


 邪念が消え去り正気……少なくともケバブからみたら正気に戻った目で振り返ってきたエクレアにケバブはちょいちょいっと窯を指さす。

 彼女は催促されるままに窯へ視線を向けると……


「……なぁにこれぇ?」


 エクレア自身も信じられないといった顔をしながら窯を凝視していた。

 それはこっちの台詞だっと突っ込みたかったが、口をふさいでるケバブには伝える手段はない。

 そんな中、エクレアは唐突にケバブの方を振り向いた。


 エクレアにとっては『これどうしよう?』という、とまどいながらの問いかけに過ぎなかったがケバブは違った。


 ケバブはなぜかエクレアから







“ねぇ……これ食べたらどうなるか、試したいから一口だけ食べてくれない?”








 とか言われた気がしたのだ。

 もちろんエクレアはそんなこと言ってない。エクレア自身は思ってすら居ないが、ケバブはなぜか上記台詞が脳内へダイレクトに入ってきたのだ。

 よってケバブは「全力で断る!!」っとばかりに逃亡した。


 それこそ全力のバックステッポぉで即座に後退した。





 その際に勢い余って背中からアシュレとぶつかり、それでも止まらず研究資料を納めた棚に激突。

 散乱する資料とともにアレな……


 そう、ラッキースケベでありがちな二人組んでもつれてな恰好で倒れたわけだが……


「ふふふ……相変わらずお盛んなことで」


「違う!これには深い理由が!!」


 錯乱のあまり、自分でも意味がわかってない言い訳をのべるケバブであるも、アシュレは「そういうことにしておきましょう」っと怪しげに笑うだけであった。


 ちなみにこれは今回初めてではない。お約束なだけあって過去何度も起きてる。

 直接殴打のクラヴァに間接技のレヴァニに対し、当初は事故だから気にしてないを装うも、後からチクチクと責めてくるのがアシュレの手。

 だが、今日は違った。どういうわけか、手をワキワキしながら笑い続けているのだ。ケバブは思わず助けを求めるかのように、エクレアへ顔を向けるも



「お楽しみが済んだ後でいいから棚の修理しといてね」


 彼女はラッキースケベを咎めるより自分の仕出かした廃棄物の後始末を優先したいらしく、上記言葉だけ残して意図的に視界から外されたのであった。


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