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23.そいつこそが一番ヤバイチートじゃないのか?

チートを超えるチート……チートのインフレはまれによくあるw

「そんなわけで、今はまだ『魔王』として暴れる時期じゃないからダンジョンマスターと兼任して世界情勢見守りながら、時折お母さん達と世間話に興じてるけど…………」


 エクレアは一通り『魔王』について語り終えると、今度はギリっと力を込めて……

 かき回し棒からミシッとヒビが入ったかのような音を鳴らしながら、愚痴るかのように語り始めた。



「あー追い払いたい。お母さんたちと楽しく談話する程度ならいい。なんだかんだいってお母さんたち楽しそうだし娘としてそこはなんとか許すけど、あれをお父さんと呼べだなんて……あれぶっ殺す……いや追い払うだけでもいいんだけどなんとかならない?実力差が絶望的すぎるから諦めろって、諦めきれないからこうやって聞いてるじゃない!正面からじゃなく間接的に毒殺でもいいから、それ出来るような方法だけでも教えてよ!!!」


 エクレアは愚痴りながらも内にいる悪魔と会話し始めた。


 その内容からしてどうやら『魔王』とは今のエクレア……完全にバランスブレイクしてるであろうチートをもってしても抗えないほど強い存在らしい……


「おいちょっとまて。世界を壊せる核兵器クラスのチート持ちすら敵わない奴が『魔王』って、そいつこそが一番ヤバイチートじゃないのか?」


「『魔王』は『神』の配下だから。世界の管理者たる『神』の配下だから、言い換えるとゲームの運営者側の立場。私や“キャロット”に対していわば天敵的な立場でもあるかな」


「あ、あぁ……そういことか。この世界がゲームと過程すれば、いくらチートやバグで改ざんした最強キャラでも世界そのものへの管理権限がある運営側にとってみればゲームキャラである以上、対処方がある存在というわけか。そりゃぁどうにもならんよなっていうか、そんな天敵のおひざ元であるダンジョンでこんな話して大丈夫なのか?」


「『魔王』は私の味方になってる。なんでも魔王は『雇われ魔王』として『神』と契約してるけど、その『神』は遊び惚けてばかりで『魔王』に契約内容以外の業務押し付けられてて辟易してるらしく、もう離反どころか然るべき機関にチクる気満々みたい」


「それはまた、典型的なダメ上司な神だな」


 自分の仕事を他者に押し付けて自分はのんびりくつろぎ、成功は自分のもの。失敗は他者のせい。

 そんな上司が居たら『魔王』も『神』に反乱企むよなぁっと『魔王』の気持ちがわかってしまった。

 ケバブも『勇者』に目覚めていろいろと目立ち過ぎた故、ギルドで同様な目にあってきたから痛いほどにわかった。

 あまりにひどいのでこの冬に上層部を一掃させたわけであるが……


「だから信用はしてる。でもお母さんたちを口説くのはまた別。ましてや私にお父さんいないからって『お父さんと呼んでもいいんだぞ』だなんて………誰があんなのをお父さんなんて呼んでやるか!!!絶対ぶち殺してやる!!!何が何でもぶち殺す!!!今は無理でもいつか絶対ぬっころす!!!!!!」



 口から呪詛というか特大の『呪言』を放つエクレア。最初は口のみであっても、その呪詛は全身から漏れはじめた。

 その雰囲気は最早一種のヤンデレの域であるが……


「ふふふ……とてもいいわ。その嫉妬の感情、呪術の供物にとても最適だわ」


 アシュレに確認のため視線向けたら、心得たとばかりに答えてくれた。


「やっぱり、あれはただの『嫉妬』か」


 ようは母親を口説く『魔王』を受け入れられないだけの話。

 娘として母親の隣に居付く男をお父さんなんて呼ぶ羽目になるのは嫌だっという拒否反応。もしくはいきなり父親なんて存在が現れてどう対処していいかわからず混乱のあまり拒絶な反応にでたのだろう。

 結局のところ、エクレアにとっての『魔王』は世界の敵ではなく「『魔王』をお父さんだなんて断じて認めん!!」っという子供じみた私怨で嫌ってるだけなのだ。


「いいじゃない。子供らしくて」


「いやこれ子供らしいで済ましていい問題じゃないだろうが!窯にエクレアちゃんの邪念が込められてるせいで、とんでもない化学反応起こしてるし!!!」


 ケバブの指摘通り、エクレアの嫉妬の感情に反応してか窯の中身は地獄の大鍋に亡者達をぶち込んだかのごとく蠢いていた。

 時折人型のナニカが嘆きの声と共に鍋から這い出ようとしてるも、エクレアは無造作に棒で突いて無理やり窯の中に押し込んでる。


 窯からは常人だと即座にあの世行きになりそうな瘴気を放ってるのに、そういったものに対して耐性があるケバブやアシュレでさえ下手に近づけないほどの瘴気にあふれてるのに、その中央にいるエクレアは至って平然に……『魔王』に対する私怨を滾らせながら黙々と窯をかき回していた。


 その姿は悪魔ではなく魔女だった。翼を象っていた闇が黒衣のようにしてまとわりついたから、悪魔ではなく魔女になっていた。

 サバトの実験場にて悪魔への生贄を捧げる真の魔女だった。



 ここでふと好奇心に駆られた。

 こんな場合じゃないと思うも、窯から立ち上る瘴気は頭上の天井に設置された換気扇にブーンっと吸い込まれてるので深刻な汚染まで至ってない。


 さすがダンジョン。こういった面はすでに対策済みなんだろうと、つい感心してしまう。

 アシュレもうっとりとしながら期待の目でみられてるし……


 『もう一人の俺』も好奇心を抑えきれないのか、やるべきっと催促している。



「わかった。あの窯の中身を『鑑定』しようじゃないか」


 何がでるかわからないが、少なくとも昨日みたいな酷いモノはない。

そう信じて鑑定した結果


























邪な夢


味噌の原料にエクレアの邪念をたっぷり込めたせいで出来上がった食べ物である。食べ物である(大事な事なので二回言ってあげました)

エクレアの前世であるk…が得意としたものであり、食った者の末路はまぁ察してください。


これが表向きとされる邪な夢の効力だが、裏の効力として……






y……g……



であって……






理論上……



『神』ですら地獄へと叩き落とす事が可能となる。



そのための条件は……







d…………h……




結論的にいえば今のエクレアでは条件を満たす事が不可能であろう。



なぜなら、エクレアは……

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