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18 『ん』



 店終いをして向かう先は図書館です。

 もう私の【ふろんてぃあーず】内でのサイクルは生産→評価→露店→図書館→生産で決まりですからね。

 合間合間にミカちゃんと姫ちゃんとお喋りしたりもしたいですけど、基本的にはこのサイクルで回っていく感じです。


 ただ図書館に関しては昼タイムにしか空いていないので前後しますけど、外すことはしたくないですね。

 何せ読めば読むだけレシピが手に入るんですから。

 今は使えないレシピも手に入っていたりしますが、いずれは使えるようになるでしょう。

 スキルLvも順調に上がり続けていますからね。


 しばらくは順調にこのサイクルをこなし、特に大きなハプニングもなく【ふろんてぃあーず】を堪能することができました。

 小さいハプニングなら結構いっぱいありましたが、基本的には少し話せばわかってくれる程度のものです。


 相変わらず露店にはブロンズ系の装備でまともな物はまだ出回っていない状況が続いていますが、カッパー系の『オプション品』はちらほら見かける程度には増えています。

 やはりログイン時間と生産にかける比率が高い私は生産者としてはトップクラスにいるみたいですね。

 もちろんクランの専属として生産している人達もいるでしょうが、そういった人達は露店をあまり出しませんので現状では掲示板くらいからしか状況は読めません。

 その掲示板の情報もブロンズ系の★3がやっと出来始めたといった程度で安定はしていないようです。


 私もそろそろブロンズに再チャレンジする時期が来たと思います。

 何せ遂に『鍛冶』のLvが50を超えたのですから!


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 すでにお馴染みにとなった南門通りの【レンタル生産施設】の個室で私は自分のスキルの確認から行うことにしました。

 『鍛冶』のLvが50に近づくに連れて確認する頻度が高くなっていたので、割りと見慣れているのですがもう一度です。


 ====

 メイン

 細工Lv34/裁縫Lv42/織Lv31/商人Lv49/道具製作Lv39

 鍛冶Lv51/魔術陣Lv42/魔力操作Lv42/魔力強化Lv42/魔力回復力強化Lv42


 サブ

 皮革Lv31/木工Lv28/錬金術Lv32/言語Lv33

 残りSP36

 ====


 本公開から約4日とちょっと、『ゲーム内時間』では2週間近くをかけてこのLvまで持ってくることが出来ました。

 最近の掲示板に載っていた自身のスキルウィンドウのスクリーンショットでのスキルLv自慢では、50超えは数名だけでした。しかも戦闘スキルばかりで生産スキルでの50超えの書き込みはありませんでしたので……私、なかなかいい線いってると思います。


 βテストの情報では『鍛冶Lv50』辺りからブロンズ系は安定してくるという話でしたのでさっそくやってみましょう。


 大量に買い集めてある『銅鉱石』と『錫鉱石』を同量『魔導炉』に投入し、『鍛冶アーツ/Lv15/抽出・改』でじっくりと不純物を排除していきます。

 以前挑戦した時にはこの不純物の排除に時間がかかりすぎて、失敗間際の低ランクとなってしまったのですが、今回はスキルLvが高くなったおかげですいすい出来ます。

 まるで『カッパーインゴット』を作っているかのようなお手軽さですね。

 あの時の苦戦が嘘のように不純物がどんどんなくなっていき、出来上がったのがこちら――


 ====

 ブロンズインゴット

 素材/★4

 ====


 やりました! ★3を通り越していきなり★4ですよ!

 ずっと我慢してカッパー系でLv上げを続けた結果が出ました。

 嬉しさのあまり、万歳した拍子に完成したばかりの『ブロンズインゴット』を思いっきり天井にぶつけるくらいスッポ抜けてしまいましたが、『ブロンズインゴット』は素材なので耐久がなくて助かりました。危ない危ない。


 天井に傷一つないのは『ブロンズインゴット』に耐久がないので、ダメージにならないからです。投げつけても安心なのですよ。怖いですけど。


 それから大量に『ブロンズインゴット』を作り続け、気づけば『ブロンズインゴット』製作だけで2時間あまりが経過していました。

 嬉しくて調子に乗ってしまいました。でもこれからたっぷり使うので問題ありません。


 さっそく製作するブロンズ系装備第一弾はやはり私のトレードマークです。

 これを作らなくては始まりません。

 ちなみに以前作った『ブロンズリング』は歴史から抹消されていますので、第一弾はアレではありません。


 カンカンカンカン、『成型』で丁寧に形を整えていけば、オリジナルレシピとして登録できるくらい何度も何度も作ったのであっという間に完成です。

 『カッパーバケツヘルム』はもちろんオリジナルレシピとして登録してありますので、今回も登録できるくらいたくさん作りますよ。


 完成品はこちら――


 ====

 ブロンズバケツヘルム

 頭/重装/★3/DEF+13/耐久40

 ====


 無事にオリジナルと判定され、名前もつけることが出来ました。

 残念ながら★4にはならず、当然『オプション』もつきませんでしたが私は満足です。

 『カッパーバケツヘルム』と比べても防御力は倍近いです。

 形はほぼ同じですが、色が少し茶色がかっているのがブロンズ系装備の特徴ですね。

 カッパー系と並べてみるとよくわかるのですが、カッパー系の方が赤味が強い感じです。でも単品ではあんまり違いがわかりませんね。

 まぁ性能を見れば一目瞭然ですので問題ありません。


 まずは知り合い達の装備更新のために知っている範囲で装備を製作していきます。

 ミカちゃんはブロンズ系は欲しがっていなかったので、『オプション品』が出来たら連絡を入れるとして、まずは姫ちゃん。


 重装備とトレードマークのフェイスマスク、『魔導糸手袋』ですね。

 その他にも専用糸の製作もしておきましょう。

 重装備はラッシュさんにも回せますので2つ作っておきます。


 完成した装備の一部がこちら――


 ====

 ブロンズマジックホビングローブ

 魔導糸手袋/★3/ATK+17/耐久90

 ====


 ====

 ブロンズフェイスマスク

 頭/重装/★3/DEF+9/耐久40

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 ====

 ブロンズロングソード

 長剣/★3/ATK+29/耐久80

 ====


 生産を初めた頃に戻ったように丁寧に丁寧に『成型』を使い、ゆっくりと仕上げたことにより、1つも★2や★1になることはなく安定して★3のブロンズ系装備ができるようになりました。

 今まで『鍛冶』をやってきた手応えからして丁寧にやらなければ★3からこぼれ落ちる気がします。

 安定して★3を作り出せるのは丁寧な作業が肝ですね。


 完成した装備もカッパー系と比べると性能は倍からそれ以上です。

 相場情報を見てみると性能面と同様に倍以上の値段になっていますね。これは一式買い換えるのには結構な額がかかると思います。

 まぁそれだけの価値がある性能ですし。


 これで『オプション品』が作れるようになったら、もっと値段が上がるわけです。

 買取している素材の値段を考えるとウハウハものですね。

 頑張ってきた甲斐があるというものですよ。


 まだまだ大量にある『ブロンズインゴット』でどんどん知り合い用の装備を作っていきます。

 丁寧に慎重に作業を進め、全ての装備を作り終えた頃には施設のレンタル開始から5時間あまりも経っていました。


 ログアウト時間にはぎりぎり間に合ったので諸々を済ませて再ログインです。

 いい気分転換にもなったので引き続きブロンズ系装備製作です!


 でもその前にブロンズ系装備が完成したことを知り合い達に『メール』しておきましょうか。

 買い取れなくても★3のブロンズ系装備なら露店に出したら速攻で売れるでしょう。未だにカッパー系装備も順調に売れるのですから確実です。


 作業再開、と思ったところですぐに『メール』が返ってきました。

 姫ちゃんもラッシュさんも買い取れるだけブロンズ系装備を買いたいそうです。

 でも手持ちが足りるかが心配なのだそうで、要相談ということになりました。

 2人共狩りを中断してすぐに来るということなので、ついたら『コール』してもらうことにしました。

 やはり店舗で未だに品薄状態の上に、露店でもまともなものは滅多に見れないブロンズ系装備は魅力的なようです。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


『ついた』

『りょうかーい。今作ってるの終わったら行くねー』

『ん』


 作業を再開すること10分あまり、一番手は姫ちゃんのようです。

 作業中の装備もすぐに完成したので、あまり待たせることなく合流できました。

 でも販売前に【開拓者組合(ギルド)】で評価を貰っておくのを忘れてはいけません。


 姫ちゃんと一緒に【開拓者組合(ギルド)】に向かい、私はブロンズ系装備の評価査定に。姫ちゃんは終わったクエストの報告に行くそうです。


「いらっしゃいませ、バケツさん様。

 本日も製作アイテムの評価査定でよろしいですか?」

「はい、お願いします」


 毎回『製作アイテム評価システム』ばかり利用しているので、狸耳の受付嬢さんに顔を覚えられたみたいです。

 顔といっても『バケツヘルム』を被っているので脱いだらわからなくなっちゃうと思いますけどね。


 トレードで評価してもらう装備を渡した際に小さな声で、「ブロンズ製作おめでとうございます」と言ってくれたのがすごく嬉しかったです。

 小声なのは私がブロンズ系装備の安定製作が出来るようになったことがここで(・・・)ばれるとまた騒ぎになるからでしょう。気遣いが嬉しいです。

 『製作アイテム評価システム』の受付嬢さんは高いLvで『鑑定』を所持しているらしく、私も何度も評価してもらっています。

 そういった理由で私のプレイ状況をよく知っているからこその祝福の言葉というわけです。


 評価が終わり、装備が返ってくると結果を見てさらに嬉しくなりました。

 カッパー系装備と比べて倍とはいいませんが、それに近いくらいに評価が高くなっているのです。

 これで『オプション品』が混ざりだしたら★3どころか★4もすぐですね。

 ★1から★2に上がるのはそれほど時間はかかりませんでしたが、★2から★3となると★2まで合計値の6倍の評価が必要となるため時間も相応にかかることになります。

 ★3から★4となったら★3まで合計値の3倍強かかります。

 でもこれからはブロンズ系装備がメインの製作となるので、時間も半分近くに短縮されることでしょう。

 まぁ理論上の話なので実際にはもう少しかかるでしょうけど。


「バケツさん」

「あ、姫ちゃんごめんね、終わったからカフェいこっか」

「ん」


 【開拓者組合(ギルド)】内で私や生産者に対して交渉を持ちかけてくる人は以前と比べてだいぶ少なくなりました。

 私が【開拓者組合(ギルド)】で起こした事件というほどでもない小さなハプニングの数々の結果、掲示板で「生産者への無理強い」に関して様々な議論が飛び交ったからです。


 結果としては「威圧的な交渉の禁止」など、色々決まり事が出来たみたいですけど、ローカルルールみたいなものですので強制力は当然ありません。

 でも大多数の人は数の少ない生産系開拓者が生産行為をやめてしまわないように、自主的に広めて守ってくれているみたいです。

 中には積極的に交渉をしている生産者もいるみたいですが、【開拓者組合(ギルド)】内ではやらなくなったみたいです。

 まぁぶっちゃけ迷惑ですしね。


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