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137 『かんせー!』



 『レシピの欠片』集めはそれほど苦労すること無く、結構な数が集めることができました。

 特に製作難易度が高いと思われる『レシピの欠片』が多く、ドロップしたはいいが、持て余していたようです。

 スキルLvや設備、道具がなければもっていても宝の持ち腐れですし、将来を考えて今から確保しておくにも、製作難易度が高めの『レシピの欠片』はまだまだアップデート初日ということで比較的高めの値段で取引されているようです。


 つまりは、作れもしないものに大金を出す人は少なかった、ということなのです。

 それに、低確率とはいえ、それなりにはドロップしている現状なので、すぐに値段も落ちるのが予想できます。

 生産系プレイヤー開拓者よりも戦闘系プレイヤー開拓者の方が圧倒的に多いんですから。

 いずれは捨て値で取引されたり、捨てられたりしてしまうんじゃないでしょうか。ちょっと心配です。


 でも、今はまだレアドロップでそれなりの値段がします。

 まあ、スティール系装備の『ダブルオプション品』を販売している私にとっては大した値段ではありませんので、全部買い取りました。


 呼びかけたのもフレンド限定ですし、法外な値段で売りつけようなんてする人は皆無です。

 『レシピの欠片』はあくまでレシピですからね。

 そこから出来上がるアイテムこそが本命なんです。

 そして、現状で製作できるのは私を含めた少数だけだろうと思われるので、ほとんど独占しているような状況です。

 法外な値段で売りつけようものなら、フレンド解除してお店にも出禁ですからね。

 買えなくなってしまっては意味がありません。


 持ち込まれた『レシピの欠片』は全部買い取りましたが、肝心の王鉄鋼を素材にしているものは数点だけでした。

 無論、重装系装備や武器に限定しているからでしょうね。

 『魔術陣』に王鉄鋼は使わないでしょうし。


 それに『レシピの欠片』は全ての素材が載っているわけではありません。

 王鉄鋼を素材に交ぜてみるのも一興でしょう。


 それに、『レシピの欠片』をカテゴリーを絞って集めてみると色々とわかることもありました。

 全てが載っていなくても、一部はレシピとして載っているのが『レシピの欠片』です。

 完成するものが違っても、ある程度製作工程は似通っているものです。

 つまりは、完全に一致しなくとも、部分的に一致するので数を集めれば、ひとつのレシピとしてみることが可能になる、ということです。


 ただ、あくまでこれはシステムによらない部分での話です。

 レシピというシステムは、素材や設備、道具、スキルLvが一定以上揃っていれば半自動的に製作してくれるというものです。

 そうでなければ、どうみても足りない素材が補われていたり、鞘などの製作しなくてもついてくるおまけなどがあるわけないのですから。

 まあ、『完了処理』がすごすぎるんですけど。


 オリジナルアイテムの場合は、自動化される部分がさらに少なくなり、想像力やリアルな製作力が問われることになります。

 一度もオリジナルアイテムを作ったことがない場合は、かなりハードルが高い作業になりますが、私のように何度も作った事ある場合はそうでもないです。

 ですので、大体の全体像が見えてくれば――


「かんせー! ★3『カイザーアイアンショートソード』!」


 王鉄鋼をインゴット化したものは、『カイザーアイアンインゴット』。

 レシピがないものでも、簡単なものは名前が勝手につきます。

 あくまでも、独創性や他にない形状などをしていないとオリジナル判定は下らないのです。


 ロングソードは、今まで何度も何度も作ってきた武器ですし、インゴットがあれば作るのは結構簡単です。

 問題はランクです。

 こればかりは、スキルLvや設備、道具……そして素材が問題となります。


 『レシピの欠片』を集めたことにより、全体像がみえたことで必要となる素材がある程度みえたのが勝因といえるでしょう。

 その他にも、『レシピの欠片』に書かれていた今までになかった工程を付け加えたのもよかったと思います。


 それは、『魔術陣』をものすごく簡素にした装飾です。

 これを刀身内部に彫り込み、保護するように覆うことによって何かしらの効果が発揮されるようです。


 そのため、『カイザーアイアンショートソード』には『術式』というボーナスがついています。

 そう、『オプション』ではなく、ボーナスなのです。


 ====


 カイザーアイアンショートソード/★3/ATK+110/耐久80

 術式:STR+1


 ====


 複合装備にはシリーズボーナスがつくように、陣を組み込むことによって得られるボーナスなのでしょう。

 どう考えても、あの工程が原因でついたとしか思えませんし。


 試しに、陣を組み込まずに製作してみたところ、★2で完成しました。

 もちろん、『術式』のボーナスはなしです。

 王鉄鋼を素材にした装備は『術式』を組み込んで初めて★3以上になるのでしょうか。

 スキルLvや設備などを今以上にあげてもそうなるのなら決まりでしょうが、今のところまだわかりませんね。


 それよりも問題なのは、この『術式』です。

 『魔術陣』を彫り込んだら、『魔術陣』付きの装備になってしまいますし、『術式』というボーナスはつきません。

 ですが、何度も何度も『魔術陣』を描いてきた私には、『術式』が『魔術陣』の簡易版であることがわかります。

 今回組み込んだ『術式』は、『レシピの欠片』から得られたものですが、似たようなものなら描けそうな気がします。


 ――では、実験してみましょう。


 思いつく『術式』をひとつずつ組み込んで試してみました。

 結果して、いくつかの装飾は『術式』として認められなかったのか、ボーナスはつきませんでしたが、残りの装飾は『術式』として判断されたようです。

 いくつかの共通点もみつけることができましたので、今度はそれらを踏まえて『術式』を組み込んでいきます。


 さらには、ひとつだけではなく、ふたつ三つと、同時に組み込み、どれだけのボーナスが得られるのかも調べてみました。


 結論として、現状でできることは、『術式』を組み込む場合はひとつが限界。

 ふたつ以上の場合、★2以下にランクがおちて性能が急激にダウンしてしまう。

 また、王鉄鋼を素材に使った装備以外では『術式』のボーナスは発生せず、ランクがダウンしてしまうことがわかった。


 『術式』ボーナスと共に『オプション』が発生するのかどうかは、まだ私のスキルLvが低いために検証できなかったけれど、そう遠くないうちに判明するでしょう。

 実験をしているうちに、スキルLvも少しずつ上がってきていますからね。


 『術式』もまだまだあるでしょうから、今後はそちらの実験も行いたいですね。


 基本性能ではやはり、スティール系の非『オプション品』よりも少しだけ高いようですし、『術式』ボーナスも合わせれば確実にスティールの上位装備です。


 ただ、今までのような性能の上昇率ではないので、一気に強くなるのは無理ですね。

 インフレ防止のためなのでしょうかね。

 上昇率の刻み方がかなり低いです。


 ただ、王鉄鋼は大型アップデートよりも前からドロップしていた素材です。

 追加された素材でさらに上の装備が作れるものもきっとあるはずですので、そちらに期待を持ちたいですね。

 もちろん、王鉄鋼で★3しか作れていない時点で、さらに上の装備となると現状では『物体X』先生がお越しになってしまいかねませんが。


 つまりはまだまだ精進あるのみです。


 ちなみに、『術式』ボーナスについては独占なんて無理ですし、『レシピの欠片』にも載っていることですので、掲示板に情報をアップしておきますかね。

 ただ、『魔術陣』を他に描いているプレイヤー開拓者は少ないので、『レシピの欠片』以外の『術式』を描くのは難しいかもしれませんけど。

 その辺は各自の努力次第でしょう。

 独自の工夫は、各人の財産ですしね。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 掲示板に情報を載せたら、あとはひたすら王鉄鋼を使った装備の作り続けます。

 『ゲーム内時間』は今は深夜帯です。

 『現実時間』のお昼を挟んで、今度は別の国に行く約束を甘ロリさんたちとしていますので、それまではひたすらに製作に打ち込むのですよ。


 『各国横断スタンプラリー』は、まだ終わっていません。

 記念メダルは【ユングスメリス共和国】へ行ったのですでにもらえますが、どうせならもうひとつの国にも行って全部のメダルを集めてしまいましょう。

 それにあちらの素材も買い集めておきたいですし。


 あ、そうですよ。

 【首都メリス】で買い集めた素材も使って実験しなければいけません。

 いやあ、忙しいですね、これは!

 やりたいことがいっぱいありすぎて大変です。


 大型アップデートは、まだまだ初日。

 発見されていない追加項目もまだまだあるでしょう。


 私が情報をアップしたように、他のプレイヤーたちも続々と情報を掲示板にあげているようです。

 それらは駅馬車の道中で確認するとしましょう。

 次の国も道中は【ユングスメリス共和国】に行ったくらいにはかかるようですし。

 甘ロリさんがまた道中の暇潰しを用意してくれるとは行っていましたが、完全に潰せるものでもないですからね。


 それにしても、オセロ、チェスきたら次は将棋でしょうかね? それとも囲碁とか?

 あ、もしかしたらトランプとか用意してくるかもしれませんね。

 結構、こういった簡単な遊戯用品は露店でも売っていますからね。

 さてさて、甘ロリさんは何を持ってきてくれるのですかね。

 楽しみです。



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