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ユニーク賢者の異世界冒険記  作者: ハヤテ
第2章

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第52話 春風、さらに暴れまくる

前回のあらすじ


 春風君、バンデルをボコった後、彼の仲間を挑発する。


 「お、おい、まさかアイツ、あれ全員と戦う気か?」


 「う、嘘だろ?」


 「何考えてんの!?」


 突然の展開に戸惑うギャラリー達。これには流石のリエラとアリシアも慌てふためいていた。


 「どどど、どうしようアリシアさん!?」


 「おおお落ち着くんだリエラ! だだだ大丈夫、ハル君ならきっと勝てるさ! 君、さっきまで応援してただろう?」


 「そそそ、そうだけど、この展開は流石に予想外だよぉ」


 落ち着かない様子の2人とは対照的に、フレデリックとヴァレリーは落ち着いた様子で闘技台の状況を見ていた。


 しかし、その心の中では、 


 (ま、まずいですね。ちょっと調子に乗ってしまいました。頑張ってください、ハルさん!)


 (こ、これは、流石にまずいかも……。 が、頑張ってくれ、ハル!)


 全然、落ち着いてなかった。


 さて、そんな彼らの様子をよそに、闘技台では緊張が走っていた。


 闘技台の上では、バンデルとその仲間達、合わせて5人が、春風を睨み付ける。


 対する春風はというと、メタリックフェザーを持ったまま腕を組み、静かな表情でバンデル達を見ていた。


 しばらく睨み合いが続いて、先に動いたのは、バンデル達だった。


 「お前ら、やっちまえ!」


 『ウオオオオオッ!』


 まず、バンデルが大剣を、斥候風の男が両手に短剣を、戦士風の女が大斧を構えて、春風に飛びかかった。その間、弓使い風の女は弓と矢を構えていつでも射てるようにし、魔術師風の男はいつでも魔術を放てるように準備をしていた。


 3人同時に飛びかかられて、いかにもピンチな状態の春風。


 しかし、春風は落ち着いた表情で仁王立ちしていた。


 そして、次の瞬間、


 「カァアッ!」


 ブワッ!


 「うお!」


 「ぬあああああああ!」


 「くっ!」


 小闘技場内全体に、春風の「雄叫び」が響き渡った。


 だが、ただの叫びではない、強い衝撃が込められた「雄叫び」だ。


 衝撃をまともに受けたバンデルと戦士風の女ーー以下女戦士は、吹き飛ばされないようそれぞれ武器を突き立てて踏ん張ったが、斥候風の男ーー以下斥候は闘技台の外まで飛ばされてしまい、そのショックで気を失った。


 (よかった、前もって[気迫解放]をレベル3まで上げておいて)


 春風が心の中でそんなことを考えていると、ハッとなった係員は気絶した斥候を見て、


 「場外、失格!」


 と、高々に叫んだ。


 「! こ、このぉ!」


 それを見て逆上した弓使い風の女ーー以下女弓使いは、春風に向かって何本もの矢を放った。


 「ふーん。じゃあ、こっちは……」


 そう言うと、春風はメタリックフェザーに風の魔力を込めて、それを軽く仰いだ。


 すると、そこから突風が発生し、春風に向かって放たれた矢を、全て女弓使いに弾き返した。ちなみに、これは鉄扇技『旋風招来』ではない。ただの風の魔力を、メタリックフェザーで放っただけのものだ。


 弾き返された矢は、全て女弓使い風の足元に突き刺さった。


 「ヒィッ!」


 そして、それに驚いた女弓使いはバランスを崩し、闘技台の外へ落ちた。


 「キャア!」


 ドサ!


 「グエ!」


 落ちた先は、最初に場外になった斥候の上だ。


 「場外、失格!」


 係員が再び叫ぶ。これでバンデルは2人も仲間を失った。


 (おー、こりゃあラッキーだな)


 春風が心の中でそんなことを呟いていると、


 「坊や! 次はアタシだよ!」


 と、戦士風の女が、春風に大斧を振り下ろした。


 (おっと、危ない)


 春風はすかさずそれを避ける。その後、閉じた状態のメタリックフェザーをグッと握って、戦士風の女の、右の脛を思いっきりぶっ叩いた。


 ズガン!


 「ウギィ!?」


 突然脛を襲った痛みに、思わず大斧を落とす女戦士。


 (おお! 女の人でも脛は痛いものなんだなぁ)


 春風がそんなことを考えてるうちに、後ろ向きに倒れそうになる女戦士。


 (あ、危ねぇ!)


 それを見た春風は、ダッシュで女戦士のそばに移動し、倒れそうになったところをキャッチした。


 その後、春風は魔力で全身を強化すると、女戦士をお姫様抱っこで抱きかかえた。


 「ふ、ふお!?」


 突然のことに間抜けな声を出す女戦士。春風はそんな彼女を、優しく闘技台の外へ置いた。


 「よっこらせっと」


 それを見た係員は三度叫ぶ。


 「じょ、場外、失格!」


 それを聞いて、一仕事を終えた春風が「ふぅ」としていると、


 「そ、そこまでだガキがぁ!」


 その声に「?」となった春風が、声がした方を振り向くと、


 「くらえ! 『アクアボール』!」


 残ったバンデルの仲間である魔術師風の男ーー以下魔術師が春風に水属性の魔術のようなものを放った。


 (お、あれがリエラの言ってた『魔術』ってやつだな)


 春風が魔術を見たのはこれが初めてだった。正確には、ファストリアで神官がそれらしいものを行なっていたのだが、そこでリエラが現れて、その後すぐに神官達を倒したため、実際に見ることはなかった。


 「危ない! ハル!」


 リエラが悲鳴をあげるが、春風は落ち着いた様子を崩さずに、右手をスッと出すと、その手に魔力を纏わせた。


 纏わせたのは、水属性の魔力だ。


 春風はその手で次に何をしたかというと、


 「ていや」


 ペシ! ビターン!


 なんと、魔術師が放った『アクアボール』を、思いっきり叩き落としたのだ。


 「な、なんだ今のは?」


 いきなり自分の魔術を叩き落とされて呆然となる魔術師。


 それを見逃さなかった春風は、一瞬のうちに魔術師の懐に飛び込み、その腹に掌底をくらわせた。


 ドォン!


 「ぐ……お……お、お前、俺と同じ『魔術師』だろ? なんで魔術を使わないんだ?」


 魔術師は腹に受けた痛みに苦しみながら、春風に問いかけた。


 春風はそれに、あっさり答えた。


 「メンドーだから、使わない!」


 「がぁ! そ、そんなぁ」


 その答えにショックを受けて、魔術師は気を失った。


 春風はそんな魔術師を、闘技台の外へポイっと放った。


 「じょ、場外! 失格!」


 係員、4度目の叫び。これで、バンデルの仲間は全滅した。


 「さぁてと」


 春風は残されたバンデルに向き直ると、メタリックフェザーをバンデルに向けて言い放った。


 「残りは、アンタだけだよ」


 そう言われたバンデルは、大剣を構えてはいるが、その体はガタガタと震えていて、顔は恐怖に染まっていた。


 


 


 

 

 


 


 

 


 


 


 


 




 

 次回、春風君、決着をつけます。

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