第41話 お昼ご飯からの、まさかの事態・2!?
前回のあらすじ
春風君、森の中で実験しつつ初仕事に挑戦する。
それから春風は、一生懸命薬草を採取した。途中、それ以外にも食べられる草や毒草とかも見つかったが、
「今は仕事、仕事中なんだ」
と自分に言い聞かせて、必死に布袋に薬草を詰めた。
そして気がつくと、布袋の中は薬草でパンパンになった。
「ふぅ、採った採った」
そう言って、布袋の中身を確認していると、
「おーい、ハールー!」
と、春風を呼ぶ声がしたので振り返ってみると、少し離れた位置にリエラがいた。
手を大きく振っていたので、春風も手を振ると、リエラは喜んで駆け出した。
春風もリエラの方へ駆け寄ると、彼女が何かを引きずっているのが見えた。
なんだろうと思ってよく見てみると、それは大量のウサギのような生き物だった。何故、ウサギではなくウサギのような生き物かというと、その生き物は普通のウサギよりも大きく、頭に一本の大きな鋭い角が生えていたからだ。
(あれ、漫画とかだったら『ホーンラビット』って名前なんだろうな)
春風が冷静にそんなことを考えている間に、リエラの方が春風のもとに着いた。
「ふう、ちょっと疲れたぁ」
「ねぇ、リエラ。それって一体、何?」
春風が恐る恐るそのウサギのような生き物を指差して質問すると、リエラは「?」を浮かべながら指差した先を見て、
「ああ、これ? 『スピアラビット』っていうの。私の今日の獲物だよ」
と、明るい口調で答えた。
(『ホーンラビット』じゃないんだ)
春風はちょっと残念そうに考えながら、そのスピアラビットという生き物に[鑑定]を使った。
スピアラビット(獣種)……槍の穂先のように鋭い角を持つウサギの魔物。大きな体に似合わない高いスピードを誇り、それを活かした角による突き攻撃を得意とする。
「結構倒したんだね」
「うん、それがハンターの仕事だからね! 春風の方は?」
「俺も結構ゲットしたよ」
そう言って、春風は薬草でいっぱいになった布袋を見せた。
「おお、すごい! いっぱい採ったんだねぇ」
リエラは素直な感想を言うと、背中に背負った革製のバッグから、大きな包みのような物を2つ取り出した。
「? なにそれ?」
春風はなんだろうと思って尋ねると、
「お弁当だよ。春風のぶんもあるから、一緒に食べよう」
リエラがそう答えた瞬間、春風のお腹が「ぐううう」と大きな音をたてた。春風は顔を真っ赤にして、
「……うん」
と、恥ずかしそうに答えた。
少し森を歩いていると、日当たりの良い広い場所に出たので、2人はそこで昼食にすることにした。
リエラにもらった大きな包みを開けると、中にはフランスパンのような大きなパンに、ハムやチーズ、葉物の野菜を挟んだサンドイッチがあった。
「いただきます」
と言って一口齧ると、とても美味しかった。
「行きつけのパン屋さんで買ったんだ」
とリエラが言ったので、春風は申し訳なさそうに、
「そうだったんだ。俺の分まで、ごめん」
と謝った。
しかし、リエラは嫌な顔をせずに、
「良いって良いって、春風がすごい稼げるようになったら、その時にご馳走してくれればいいから!」
と、明るい笑顔で言った。
それを見て、春風は苦笑いしながら、
「うん、わかった。俺、頑張るよ。頑張って、強くなって、絶対リエラにご馳走する」
と、リエラにそう誓った。
そんな2人の様子を零号の中で見ていたヨルサは、
(ホッホッホ、仲が良くていいのう)
と、穏やかな笑みを浮かべていた。
昼食が終わってからしばらくの間、春風、リエラ、ヨルサは他愛のない話をしていた。
「それじゃあ、仕事も終わったし、マイスターンに帰ろっか」
「うん」
「そうじゃな」
そう言って立ち上がったその時だった。
誰かが春風達に向かって走ってくる音が聞こえたのだ。
2人はなんだろうと思って音がする方を見ると、それは数人の男女のようで、それぞれが大きな剣を背負った戦士風の格好と魔術師風の格好をしていた。
「お、丁度いいぜ!」
戦士風の格好をした男が、春風達を見てニヤリとすると、
「悪りぃ、あれ任せたぜ!」
「「え?」」
と言って、男女は春風達を走って通り過ぎた。
「なんだったんだ?」
「さあ?」
「はて、なんじゃろうなあ?」
3人が首を傾げたその時だった。
ーーブフォオおおおおおお!
突如獣のような大きな雄叫びが聞こえたので、嫌な予感がして振り向くと、
何やら大きな物体が、3人に向かって突進してきた。
まさかの事態、第2弾でした。ちなみに、第1弾はリエラとの模擬試合です。
次回、春風とリエラ、力を合わせて戦います。




