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ユニーク賢者の異世界冒険記  作者: ハヤテ
第1章

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第25話 確認と、感謝

 お待たせしました。1日遅れの投稿です。


前回のあらすじ


 春風君、固有職保持者の真実を知る。


 「参ったなぁ」


 そう呟いた春風は、今日あった出来事を頭の中でまとめることにした。


 (教室で昼休みを迎えていたら、いきなり床が光って先生とクラスのみんなが消えて、俺もヤベェと思ったら神様に助けられて、助かったと思ったらまさかの地球消滅の危機で、その原因が異世界エルードのルール無視の勇者召喚で、地球を守るために神様と契約して、いざエルードに来てみたら召喚を行った連中が信用できなくて、ブチ切れてその場にいたリエラさんと大暴れしてみんなを置いて外に脱出。で、本物の神様に会ってお話ししたら、この世界は既に悪い奴らに乗っ取られた後で、その悪い奴らをぶっ殺す『悪魔』が俺とリエラさんで、しかも俺が目覚めたのは大昔に国を1つぶっ壊した悪魔と同じ『賢者』。といっても俺は『見習い賢者』ですが)


 まとめ終わってから、4秒の沈黙。


 春風君は、叫んだ。


 「なんだこの状況は!?」


 そう自分にツッコミを入れると、春風はハァっとため息を吐いた。


 衝撃の真実を聞いた後、春風は外の空気を吸いたいと言ってログハウスの外に出た。外は夜になったのか真っ暗で、空を見上げると無数の星々が綺麗に輝いているのが見えた。


 因みにアマテラスはというと、


 「他の神達(みんな)と話し合ってくる」


 と言って、また春風のスマホをゲートにして元の場所へ帰った。


 そして現在、春風は1人、ログハウス裏の湖の側にある木の下に座り込んでいた。


 「俺は間違いなく、自分の意思でこの世界に来たんだ。そのためにオーディン様と契約して、『見習い賢者』の力に目覚めて」


 春風はそう独り言を呟くと、空を見上げて、星を眺めた。


 「なのに、それさえも『運命』みたいな感じとか、冗談にも程がありすぎるだろ。一体、俺にどうしろって言うんだよ」


 そう言って再びため息を吐くと、ざっざっと自分の方に近づく足音が聞こえた。


 何だろうと思って足音がした方に振り向くと、


 「春風」


 そこには心配そうに春風を見つめるリエラがいた。


 「えーと、どうしたんですかリエラさん?」


 ぎこちなさそうに敬語で話す春風。


 「ちょっと、様子を見に来たんだ。春風、すごく辛そうだったから」


 リエラはどこか申し訳なさそうにそう言うと、春風の隣りまで近づき、ペタンと座り込んだ。


 しばらくの間沈黙していると、リエラが口を開いた。


 「ねぇ、春風」


 「何ですか?」


 「春風は、故郷を守るためにこの世界に来たんだよね?」


 「はい」


 「そのために、故郷の神様と契約したんだよね? 77歳になったら命を差し出すって内容で」


 「はい」


 「どうして、そんな事をしたの?」


 「俺の故郷、地球には、守りたいものがあって、叶えたい夢があるからです」


 「だから、故郷に無くなってほしくない?」


 「はい」


 「怖くないの?」


 「え?」


 「契約もそうだけど、もし失敗したらどうしようとか」


 「あー、それも考えてたんですけど、あの時の俺は、怖い以上に怒りが勝っていたんですよね、ハハハ」


 乾いた笑い声を出す春風。


 「そう……なんだ」


 そう言って、リエラは視線を目の前の湖に向けた。


 「俺からも聞いていいですか?」


 「なあに?」


 「ヘリアテス様がお母さんってことは、お父さんってもしかして……」


 「うん、ループス様」


 春風はやっぱりかと呟くと、続けて質問した。


 「じゃあ、ヨルサさんとはいつ知り合ったんですか?」


 「ヨルサおばあちゃんとは5歳の時に出会ったの。本人も言ってたけど、幽霊になって彷徨ってた時に、偶然ここに迷い込んだんだ。最初はお母さんもお父さんも警戒してたけど、今じゃあすっかり家族の一員だよ」


 「そっか。予言については、リエラさんは知っていたんですか?」


 「うん。おばあちゃんと一緒に暮らし始めてからしばらく経った時に聞いたんだ。その時からかな、お母さんもお父さんも何か考え込むようになってね、私が大きくなってから、精霊王のみんなと少しずつ勉強や戦い方を教えるようになったんだ。それで今から3年前、準備をするって言って、お父さんはどこかに出かけたきり帰ってきてないんだ。私も15歳になって、お母さんから外の世界を見て来なさいって言われて、ハンターになって一人暮らしを始めたの。そして2年後の今日、仕事をしていた時にお母さんから、『ファストリアの王城でよくないことが起きようとしている』って言われて、すぐにファストリアに向かって、王城に忍び込んで……」


 「俺に出会ったってわけですね?」


 「うん」


 再び沈黙。


 「春風」


 「?」


 「春風は、ファストリアが許せない?」


 「はい」


 「神を名乗ってる悪党達が許せない?」


 「はい」


 「……この世界が、許せない?」


 「……はい」


 三度沈黙。気まずい空気が、2人を包んだ。


 すると、今度は春風が口を開いた。


 「……でもさ」


 「?」


 「リエラさんに、はすごく感謝しています」


 「!」


 「俺、正直に言いますと、ファストリアの連中が信用出来なくて、すぐに逃げないとって思ってたんですけど、逃げ出した後の予定、何にも考えてなかったんですよ」


 「……」


 「だから、あの時リエラさんに一緒に来てって言われて、すごく助かりました。そのおかげで、こうしてヘリアテス様にも会えて、この世界の真実っていうか現実(?)を知ることが出来て、本当に良かったんですよ」


 そう言って、春風は立ち上がってリエラの前に移動すると、またペタンと座り込んだ。そして、優しい笑顔でリエラを見つめると、


 「俺を連れ出してくれて、ありがとうございます」


 と、感謝の言葉を述べた。


 その言葉を聞いて、リエラは大粒の涙を流しながら、


 「わ……私の、方こそ……信じて……くれて、ありがとう」


 と、春風に感謝の言葉を返した。


 その後、幼い子供のように泣きじゃくるリエラが落ち着くまで、春風は側を離れなかった。


 


 

 


 


 


 

 次回、みんなでこれからの予定について話し合います。

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