第23話 老婆(幽霊)が語る、本当の予言
今回はちょっと短いかも知れません。というわけで……、
前回のあらすじ
リエラと神様の出会いを知り、おばあさんの幽霊登場です。
突然現れた老婆の幽霊。もしこれが普通だったら、
「出たーっ! 幽霊だーっ!!」
とビックリして騒ぎ出すところだろう。
しかし残念なことに、今はそんな状況ではなかった。
「あー、どちら様でしょうか?」
どこかぎこちなさそうに尋ねるアマテラスに、老婆の幽霊は答える。
「お初にお目にかかります、異世界の神様。儂の名は、ヨルサ。死んで幽霊となって彷徨っていた時にこの地に迷い込み、今はこうしてヘリアテス様のおそばに置かせてもらっている身にございますじゃ」
「ふむ、なるほど」
納得したアマテラスは、早速『予言に』ついてヨルサと名乗った老婆に聞くことにした。
「それじゃあヨルサさんとやら、『予言』について貴方が知っていることを教えてくれませんか?」
すると、ヨルサは真剣な表情で答えた。
「実は、その『予言』は17年前に儂が死の間際に遺したものなのじゃ」
「!」
ヨルサの告白に、春風とアマテラスは驚愕の表情を浮かべた。
(まさか、ここで予言を遺した人に会うなんて!)
しかし、そんな春風達に、ヨルサは更なる真実を告げた。
「もっとも、『教会』の連中によってかなり改変されているがのぉ」
「改変? いや、それよりも『教会』って?」
アマテラスの質問に、ヨルサは慌てて答える。
「おぉっと、これは失礼しましたですじゃ。『教会』、正式には『5神教会』と言いまして、その名の通り500年前から存在する5柱の神を崇める宗教組織ですじゃ。ファストリア王国に拠点を構えて、裏で国を支配しているのですじゃ」
(マジか。あの国にそんな秘密が……って、あれ?)
その時、ふと疑問が浮かび上がったので、今度は春風がヨルサに質問した。
「ちょっと待ってください。そんなすごい組織が、どうしてヨルサさんの予言を改変なんてしたのですか?」
ヨルサは春風の方を向くと、少し暗いが真面目な表情で答えた。
「それは、儂が遺した予言が、『教会』の連中……というより、奴らが信じる神々にとって不都合なものだったからじゃ」
「不都合?」
「そうじゃ。17年前、儂が遺した本当の予言はこうじゃ」
そして、ヨルサは春風達に、本当の予言を話した。
『この偽りの歴史に塗れた世界エルードにて、許されざる過ちが犯された時、真の神に育てられし女子の悪魔、神の命により過ちの地に立ち、異界の神と契りを結びし男の子の悪魔、過ちの光と共に地に降り立たん。そして2人の悪魔が出会い、互いに手を取り合いし時、偽りの神々が死ぬ未来が決定される。全ての偽りの神が滅ぼされた時、偽りの歴史に塗れた世界は終わり、悪魔は人々を新たな未来へと導くだろう』
予言を聞き終えた時、部屋の中は沈黙に包まれた。
(いや、ちょっと待って……え?)
困惑する春風に、ヨルサが話しかける。
「春風殿と、いったかの?」
「あ、はい」
「お主、固有職を持っておるな?」
「……はい、俺は固有職『見習い賢者』の固有職保持者です」
「なんと『賢者』!? そうか、どうやらお主は、思った以上に大変な運命を背負っているようじゃのぉ」
そう言った後、部屋は再び沈黙に包まれる。
しばらくして、口を開いたのは、春風だった。
「あの、俺からも聞いていいですか?」
「うむ」
「予言に出てきた『許されざる過ち』とは、今回のルール無視の異世界召喚……いえ、正確にはファストリアが行った、勇者召喚のことでしょうか?」
「恐らくそうじゃろうな」
「じゃあ、『真の神に育てられた女子の悪魔』っていうのは?」
「間違いなく、ヘリアテス様とループス様に育てられた、リエラ様のことじゃろう」
「てことは、もう1人の、『異界の神と契りを結びし男の子の悪魔』って……」
「……」
「俺……ですか?」
その質問に、ヨルサは重々しくコクリと頷いた。
「そうじゃ。リエラ様、そして春風殿、お主達2人こそが、神を滅ぼす悪魔なのですじゃ」
ヨルサさんの口調についてかなり苦労しました。
それと、本当の予言はどうにか形にできましたが、文章的におかしいところがありましたらすみません。
次回、真面目な話はまだまだ続きます。




