表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガールズ・ハートビート! ~相棒は魔王様!? 引っ張り回され冒険ライフ~  作者: 十六夜@肉球
第二章 お気楽極楽冒険生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/99

第二話 探索者クロエの憂鬱#0

 『金』級探索者編、スタートです!


 魔族からみた人族のお話です。


 8/20におまけ編も公開しています。未見の方は、一緒にどうぞ。



 そもそも、変な言い掛かりをつけて喧嘩を売ってきたのは、アチラの人族連中なんだって話だよ。

 最初の予想していなかった出会いが不躾だったのは認める。

 こちらとしても準備も心構えも出来てなかったからな。次に合うことがあれば、宴席でも用意してお詫びをしようと思っていたぐらいだ。


 だけどなぁ……数カ月後に突然押しかけて来た挙げ句、神の威光がどうの、信仰がどうの言われても困るワケよ。

 こっちにだって神様はいるんだし、別に余所の神様を軽視するつもりも馬鹿にするつもりもないが、こちらの神様を辱めた挙げ句自分達のそれを一方的に押し付けられても困るって話だ。

 それだけでも斬り捨ててやろうかってレベルの狼藉だというのに、それだけでは飽き足らずこちらの魔法の使い方一つにまでいちゃもん付けてくるわ、頼みもしないのに変な道具を押し付けてくるわ……。

 そもそもなんでアイツらは一々上から目線なのだ?

 自分自身の魔力で魔法を使えるのが、そんなに気に入らないのかねぇ。

 こちらから見れば魔力を他から用立てできる連中のシステムも相当に羨ましいモンだが。

 そして神様とやらに対する盲信。奴らにとって『神』とは何一つ間違えないし、全てを正しく判断する存在なんだそうだ。

 普段見慣れているこちらの神様とはえらい違いだな。

 あまりにもアレなんでとりあえず「神とは敬うものであって、闇雲に従うだけの相手じゃない」と諭しておいたら、面白いほど顔色を変えやがった。

 その後は、もう聞くに堪えない罵詈雑言の山。しまいにゃ、怒鳴り声ばかりで何を言ってるのかすらわからなくなる有様だ。


 これは、なんだ? 友好とか交渉に来たのではなく、喧嘩を売りに来たのか?


 こちらの言い分に耳も貸さず、ひとしきり喚き散らし、そしてたどり着いた結論は『文明を解さぬ野蛮極まりない未開人である』だと。


 まぁ、それはいいさ。

 こちとらお上品な文明人だと言い張るつもりはないし、言いたいように言えばいい。


 だが、その噛み合わないやり取りの結論が、『未開人はそれなりの手段でしつける必要がある』ときたモンだ。

 犬や猫の話か? 失礼にもほどがあるってものがあるだろう。


 一応我らが最後の神『ユリヅキ』様にお伺いを立てた所、「向こうの気が済むまで相手すればいい」といつもどおりやる気の無いお返事。

 あの方は基本的に下々のことに関与するのを好まず、余程のことがなければ動くことはない。

 つまり、この程度は『余程のこと』ではないということだ。


 ふん、丁度良い。こちらとしても売られた喧嘩を買うのは吝かではない。

 戦いこそ我らが誉。手を抜くのはあちらにも失礼というものだし、こっちもいい加減溜まりまくった鬱憤を晴らしたいと思っていたところだ。


 相手が価値観の違う異文化であることを最大限配慮して、こちらの流儀を持ち出さぬようにしていたが、こうも耳を貸さず、『ユリヅキ』様も止めないというのであれば、配慮する必要もないよな?


 若い衆の鍛錬や危機感を持たせるにも都合が良いし、向こうからわざわざ来てくれると言うんだ。

 我らが役目、いずれ世界の果てから押し寄せてくるであろう『鬼』との戦いに備える意味でも有意義だ。

 アイツらだっていずれ迎える『竜』との戦いの『りはさーる』とかいう奴にもなるだろうし、両者両得。


 精々派手にやってやろうじゃないか。


#1に続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ