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聖剣使う美少女(脳筋)が相棒です  作者: 東雲 立風
Chapter 9 -Dream to see on The Eve 《戦前夜に歌響く》-
158/188

126.5 with Absolutely

 『絶対』


  ————他に比較するものや対立するものがないこと。

  ————他の何ものにも制限、妨げられないこと。

  

 つまるところ絶対とは、強い弱いという力関係云々(うんぬん)ではなく、そういう事象なのである。

 生きた存在ではなない。

 自然災害、地震や津波に近しいと呼べるか。


 絶対は絶対として独立し、何にも侵されることはない。

 

 ただそれらは偶発的には生じない。

 必然として、起こるべくして起こるのだ。

 

 果てしなく続く宇宙には様々な存在がある。

 恒星、惑星、そして星に住まう生命体。

 それらは神というそれなり(・・・・)に大きな生命の庇護下で独自の発展を遂げる。


 白の星では魔術という力が育つ。

 黒い星では魔法という力が育つ。

 緑の星では霊力という力が育つ。

 青い星では科学、そして新たな特異能力も発現し始めた。


 可能性の天井は見えない。

 彼らは危うさを顧みず、ひたすらに進んでいく。


 もちろん上手く結果を出す時もあるだろう。 

 ただ、滅びを迎える星があるのも必然。

 しかもその破滅の威力はたいてい周りを巻き込むもの。

 幾度となく宇宙の波は荒れ狂うことになる。


 そこで立ち上がったのがある存在。

 平和を求めて、争いを無くすため。

 その存在は己が生命を賭け、『絶対』を創り出した。

 裁定するものを。

 何処かの星で言うところの天秤、狂うことのない絶対の(はかり)である。


 もたらす結果は平定の一言。

 客観的にみるならば、確かに滅びは最小限に抑えられ、また未然に防ぐことすら出来た。


 しかし創造主はいつしか没した。

 その存在は、創り出したものとは違い絶対ではない。

 限りがあったのだ。


 ひとつ残ったのは裁定する秤だ。

 ただそこに感情は生まれない、そんなものは持ち合わせていないのだから。

 声なき声、かつて下った主が命にひたすら従い、公平に宇宙を廻る。


 全ては、創造主が願った平和のためである。















 裁定者の力は絶対である。

 これには格別という意味もあるが、単純に能力の名称としても捉えられる。

 能力名が『絶対』なのである。


 具体的には『幸せの追求』と言ったところ。

 裁定は平和を求める、そのたった1つの想いがある限り、全てが全て思い通りに動くとい力だ。

 異能の力は何も効かず、固い拳も効かず、言葉も効かず。

 

 ようは、絶対なのだ。

 

 裁定は絶対に曲がらない、絶対に折れない、絶対に喰らわない、絶対に負けないのだ。


 想っただけで道が拓く。

 そういうものなのだ。


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