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第二章四十一話 「団会」




<視点 ディウ>


―――第一印象、自己紹介、慣れ始め、それは人間関係において、大事なことだ。

人の見た目、表情、声、髪、服装、歩き方、目線の高さ、清潔感、などなど。

それらの総合の第一印象で決まる相手の見方の割合は、七割から八割程度と言われている。

その割合はアルヴァート・メラヴィアンという人物が考えた説であるからして、『メラヴィアンの法則』などと呼ばれているが、それはとりあえず今はいい。

それよりも、人の見方は第一印象でほぼ決まる。

故に、最初の出会いこそが最重要なのだ。


「―――」


―――静まった訓練所を、ディウは精一杯見渡す。

そこから感じ取れる、普通の騎士たちとは訓練の質も量も雰囲気も若干異なる、五人の気配。

五人のうちの二人は今お互いで戦っていて、五人のうちの他の一人はその戦いを見物して、五人のうちの他の二人は各々で訓練をしている。


「……ふむ」


―――その五人、『英雄五傑』とやらを味方に引き入れるのが、今回のディウの仕事。

そしてディウの考えている計画では、五人それぞれもしくは五人全員とディウが戦う、というものだ。

戦闘とは人の本質が出る、そして『英雄五傑』がディウから見てどれほどのものかも確認できる、故にディウはその手段を取る。

というわけで、まずは話しかけるところから始めるのだが―――


「……ジェノン、アルテッド」


―――ディウは、後ろにいる二人の男性へと話しかけた。

片や『副騎士団長』、金髪金瞳金鎧金剣のジェノン・ブルガルダス。

片や『副魔法騎士団長』、白髪青瞳白髭紫服のアルテッド・ルフォンス。

ディウから計画内容を聞かされ驚いた表情をして、だがその後、その計画も一理ありと納得を見せた二人。

その二人はディアに話しかけられ、無言で話を聞く体勢を取るが―――


「これは、どう絡めばいいのだ?」

「「……はい?」」


―――予想外の内容に、驚愕するしない以前の疑問の声を上げた。

それもそのはずだろう、とディウは自分自身に呆れるようにため息を吐きながら―――


「最初から勝負を挑めば、それはただの戦闘狂と勘違いされるだろう?だから、俺はできるだけ話し合ってから戦いたい。あれだ、ルーディナなりに言う『ふぁーすとこんたくと』というやつを、俺は好印象で終わらせたいのだ」


―――そう、要求を言う。

要するに、最初から勝負を仕掛けて戦闘狂やら頭がおかしいやつやらと勘違いされたくないから、どうやって話しかければいいのか教えてくれ、ということである。

ついでに、誰に話しかければいいかも教えてほしいものだが。


「……ええ、ディウ殿もしっかりと人間味があるところもあるんですね、はい。安心しましたよ、ええ」

「なぜ俺が人外扱いされてるかはわからんが、協力してくれるなら助かる」

「それはどういたしましてです。……別に人外扱いしているわけではないのです、はい。ただただ、戦闘で仲良くなるというのが少し印象に残っているだけで……」

「流石は『勇者パーティ』の一人、と言った感じですなぁ。わしはその提案、むしろ好意を覚えた次第」

「……よくわからんが、まあいい。それよりも、誰にどう絡めばいいか教えてくれるか?」


―――不器用なディウにはいろいろと伝わっていないのだが、とりあえず褒められている、ということだけはわかる。

相手からの賞賛を“それ”だけで済ませるのは流石にどうかとは思うが、ジェノンとアルテッドの二人はそれを苦笑で流し、問いに対する答えを返す。


「『英雄五傑』の中だと一番話しやすいのは、『精神英雄像』ロクト・エクトラルク殿かと、ええ」

「一番落ち着いた雰囲気の人ですからねぇ。話しやすいというより、話を良く聞いてくれる、そのような次第」

「なるほどな。じゃあそのロクトというやつに会いに行こう。……ありがとな、助かった」

「いえいえ」

「これぐらいは当然ですからなぁ」


―――そして『英雄五傑』の中で一番話しやすい、というより良く話を聞いてくれるのは、ロクト・エクトラルクという人物だという情報が入った。

『精神英雄像』の二つ名からして、雰囲気はどちらかと言うと暗そうなものが浮かべられる。

ディウはしっかりと感謝を告げ、そのロクトという人物に会いに行こうと―――


「……ディウ殿、少し質問良いでしょうか?」

「む?なんだ?」


―――して、アルテッドに止められた。

彼に止められたのはこれで二回目、次は何かとディウはやはり律儀に後ろを振り返り―――


「『ふぁーすとこんたくと』、とはどういう意味でしょうか?わしは、そんな言葉を一度も聞いたことも見たこともない次第」


―――そんな質問が聞こえた。

アルテッドももう何十年と生きているお爺ちゃんのはずだが、どうやらその言葉を知らないらしい。

と言っても、ディウもルーディナから聞くまで、聞いたことも見たこともなかったが。


「それか。ルーディナが言ってた言葉だが、あいつは確か故郷の言葉?とやらと言っていたぞ。……詳しくは故郷の海の外のどうたらこうたらと言っていたが、俺もあんまり覚えていない」


―――それの質問に対し、ディウはそう、答えた。


              △▼△▼△▼△▼△


―――そしてその後、そのロクトとやらを見つけ会話をし、他の『英雄五傑』全員で揃ってから、戦闘を始めることにした。

ルタテイトと出会い、そして三人一緒にいたラウヴィット、リアテュ、レーナエーナと出会い、そして前回の最後の場面に戻る、というわけである。





 ちょっと今回短いっすすいやせん。


 いや読んだくれてる人がいるのかわからんけど。

 もし読んでくれたら、感想とか書いてもらっていいんですよ?ログインなしで書けるはずなので。


 ということで、今回も読んでくれてありがとうございました!では、またね〜。



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