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白馬の騎士がエンゲル王を倒して両親の仇を討ってくれました

私はそれからも、最悪なことに、何度もルヴィに連れられて貴族の館を襲っているエンゲル軍の兵士退治に同行させられたのだ。


「いやだ、乗りたくない!」

と叫んだのに拒否されて、ルヴィに抱きかかえられて、シロに乗せられて、

「いやーーーーー!」

と叫んで、ガシャーーーーーン!


窓を突き破り、時には屋根を突き破り、狼藉を働くエンゲルの兵士達を退治したのだ。


ルヴィとシロが……


私は単にルヴィに悲鳴を上げてしがみついているだけだった。



それは、確かに助けてもらった貴族や令嬢たちからはとても感謝されたけれど、シロと一緒に飛ぶ私の身になってよ!


はっきり言って空を飛ぶって聞いたらとても格好言いように思うかもしれないけれど、あんな大変なものはないわよ。


ジェットコースターなんてへじゃないから。

あんなの本当にお遊びよ。


何しろシロは天馬だもの。気まぐれなのだ。


それは私に気を使ってくれているとは思うけれど、喜んだら飛んだり撥ねたりするし、乗っている身になってよ。本当にもう大変なのよ。


急加速急減速は当たり前、果ては魔術を避けて背面飛行とか一回転とか平気でするんだから。


何回吐きそうになった事か。


実際に最初は吐いたし……


私も少しは休ませてよ!


それに普通に馬に乗るのも嫌なのに!

あの高さと振動に耐えられないのだ。


本当に大変なんだから……


戦いはルヴィがしてくれるから私は全然問題ない。私は移動するだけなんだけど、本当に死にそうになるし……ルヴィはピンピンしているし……シロもびくともしないし。


死んでいるのは真っ青な顔をしている私だけ……


私も休みたい!


でも、ほとんど休む間もなしに、王都の前の平原まで来さされてしまった。


こちらは東方のハウゼンの貴族たちと2個師団の2万5千人だ。

途中でハウゼンの貴族たちを糾合したのだ。

まあ帝国の兵は百戦錬磨だ。ハウゼンの騎士達とは比べ物にならない。



それに対して前に展開するエンゲル軍は6万人だった。

戦慣れしているエンゲル軍だけに威容は堂々としていた。敵は負けるとは少しも考えていないのだろう。敵は多くの魔術師も抱えている。


普通は戦力差から言ってエンゲルの勝ちだ。



でも、こちらは戦意が圧倒的に上だった。

剣聖がいて、亡き国王の娘すなわち、私もいるのだ。

ハウゼンの貴族たちも狼藉を数々働いたエンゲル軍には恨みしかない。

そう、亡き国王や貴族たち、親族たちへの仇討ち戦、領土回復戦なのだ。



「皆の者、行くぞ!」

「「「「おう!」」」」

ルヴィの掛け声の下に、皆一斉に叫ぶや剣を掲げて突撃に移るんだけど、なんで、総大将のルヴィが先頭なのよ!


「いやーーーー!」

私は叫んでルヴィにしがみついているしか出来ないし……


ルヴィが剣を振る度に凄まじい衝撃音と

「ギャーーーー」

悲鳴と騎士達が馬から落ちる音と爆発音がした。


敵の方が圧倒的に多いはずなのに、我軍が圧倒しているんだけど……


ルヴィが剣を振る度にソニックブレードになって敵兵が殺されていくのだ。何十人も。


敵パニックに陥った。

そこへ、慣れて帝国軍が突撃してきたのだ。

帝国軍が圧倒したのだ。


平原の戦いはあっという間に、我軍の勝利になってしまったのだ。


「よし、このまま一気に王城に突入して、ハウゼンを開放するぞ」

「「「「おう!」」」」

ルヴィの掛け声のまま、逃げ去った敵兵を追って一気に王城に向けて駆け出したのだ。


王都の城門は反乱した兵士達に開けられた。


私達は解放軍のように歓喜の民によって迎えられたのだ。


「王女殿下」

「殿下バンザイ」

「ハウゼン女王バンザイ」

民達がなにか叫んでいるけれど、私はもう苦しくてルヴィにしがみついているしか出来なかったのだ。


王宮の門は反乱を起こした兵士達によって開けられて我軍はあっという間に迎え入れられたのだ。


私はシロから降りたかったが、ルヴィは降ろしてくれなかったのだ。



「謁見の間まで行くぞ」

そして、なんとルヴィはシロを飛ばしてくれたのだ。


「キャーーーー」

私の悲鳴も顧みずにだ。


そして、謁見の間では人質たちに剣を向けたエンゲル王とその側近たちが残っていた。

「貴様ら近づくな。これ以上近づくと人質の命はないぞ」

エンゲル王が叫んでいた。

「キャーーーー」

剣を突きつけられた女が叫んでいた。


その周りをハウゼンに寝返った兵士達が取り囲んでいた。

後で聞いたら5分の一くらい帝国の影の方々が混じっていたらしい。


「野蛮王、エンゲル! 覚悟!」

私達は丁度、そこに窓を突き破って飛び込んだのだ。


こちらを向いた驚いた顔をしたエンゲル王をその剣もろともルヴィは切り裂いてくれたのだ。


エンゲル王の血潮が飛んできて私は意識を失ってしまったのだ。


もう完全に疲労困憊で意識が追いつかなかったのだった。



ここまで読んで頂いてありがとうございます。

今日はここまで

明日完結です


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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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