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蒼焔の魔女 ~ 幼女強い 【感謝! 7000万PV・書籍版第1巻2巻2026年1月10日同時発売・コミカライズ企画進行中!】  作者: 一 二三


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特務魔法術師の弟子 ⑬

趣味で書いていた異世界転生ファンタジーです。


人様の目に触れさせるのは初めてのことなので躊躇いましたが、思い切りました。

雑で拙いかもしれませんが、異世界に見る夢を共有していただければ幸いです。

 シュタっと手が挙がる。

「叔母様! わたしからも、お願い!」

「お前は黙っていろ」

「うっ!」

 じろりと睨まれて、ルナリアが仰け反った。


「フィオレ。魔法術師として、お前に一つ質問しよう」

「・・・なに?」

「術式の行使に、一番大切な物が何か分かるか?」

 魔法を使うときに一番大事なもの・・・?

 体内の魔力? 呪文の詠唱? 使う場面? 魔力の制御?

 選択肢は色々と有るんだと思う。

 でも、私の体感で言うなら、答えは一つしか無い。

「・・・・・想像(イメージ)、だと思う」

「ヨシ」

 頷いたフレイア様は、嬉しそうに微笑んでいた。


「決まりか?」

「決まりだ」

 端的な問いに端的な答えが返って、ハロルド様の表情も緩む。

 主君たちの決定に異議を挟まず、ワールターさんは頷いた。

「では、そのように手配いたします」

「手間を掛けるが、うちの執事は親父殿に貼り付けて置かんと、親父殿が働かんのでな」

「承知しておりますとも」

 面白そうに目元を緩めたワールターさんが、音も無く扉を開け閉めして退室して行った。

 ワールターさんの後ろ姿を見送った私は、フレイア様へ顔を戻した。


「・・・合格?」

「ああ。お前には“白焔”を身に付けて貰う」

「・・・はくえん? ・・・おおっ、あの強い魔法!」

 聞き覚えがある単語を聞いて、私のテンションが最高潮にまで急上昇した。

「叔母様! わたしも! わたしも!」

「やれるものなら、やって見せろ」

 ぴょんこぴょんこと手を挙げるルナリアに、フレイア様が挑発の笑みを向ける。

「やるわ! フィオレ! 一緒に頑張るわよ!」

「・・・うん!」

 ガッチリと握手した私たちに、ハロルド様が柔らかい眼差しを向けた。


「フィオレ。君は、これから、客人待遇で、この館で暮らすといい」

「・・・客人? お世話になるなら、普通に仕事もする」

 そういや、館に着いたときにも言ってたね。

 タダ飯食らいは気が咎めるから、子供でもお手伝いぐらいはするよ?

「気にすることはない。ピーシス家はウォーレス家の傍系だが、見ての通り、家族同然だ」

「ピーシスはウォーレスの剣、だしな」

 うん? 話の繋がりが見えないね。

 ハロルド様とフレイア様が発した聞き覚えが無い単語にも、首を傾げる。


「・・・あの。ぴーしす家、とは?」

「フレイア?」

 ピシッと笑顔のまま固まったハロルド様が、隣に顔を向けた。

 記憶を探って目を泳がせたフレイア様が首を傾げる。

「おお。そういえば、私は名乗っていなかった・・・な?」

「・・・うん。周りの人がフレイア様って呼ぶから、私もそう呼んでた」

「そうか」

 そうか、で終わり!? この人は! 大雑把すぎるだろ!

 悪びれないフレイア様は柔らかい目で私を見る。


「私の名前は、ピーシス子爵家、現当主、フレイアだ。今は任務の関係で領地へ戻ってはいるが、王都の王家直属魔法術師団に所属し、特務魔法術師に任ぜられている」

 フレイア様の弟子なら、ウォーレス家にとっても家族同然、ってことかな?

 それよりも、聞き流せない単語が有ったような。

「・・・特務魔法術師?」

「王家、あるいは、王国魔法術師団の密命を受けて動く、・・・まあ、何でも屋だな」

「・・・おお、格好いい」

 隠密同心? いや、特別捜査官(スペシャルエージェント)的な実力者だと理解した!

「お前の師の名前だ。覚えておけ」

「・・・はい。・・・なんて呼べばいい? 先生?」

「好きに呼べ」


 そう言いつつも、フレイア様の目には何やら期待感が籠っているように見える。

 ルナリアは先生と呼んでいるらしいけど、キッチリした先生って感じじゃないんだよね。

 何となくだけれど、先生と呼ばれることを望んでいるのでは無い気がするし。

 お師匠様って呼ぶのも重苦しいかも?

 フレイア様って呼び続けるのも、敬意が足りない気がする。

 中間が良いかな?


「・・・ん。・・・じゃあ、お師様、で」

「しっかり励め」

 ピクリと軽く片眉を上げたから望んでいた100点満点の答えでは無さそうだったけれど、フレイア様は満足そうに頷いた。

 こうして、私は、特務魔法術師“白焔の魔女”―――、フレイア様の弟子になった。


特務魔法術師の弟子⑬です。


ついに、主人公の生活が安定しました!

次回、ハロルド面!

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― 新着の感想 ―
読み直していますが、流石にここでお母さまとは呼ばないよ
あぁ、読み直したらわかった。この段階て呼んで欲しかったのか…わからねぇよw
てっきり養子にでもするのかと…今後かな?
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