第25話
もともと兄と父が減らしていたうえに、つい先ほどまで、オレ達も探索。
都合4人掛かりで狩りに狩りまくっていたので、オレが再び第1層のボス部屋に到達するまでの間に、行く手を遮ったモンスターは、極少数に留まった。
昨日に続いて再戦したギガントビートルには、やはり苦戦を強いられたものの、初擊で片眼を潰すことに成功した分、討伐に要した時間は昨日のおよそ半分以下といったところか。
無事階層ボス撃破に成功し、遺された宝箱からは、腕力向上剤が手に入った。
力不足に悩んでいた妻には、良い土産になるだろう。
そして意を決してボス部屋の奥の扉を開け、ついにオレは、このダンジョンでは初となる第2階層へと、その足を踏み入れていた。
しばらくはジャイアントセンチピードや、ジャイアントビートル、スライム、ゴブリン、コボルトといった、既にお馴染みのモンスター達が群がって来ていたものの、しばらくすると時折オークも姿を現していた。
装備は腰布に丸太の様なサイズの棍棒のみ。
つまりオークの中では、低位に属するオークでは有るのだが、今朝あっさりと倒したオークとは違って、こちらが必ず先手を取れるとは限らない。
まともに相対すると、やはりその巨体、怪力、タフさには手を焼かされる。
さらには間引きする前の状態なので、ゴブリンやコボルト、ムカデなどと戦っている時に、オークが視界に入って来ることもしばしば。
それならまだしも、オークと戦っている最中に次のオークが曲がり角の向こうから顔を出した時には、冷たい汗が背中を濡らしたものだ。
こちらから無闇に前進せず、なるべく周遊してくるモンスター達の排除に努め、余裕がある時のみ前進。
結果的には、あまり探索距離を稼げなかったものの、かなりの量の戦利品を得ることに成功していた。
いくつか鑑定に掛けなければ、何だか分からないモノも混ざっている。
まだ少し時間は有るが、ここは無理せず退くべきだろう。
妻との散歩の様な探索と併せても、昨日よりは短時間の活動であるハズなのだが、既に疲労感は昨日の帰宅時を上回っていた。
帰り道に立ちはだかるモンスターの数は、さほど多くもなかったので、難なく脱出に成功、ダン協の建物へと辿り着いた。
窓口に戦利品を提出し、買い取って貰うものと、鑑定して貰うものとを受付のお姉さんに伝える。
昨日より若干ながら魔石の買い取り額が高くなっていて、喜ぶよりもむしろ先行きに不安を覚えてしまう。
今回、鑑定に出したアイテムは4つ、うち1つは筋力向上剤で間違いないとは思うのだが、万が一を考えて提出。
相も変わらずガラガラの待合室の椅子に腰掛けて、しばしの休息を取る。
「番号札3番でお待ちのお客様~」
兄と父。
先ほどのオレと妻。
そして今のオレ……で3番なのだろうか。
昨日の若者達、大丈夫だったかな?




