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初夏:ツユクサ

挿絵(By みてみん)



雑草生い茂る季節になってきた。


草むしりのコツは、根元からきっちり抜いたりしないことだと信じている。適当に目につくヤツをポイポイむしって、終わり。


なぜなら、多大な労力をかけて根元からキレイに抜いても、どーせまた生えてくるからだ。



これは子どもがいる部屋にも言えることで、掃除や片付けは極力しない。


したってどーせ、振り向けばまた、汚れているからだ。


片付けは寝る前にまとめ、日中は動線上の目につくところだけゴミ (や散乱するオモチャや謎の物体) を拾う。

これでじゅうぶん。



こんな私も、昔は完璧主義だった。仕事はそれで上手く行っていたのだ。


けれども、子ども相手にそれやると、1日中怒ってなければいけなくなる。子育てして私が学んだのは、待つことと無理しないことと休憩すること。


…… と、義母に話したら、めっちゃ変な顔された。全然わかんないらしい。

 これが、何気にショックだった。

だって 『イライラしない』 は子育てにおける私の一大ミッションとして精神修養的な気持ちで一生懸命やってきたことなのだ。


子どものすることに先回っていちいち心配しない。子どもが失敗したからってイチイチ動揺しない。

なんなら、子どもには山盛り失敗させるべし。

親の一番の仕事は、子どもが安心して失敗できる環境を作ることだから……


そう思って、アレコレとガマンして肝っ玉母ちゃん的な演技をしまくって、内心冷や汗かきながら泰然と笑ってる日常が……


他人から見れば、ただのズボラ……


だが、まぁ、そんなもんだよね。



―――― と、益体もなくグダグダと自分語りしたくなるのも、ひっそりと聞き上手なこの花のせいだろう。


ツユクサ。


古く日本では、染料に使われていたらしい。色落ちしやすいことから、和歌では 『心がわり』 『うつろいやすさ』 と一緒に詠われることが多い。


現代の感覚からすると何か失礼な気もするが、その時々の人の心を黙って受け止めて、昔から変わらず咲き続けているのだろう。


優しい花と思う。

帽子草、蛍草、月草…… 昔からある花のせいか、別名もいろいろ。


それはさておき、この花を集めて染めるって、すっごい大変そうです。いにしえの下人の皆さんお疲れさま……

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バナー製作:秋の桜子さま
― 新着の感想 ―
[良い点] 露草!うちの畑に群生してます。雑草としてみると大変しぶとく厄介な花なのですが、葉っぱもお花も可愛いんですよね〜。本当に、綺麗なブルーで。 私も昔は潔癖症の完璧主義者で子育てとともに肝っ玉母…
[一言] ツユクサ 好きなんですよね 小学生の頃、夏休みの自由研究で植物採集をしました 画用紙に貼り付けたツユクサ 植物園で採集した植物の名前を教えてもらったときに 「ツユクサは強いからこの程度の乾燥…
[一言] ツユクサ! おしゃれですね。これが一面に咲いていたらきれいだろうなぁ〜と思います。 子育ても、完璧を求めすぎると病みそうです、よね。母の心と体の健康も大切ですからね。無理をしないの大事です…
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