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創造スキルは万能です~ソロでダンジョン深層まで攻略していた俺、配信に映ってバズってしまう~  作者: ターシ


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22/25

22 コメントと会話・スキルとレベルの開示


 コメントで宝箱のことを思い出したので、マジックバッグから取り出して地面に置く。

 黒に近い濃紺の宝箱で、表面には鱗のような模様が浮かび、光を当てるとゆっくりと色合いが変わる。


:綺麗な宝箱だな

:豪華だねえ

:これで中身しょぼかったら詐欺だな


 一つ深呼吸をして、緊張しながらも宝箱を開ける。

 中に入っていたのは、一枚の布だった。色は定まらず、角度や背景によって周囲に溶け込むように変化している。

 取り出して広げてみると、どうやらマントのようなものだった。


:布?

:マントか

:装備か?防御力なさそうだけど。


 マントを広げて『鑑定』をすると、頭の中に情報が入ってくる。


《深淵擬態の外套》

周囲の環境に同化し、装備者の気配を大きく低下させる。

※音は消せず、急激な動作をすると効果が薄れる

※常時魔力消費あり


(これは...あの中ボスの擬態をモチーフにしたマントか)


 装備中は景色と同化し、気配も消える。ただし音は出るし、激しい動きをすると効果が切れる。魔力も常時消費する。

 そういった効果だな。


:どんな効果なんだろうな

:何かしら能力ついてるとは思うけど

:持ち帰って鑑定に出す?


 コメント欄はどんな効果か気になっているが、ここで俺が鑑定結果を言うと、何故鑑定できるのかという疑問が出てくるだろう。

 別にスキルを絶対に隠したい、というわけではないが、わざわざ暴露するつもりもない。ひとまず装備して効果を目に見せるのがいいだろう。


:お?消えた!?

:いきなりいなくなったな。

:透明マント?


 俺がマントを羽織った途端、コメント欄は「消えた」という反応をしだした。自分の手足を見てみると、景色と同化してはいるがうっすらと確認はできる。

自分では見えるが周りからは完全に姿が消えている、ということなのだろう。

 そのまま少し歩いたり剣を抜いたりしてみる。


:音はするな

:透明だけど音は出る、って感じ?

:それでも相当強いな


 今度は跳んだり走ったりしてみたところで、自分の体がはっきりと認識できるようになる。


:あ、見えた

:走るとダメな感じ?

:ジャンプしても見えたから、激しい動きはダメとか?


 それらの検証を終えたところで、俺はマントを外しドローンに近づいていく。


「装備中は姿を隠す。でも音までは消せない。激しい動きは効果が切れる。ってところかな。あと魔力も消費するみたい。」


:なるほどなー

:姿を隠したまま戦闘はできないか

:戦闘用じゃなく、隠密用かな?

:魔力使うなら、ずっとつけてるわけにもいかないな


「多分素材集めとかに使う用かな。もしくは、気づかれてない時にこっそり後ろに回って、いきなり不意打ちから戦闘スタートとかできるかも。」


:それできたら強いな

:後ろからの先制攻撃できたら大分戦闘楽になりそう

:それこそボスを斬ったあの技とか使えば、不意打ちだけで終わるんじゃない?


「技は魔力使うからな。多分このマント、魔力は隠せないと思う。だから技使おうとしたら魔力でバレるだろうな。」


:普通に斬りつけるだけか

:それでも充分よ

:有利な立ち位置から始められるだけで相当違う


「これの使い道は追々考えていこう。使ってみないとわからないこともあるだろうし。今日はさすがにもう探索はやらないから、次回以降だな。」


:さすがにね

:疲れたって言ってたもんね

:じゃあ今回はこれで終わり?


「どうせなら少しコメントと話してから終わろうか。他の人が深層に来るためには、どんな情報を見せたり話したりすればいいと思う?」


─────────────────────────────────────


 『どうせなら少しコメントと話してから』


 その言葉を聞いて、花歌さんぽは思わず体を前のめりにしてしまった


(この人のこと、知れるかも...!)


 配信主のその言葉と共に、コメントが一気に質問で埋まる。

 さんぽもコメントしようとしたところで手が止まる。自分が聞きたいようなことも、すでに他の人がたくさん書き込みをしていたからだ。

 それに己惚れているわけではないが、自分が少しは有名だという自覚もある。先ほどはコメント投影のやり方をコメントしたが、これ以上自分が積極的にコメントするのも、なんだか場の空気を乱してしまいそうで気が引けてしまった。


『えーと...プライベートな質問には答えるつもりないぞ。どこ住み?とか、彼女いる?とかは、ダンジョン攻略に関係ないし』


 配信主は少し困りながらそんなことを言った。どこにでもプライベートを探る視聴者というのはいるものだ。自分も身に覚えがある。


『年齢は、20代とだけ言っておこうかな。まだ体が動くから多少の無茶はできるけど、たとえば40代の探索者が深層まで来れるのか、とかはわからないな。』


 年齢は、一応探索に関わることと判断したのかもしれない。たしかに有名な探索者は概ね20代と30代だ。やはりそこを超えると体も動きにくくなるのだろうか。


『レベルが上がれば老化の減少も遅くなる研究がある、って、ほんとに言ってる?もし本当ならおじさん深層探索者も出てくるかもしれないのか。でもまあ、おじさんだけどどういう動きすればいいですか?とかは聞かれても答えられないかな。俺もわかんないし』


 その情報は別の意味で興味があった。


(レベルが上がれば、私も若い状態を長く保てるってこと?)


 後でその研究データを調べてみよう。そう思ってメモしつつ、配信の続きを聞く。


『なんでソロなんですか?ソロの方が有利なんですか?これについての回答だけど、チームの方が有利だと思う。カバーもできるし、撤退もしやすい。だからもし俺を見て、【ソロでやろう!】って考えてる人はやめた方がいいと思う。ダンジョン探索するならチーム推奨だな。』


(チームの方がいいとは思ってるんだ...)


 ソロ至上主義、というわけではないらしい。じゃあ一体なぜ...?


『俺がソロの理由は、なんというか、もしチームの人が死んだ場合に責任が取れないというか、押しつぶされそうな気がしたからさ。多分チームの誰かが死んだら、もうダンジョンに潜れなくなると思う。それが怖くてソロで潜るようになった。』


:あー...

:めっちゃ人間的...

:実際それでPTSDというか、引退した人もいるしな


(もし私なら...つば姉やふーちゃんが死んでしまったら...。たしかに、もう潜るのが怖くなるかも。でも一人で潜る方がもっと怖いって思っちゃうな。この人ソロで深層まで行ってるし、やっぱ少し変わってるところあるのかな)


『だから、ダンジョン潜るならチーム組んだほうがいい。深層目指すならなおさらな。』


 当然の答えだった。現状80階層まで潜っているのはソロのこの人だけだが、この人が例外なだけだ。


:スキルはなんですか?

:レベルはいくつですか?

:ダンジョンで一番気を付けていることは?

:装備は何を使ってる?

:臨時でチーム組んで深層探索はしない?


『臨時チーム連れて深層探索はしないかな。それしたところで、その人たちが深層で通用するとは思えないし。』


 もっともすぎる意見だ。むしろ身の丈に合わない階層に行って命を落とすのがオチだろう。


『スキルは...んー、参考にしたいのかもしれないけど、ほんとに参考にならないからな。固定スキルは人によって違うからそれだけで戦術変わるし、俺は自由スキルもチーム組んでる人とは違うから。』


:そういわれると逆に気になる

:自由スキルでいいから教えて!

:それだけ強いと、手の内バレて襲撃されたとしても返り討ちできそうだけどな

:返り討ちできるって言っても、無駄にリスクは背負いたくないだろ。


(たしかにスキルは気になるし参考にしたいとも思うけど、無理に言わせるのはよくないよ)


 コメント欄にもやもやするさんぽだったが、配信主は少し悩みながらも言葉をつづけた。


『まあ自由スキルの1つだけ教えようか。名前は【孤高の戦士】。効果は【単独戦闘時に能力上昇】っていうやつ。ソロ用だから参考にならないぞ』


:おおおおおおおおお

:スキル開示きた!!!

:本当に参考にならなかったwwwwwww

:上昇幅めっちゃすごいとか?


『上昇幅も、とんでもないってほどではない。何度も言うけど、素直にチーム組んだほうがいいよ。俺はもうソロ用構成だし、さっき言ったようにチームのプレッシャーとかに耐えきれないから組まないけど。』


:海外で同じ効果のスキル聞いたことある。結論としては『素直にチーム組んだ方がいい』って結論になったはず

:主と言ってること同じだ...

:まあ能力上昇したところで、3人組4人組のほうが強いのは間違いない


『そう。いくら能力上昇するって言ってもそれでスキル枠1つ潰れるし、それなら別スキル取ってチームで探索した方がいい。だからこの【孤高の戦士】のことは参考にしないでほしい。』


(ソロ用スキル...そんなのがあるんだ)


 そのスキルを使っていくと決めたとき、どんな心境だったのだろうか。これまでソロの強い覚悟を持って探索してきたのだろうと思うと、この人の孤独、孤立に少し心配になってしまう気持ちもあった。


『レベルは...これも参考にしたいのかもしれないけど、多分参考にならないぞ。一応教えるけど、今94レベル。でも基本はチームで挑む場合、階層=レベルと思っていいはず。50階層挑むなら、レベル50の3人組とかで挑むこと。』


:94!?

:たけーーーー

:海外トップでも80レベル行くか行かないかだよな

:そうか?むしろちょっと低くない?


(94...?)


 コメント欄は驚きがほとんどだが、さんぽと一部のコメントは疑問に感じていた。

 たしかに世界最高レベルだと思う。さんぽ自身まだ60レベルにも行っていないし、日本のトップも65~70レベルだろう。


(でも、ソロで深層に行ってるにしては少し低いような...。てっきりレベル100超えてると思っていたのに...)


 いくらソロ用スキルで能力が上がるとはいえ、そのレベルで1人で深層にいけるだろうか?

 何か秘密があるのかもしれない。

 だがその秘密は配信で語られることはなく、さんぽはそのまま謎に思いながらも配信を見続けた。



次回は2月5日(木)更新です

皆様のおかげで日間ローファンタジー1位になりました。

これには作者もにっこり。

ありがとうございます。

あと、Xアカウント作りました。活動報告にIDあるので、気になる方はご覧ください。

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― 新着の感想 ―
創造スキルで出来ることに際限ないなら 不老長寿や超再生、力の方向をねじ曲げたり自身の分身体生み出したりいろんな事が出来そう
顔出ししてたら身バレも時間の問題だな、暇人の特定班は怖いぞ? 本人が危機感薄いし、守る国家権力も困惑してそう。
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