回想編② エリートくのいちと落ちこぼれ忍者少年
幼馴染みの男女の甘酸っぱい思い出です。
あたしと秀とは、同じ香徠の里に生まれた同い年で、あたしは、この里の首領の一人娘で、秀は、屋敷が近所だった一般忍者出身者の息子だったけど、里の皆は仲が良かったので、物心付いた時には、いつもあたしの横で、秀は笑っていたわ。
この忍者里では、5歳位になった頃から忍者としての基礎修行が始まるのである。
当然、あたしと秀はその基礎修行に参加をしたのだが、、、
何でも意図も簡単にやってのけたあたしは、当然、同世代の中では、断トツの成績だったが、秀の方はと言うと、、、
目も当てれないほどの不器用さで、落ちこぼれ扱いされていたの。
そんな周りは、あたしの事を、
「流石ねー楓ちゃんは! 次期首領候補だけあるわよね♪」と、いつも褒めてくれていた。
しかし、秀は、
「う~ん」と、大人達の頭を悩ませる存在であった。
この頃からか、エリートくのいち「楓」と落ちこぼれ少年「秀」と言う凸凹コンビと言うレッテルを貼られる様になった。
しかし、あたしはそんな周りの目など、何も気にすることなく、いつも秀といたの。
それは、あたしが秀と一緒に居たかったから!
秀もあたしの前では、いつも笑っていた。
月日は過ぎて、あたし達が8歳前になる頃位から、あたしの中で、『次期首領候補』『首領の一人娘』って言う重荷を感じ始めたのよ、、、
そしてあたしは、皆の期待に応えるべく、なんでも直ぐにやって見せて、その頃からか、一切弱気を人前では吐かなくなった。
厳密には、吐けなくなったのだ。
次期首領と言う名の言葉のプレッシャーに、、、
皆のお手本と成れる存在に成る為にと。
すると、当然のように自分自身の中で葛藤や怒りでストレスは水が溢れるかの如く、溜まっていった。
まだ、若干、8歳位の幼女なのに、、、
でも、、、
秀だけはわかっていたみたいだった。
あたしがそんなプレッシャーに、押し潰されそうになって苦しんでいるのに、いち早く気付いてくれたのだ。
そして、あたしは、秀だけには、弱音や不安を話す事で、周囲には、強気で居られたの。
そうすることで、模範と言う作り物の人形を演じきる事ができた。
あたし、、、実は、、、そんなに強くないのに、、、と、心の奥底に閉じ込めながら、、、
そして、一切、飾らない自分を、さらけ出せる唯一の存在になった秀を、何時からか意識しだす様になったわ。
それは、思春期の到来を告げるものだったのかも!
おそらく、それは、そう、あたしの『初恋』だった。
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