『錬金038話 農地が生まれる』
スイがとんでもない発言をした。
芽が出ている?
そんなのはあり得ないだろうに!
農業を知らない俺ですら、一日で芽が出るとは思えないのはわかることだ。
ただスイの顔を見ても嘘をついているようには見えないが。
まさか本当なの?
「スイ、本当に農地から芽が出ているって言うのかい?」
「本当よ!! 外に出たらわかるよ、フランツ様!!」
「よし、俺も外に行ってみよう!」
スイを疑うわけではないが、やはり見るまでは信じられないこともある。
家から外に出た。
「な、な、な、なんだこれは! 思いっきり芽が出ている!!」
「フランツ様、だから私が言った通り農地に全面に芽が出て要るでしょ!!」
スイが言ったとおりだったのは驚いた。
昨日、とても広い面積に農地を作った。
ミスリル農具を使い、広大な面積を耕したのだったな。
そこに種を植えたのだが、それらが全部だろうか、もの凄い勢いで土から芽が生えていた。
見渡す限りの田んぼや畑になっていたのだ。
嬉しいけど、嬉しいけど、なぜこんなにも急激に成長したたのかな?
特別な肥料もしてないし、ただ水をあげただけだしな。
「凄いな、見渡す限り農地になっているよ! 種はコムギとコメ。それとイモや野菜の種も植えた。それらが全部、成長している。信じられない速度だよ!!」
「私も信じられないですね。もっと時間かかると思ったから。たぶんですけど、フランツ様の錬金した農具に謎があるのではないかな」
「俺の錬金した農具が。錬金したのはミスリル農具だ。あのミスリル農具で土を軽く掘ったら、全部の土が耕されてしまったな。もしかして、ミスリル農具で耕すと土が成長しやすいていうのかい」
「はい、そうです。ミスリル農具はきっとフランツ様のレベル魔法により、凄い力を持っている。軽く掘ったら全部の土が柔らかくなっちゃった。あれも驚いた。土が柔らかくなり、成長しやすい土になったと考えると、説明がつきます。ミスリル農具はとんでもない農具だったのですよ!!」
スイがあくまでも推測で話した。
その話は俺を刺激した。
錬金したのは、ジャガーマンの爪、ミスリル、薬草キノコの薬草から錬金した農具。
初めて作った一品だ。
薬草キノコから取った素材には、成長しやすい成分があったのかもだ。
それとジャガーマンの爪と錬金したミスリル素材が、上手いこと組み合わさり、ミスリル農具となったわけだ。
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