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「〈カレーではない何か〉は勇者様が作られたレシピですわ。私では何とも…」

穏やかな笑みを浮かべながら、曖昧にする。

『勇者様からマリアンヌ嬢の協力で完成したレシピだとお伺いしました』

はぁ?一回味見しただけだぞ。

『その尽力に感謝してレシピを捧げたと』

「…」

ざけんなっ。勇者今すぐ出て来い!嘘ばかり並べやがって。面倒だから丸投げしたな。

「申し訳ありませんが、勇者様からは直接は何も伺っておりませんので」

『そのことですが、勇者様より手紙を預かっております』

と言って差し出された手紙を開封するとそこには平仮名でよろしくとだけ書いてあった。ビリビリと破り捨てるとにっこりと笑った。

「レシピの秘密事項も書いてありましたわ」

素早く原価と手間賃を計算して強気に提示した。騎士団長は一瞬怯んだが、年契約で最低納入数を決める代わりに納入価の値下げを促してきた。

長い交渉の結果、第3騎士団長ご愛用品として父の店で売ることで若干下げた。本当なら第3騎士団食堂の名前を使いたかったんだが、拒否られた。騎士団長推薦も不可。固いな。愛用者のコメントを書いて貰う算段だ。POPにしようかな。

とりあえず、勇者お前二度と来るなよ!

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