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どんなに疲れていても朝になれば身体を動かすところから始める。

これ基本。ウチの絶対だ。

カスレ往復の時は人目を気にしてサボってたけど。サボってるわりにコッソリ腕立て伏せとか腹筋やってけど。

腹筋は大事だよね。内臓を守るために。腹部に衝撃を受けた場合に、筋肉ついてないと大変なことになる。

弟の決め手の突きを食らった時なんて防御しても涙が出そうになるが、避けられなかった自分の手落ちだし。腹筋鍛えてなかったら、内臓に傷ついて熱でも出してそうで怖い。

熱出ても朝になれば身体を動かすのが決定事項だしな。体調不良の時の護身とか実践的過ぎるわ。父と兄が『熱で動けない私が襲われそうになった時にどう守るか』という仮定の元で話し合いしてそうで怖い。むしろ、オレの妹にケガさせたヤツに復讐したるってそっちまで考えてそうな兄が怖い。カスレに追いやって本当に良かった。


怖い妄想にきっぱり別れを告げて、剣士さんとの打ち合いに力を入れる。

油断すると剣士さんが手を抜く。ケガをさせてはいけないという思いが強すぎるみたいだ。しかし、実戦で失敗するわけにいかないので、ここで本気になって貰わないと困る。馴れ合いは役に立たないとは父の持論。


で、剣士さんの喉を狙いつつ足払いをかけることにした。足払いが本命。とりあえず、地面に倒しちゃえば攻撃力は落ちるハズ。足払いだけだと外される可能性が高い。


『マリちゃん、おはよー』

能天気な声がした。

一瞬そちらに気を取られた剣士さんの喉元に棒を突きつけた。


「お疲れ様でした」

剣士さんに挨拶をして終了とした。

『……お疲れ様でした。勇者様おはようございます』

『あ、おはようございます』

勇者は剣士さんに初めて気付いたように慌ててお辞儀した。いかにも日本人だな。


『マリちゃん、おはよー』

返事してなかったら、繰り返された。

「おはよう」

勇者の方を向かないで部屋に戻りながら返事をした。すぐに出発だ。大して広げてもいないが、荷物をまとめなきゃならん。

昨日遅れた分、朝食のパンは馬車の中でとることになるだろう。私が居なきゃもっと強行軍なんだと思う。

中庭から宿の建物に入るとすぐに騎士団長に会った。挨拶を交わしたところで、予定変更を告げられた。

やっぱりクマの出没が珍しいらしい。調査をするので連泊になるかもしれないとの話だった。


とりあえず、出発が遅れるのは確かだ。ゆっくり朝食にしよう。おいしいレバーペーストがあると嬉しいな。

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