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13.悪性腫瘍―15
はぁ、と溜息を吐き出しつつも、優流は彼女の様子をしっかりと見て、状況を理解している。
「で、何だ。GPSが外されてでもいない限りは、追跡が可能だぞ」
「そう。じゃあ、ついさっき、奏と燐のとこの息子が乗った車を追跡しなさい」
「やけに急いてるな。……まぁ、すぐに手配しよう」
と、オフィス上の電話を取って、内線を繋いですぐに、車の手配等を行う担当部署の連中へと連絡を取った。
が、すぐに、受話器を本体へと叩きつける様に戻して、優流は立ち上がった。
「……車の手配をした人間の下へと行こう」
「あらそう。案の定だけどね」




