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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第二十一章 売り買いの対象となったヒーロー

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第99話 次々と成立する誠売買交渉

「西園寺さん……それのどこに『いい話』の要素が有るんですか?僕はマゾではありません!西園寺さんのこれまで付き合ってきた男性が全員マゾだったのかもしれませんが、僕は違います!」


 必死の訴えをする誠。そんなところにジュースをコップに入れたものをお盆に乗せたアンが現れた。


「何の話をしてるんですか?神前先輩。なんだか冷や汗なんて書いてどうしたんですか?アメリアさん……やっぱりそれ以上は出せませんよ」


 アンは誠の所までくると誠の机にオレンジジュースを置きながらアメリアに向けてそう言った。


「アン君。ちょっとこの金額はこれは誠ちゃんに失礼すぎるわよ……1円って……確かに1円スタートだけど」


 アメリアはアンに向けて呆れた顔でそう言いながら携帯端末の画面をアンに見せた。


「もう1万円超えたんですか!凄いですね、神前先輩は」


 画面を見てアンは驚いたようにアメリアにささやく。


「いやあ、こんなもんじゃ私は満足しないわよ……じゃあ私の秘密のサイトのアクセスバナーを張り付けて……」


 どうやらアメリアは誠の持っているものを勝手にネットオークションで売り飛ばそうとしているらしい。誠は部屋のものが時々なくなるのは窃盗癖がある島田が犯人だと思っていたが、実はその犯人がアメリアだっあと知ると同時に今度は何を勝手にネットオークションで売り飛ばそうとしているのか気になったが屁理屈をこねる天才であるアメリアを相手にするのは面倒くさいことになるので黙っていた。


「アメリアのオークションか?どうせ神前のプラモを盗んでネットに上げて小銭でも稼ぐつもりなんだろ?それよりアンよ。今、神前と神前の価格交渉をしてたんだ。おい、アン。オメエに無限の金が有ったら神前をいくらで買う?オメエの意見も参考にしてやる」


 相変わらず誠とアンを見るかなめの目は笑っていなかった。


「そうですね……僕なら……お給料のすべてを払ってでも神前先輩を自分の物にしたいですね」


 アンはカウラの机にメロンジュースを置きながらきっぱりとそう言った。


「そうか、そんなに神前は安いのか。この前アタシの給与明細を見たが年700万円だった。そんなもんで良いのか?神前、帰りに現金で700万払うからアタシの私有物になれ。分かったな?」


 かなめは値段は決まったというように誠を真正面から見つめるとその左肩を叩いた。


「嫌です!なんでそこで人身売買の契約が成立してるんですか!それとアメリアさん!聞こえてますよ!今度は僕の持ち物の何を勝手に売りに出すつもりなんですか?いい加減止めてください」


 誠はどこまでも真顔ですべてを金で解決しようとするかなめに呆れていた。そして、アメリアの無断出品にもいい加減嫌気がさしていた。


「誠ちゃんの持ち物の中でも結構アタシが狙ってたものなんだけど……落札されるともしかして誠ちゃんは幸せになれるかもしれないものよ。あ!ついにここまで……アン君、残念だったわね。さっきの情報で一気に値段が跳ね上がったわよ。現在572万円ですって。でもまあ、この値段なら……私が別アカウントで落とすわね……そんなに安いもんじゃないわよ。希望落札価格を見てから入札してよね」


 アメリアは誠の存在などすっかり忘れてネットオークションの出品物に夢中だった。

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