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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十八章 『将軍様』とカオスの部屋

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第89話 理解不能な『将軍様』の脳内

「田安中佐の脳内はどんなになってるのよ……それとうちがエロゲ製作と演芸会の練習しかしてないで馬鹿しかやって無いというのは本局で勝手に流れてる噂は噂。こんなもんですよ、うちは。うちは巡洋艦級の艦船を運航するスペシャリスト集団です。その仕事に一つの間違いも有りません!『近藤事件』、『バルキスタン三日戦争』。その戦歴がその事実を如実に証明しています!」


 アメリアはそう言ってごまかしにかかった。そんな彼女の思惑を無視するかのように一人写真を撮り続けていた鳥居が布で覆われた部屋の一隅の存在に気づいた。


「田安中佐。これは何でしょう?」


 大きなカメラで写真を撮りながら鳥居はじりじりと部屋の奥にやっつけで置かれた段ボールの山と布の被せられた荷物に向けて近づいていく。


「なんでしょうねえ……気になりますわねえ」


 麗子と鳥居が布の中にある衣装や小道具に近づいていくのを見てアメリアは素早くその前に回り込んだ。これを見られたらアウトだ。いつも糸目でアルカイックスマイル浮かべているだけのアメリアの表情に焦りの色が浮かんでいるのが生暖かい目でそれを見守る誠からも見て取れた。


「これは見せるようなものではありません!廃棄予定の書類の山です!うちは見るとこなんて無いんですよ!じゃあ次に行きましょう!」


 珍しく焦っているアメリアを見てかなめが噴き出した。


「でも……その布の掛けてある下に何があるのか……」


 それでも一度好奇心に駆られた麗子はじりじりとそのゴミの山に近づいていった。


「書類ですよ!段ボールむき出しじゃかっこ悪いじゃ無いですか!『征夷大将軍』たる田安中佐にそんなものお見せできませんよ」


 アメリアはそう言って不思議そうに彼女を見つめる麗子を押しとどめた。


「書類?そうは見えませんけど……それよりクラウゼ中佐。冷や汗をかいてらっしゃるのはなぜなのかしら?ご気分でも優れないのではなくて?」


 麗子は長身のアメリアの小脇から顔を出しながら部屋の隅の布の掛けてある一隅をのぞき見る。


「アメリア……どうする?」


 他人事であるかなめはニヤニヤしながら慌てているアメリアに目をやった。珍しく追い詰められたアメリアの焦りが尾を見るのはかなめにとっては最高のショーのように見えるのだろうと誠は考えていた。


「かなめちゃん……なんとかならないかしら」


 追い詰められたアメリアはいつもはおもちゃにして遊んでいる相手のかなめにそう言って助けを求める。その様子を見てかなめは満足げにうなずくと麗子の方に向けて歩き始めた。


「アメリア、貸しだな。後でちゃんと返せよ。……麗子。それより叔父貴に挨拶しねえで良いのか?一応監査だろ?部隊長の顔を見ねえで帰るってのは感心しねえぞ」


 かなめは満面の笑みを浮かべて麗子にそう言った。かなめの言うことはあまりにまっとうな話だったので馬鹿な麗子も好奇心よりそちらを優先した方がいいと思って立ち止まった。


「そうですわね。さすが私の妻。よく気が利きますわ。内府殿には甲武でお会いしてからご挨拶していませんもの……鳥居、行きますわよ」


 麗子はもうすでに目の前の不審な物体のことは忘れ果てたというようにそう言って部屋を出ていった。


「切り替えが早いというかなんと言うか……田安中佐には集中力が続くという当たり前のこともないのか?」


 その目移りする態度にカウラは呆れたようにそうつぶやく。


「まあ、うちが暇なときは遊んでるってバレると色々面倒ですから。どうせあの箱には人には見せられないようなものが入ってるんでしょうし、あの布の下にはこの前の映画の衣装とかが有るんでしょ?そんなものを田安中佐に見られたら何が起きるか分かったもんじゃないですよ」


 誠はそう言うとドアの前で立ってそこが開くのを待っている麗子を先導して扉を開いた。

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