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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十六章 『将軍様』の居ぬ間に

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第77話 友達思いなかなめ

「田安中佐は立派な……」


 鳥居は必死になって麗子を庇おうとする。


「いいの、そこには食いつかなくて……でも甲武じゃかなめちゃんみたいな貴族は他にいるの?」


 アメリアは好奇心半分というような表情で鳥居を見つめる。


「私は軍に入って1年ですからなんとも……訓練課程で会ったのは士族出身の女子隊員ばかりでしたし……田安中佐はあまり交友関係が広くないようで……お会いになられるのは『徳川譜代』のお歴々か『徳川一門』の方々ばかりで他の公家貴族や武家貴族の方々とは……その……」


 鳥居は答えに窮してそう言って黙り込んだ。


「アイツのご機嫌伺いが仕事のうちの『徳川譜代』や『徳川一門』の連中は嫌々会ってるの。それ以外の貴族連中は麗子の評判は知ってるから呆れられてんだよ。修学院女学校の時からアイツと関わった奴はろくな目にあってねえ。武家貴族の連中はアイツが武門の棟梁だから目の前では良い顔してるが裏に回ったらそりゃあひでえ言われようだったからな」


 かなめは弁当を食べ終えて頬杖をつきながら鳥居を見つめた。


「かなめちゃんはかばってあげたんだ……優しいわね」


 アメリアはいかにもどこからかなめを弄ろうか楽しみにしているという表情でそう言った。


「アメリアうっせえよ!アイツはアタシがいつも銃を持ち歩いてるから護衛代わりにアタシを利用してただけだ!それだけの関係だ!」


 顔を真っ赤にさせてかなめが抗議する。


「西園寺はその女学校を素行不良で追放されて高等予科学校に移り、田安中佐はそのまま女学校を出て海軍兵学校に進んで士官になったわけだ……その頃はどうだったんだ?」


 こちらも食事を終えたカウラがかなめにそれとなく尋ねる。


「アイツの言うことが理解できる奴がこの世にいると思うか?ただ自分がいかに優秀で周りが愚図で使えねえか言うだけだよ……まあ周りの連中もアイツの婿養子になって武家の棟梁と呼ばれてえ馬鹿がいるらしくてな」


 かなめは満腹になったらしく食後の一服と行きたいところだが話題が途切れないので投げやりにそう言った。


「モテたんだ……誰かと違って」


 かなめの自爆にアメリアはすかさずツッコミを入れた。


「アイツは男には興味がねえの!まあ、女は女でアイツの馬鹿さを知ったら愛想つかすから……友達なんかできるわけねえじゃねえか」


 またもやいつもの条件反射で言い返すかなめを見て誠はアメリアの底意地の悪さを実感していた。


「誰かは銃で脅して結果友達ができなかったわけだ。似た者同士というわけだ。良いじゃないか。そのまま夫婦になってしまえ。お幸せに」


 カウラはかなめをなんとか麗子の嫁にしてしまおうと考えているらしくあっさりとそう言った。


「ベルガーテメエ!誰があんな奴の嫁になるか!アイツはアタシには都合のいい女!それ以上でもそれ以下でもねえ!」


 カウラの致命的なツッコミにかなめは左脇に下がっているスプリングフィールドXDM40に手を伸ばした。


「西園寺さん、落ち着いて……室内で銃撃戦なんて洒落にならないですから」


 なんとか誠が止めに入ってなんとかその場は収まった。

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