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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十六章 『将軍様』の居ぬ間に

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第73話 整備班を見た現場を知らない下士官の素直な感想

「とりあえずお湯を持ってこよう。島田のところにあるだろうな……あそこにはいつもポットがある。コーヒーくらい飲みたいからな。神前、私が取りに行ってくる。丁度気分転換をしたかったところなんだ。あんな馬鹿の相手をしているとこちらの精神が駄目になってしまう」


 カウラはそう言う誠達と別れてハンガーに戻っていった。


「暖房が効いていないのは……予算の関係ですか?」


 本局のビルの居心地の良さに慣れているような鳥居の言葉に誠は力ない笑みを返した。


「まあね……光熱費もそうだけどここの建物も元はと言えば豊川工場の実験施設として五十年前に建てられた建物だから……隙間風がひどいのよ」


 アメリアはそう言いながら鳥居に笑いかける。


「今回の監査でなんとか建物の改修の予算を組めるように頑張ってみます」


 鳥居はそう言いながらにっこりと笑いかける。


「出来ればお願いね!」


 先頭を歩いていたアメリアは期待はまるでしていないというようにそう言うとそのまま第二会議室の扉を開いた。そこにハンガーからポットを持って走って来たカウラが合流した。


「ああ、ベルガー大尉……お湯入ってますか?あそこの人達使っても補充しないんで時々空なんで注意した方が良いですよ」


 ポットを持ったカウラに誠はそう言って笑いかけた。


「大丈夫だ、大野はまだ手を付けていなかったからこのポットは満杯だ」


 カウラは笑顔で会議室の端に置かれた戸棚から湯呑を人数分取り出した。


「あの人飲み過ぎなんですよ。食べ過ぎに飲み過ぎだからあんなに太るんです」


 誠は健康診断の度に高脂血症と大野が診断されるたびに島田が整備班に間食禁止令を出すので迷惑していると先輩の整備員から愚痴られることが多いので苦笑いを浮かべた。


「でもたった5機のシュツルム・パンツァーを稼働状態に持っていくだけでもかなりのマンパワーが必要なんですね。見た限りでは50人はいましたよ。たぶん当番制でしょうから総勢百人からの整備員がたった5機のシュツルム・パンツァーの為に必要になる……凄い事です」


 鳥居は感心したようにそう言いながら階段を上り始めたアメリアに声をかけた。


「そうよ……それに加えてさらに手のかかるオリジナル・シュツルム・パンツァー『武悪』まである。そろそろ整備班の拡張とか考えてもらわないと」


 振り返ったアメリアはそう言って鳥居に笑いかけた。


「頑張ります!」


 鳥居はぼさぼさの髪を振り乱してそう言った。


「期待しているぞ」


 カウラはどこか力なくそう言うと注ぎ終えた茶の入った湯呑を一同に配った。


 ひんやりとした空気が誠達を包む。



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