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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十五章 何の為に来たのか分からない『将軍様』

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第68話 厄介な監査官に振り回される人々

「やめてくださいよ!触るとやけどしますよ!その機体の『法術増幅システム』の素材は特別製なんで常に熱を持ってるんです!」

 

 そのまま黒い『武悪』に真っすぐ歩み寄る麗子の前まで走っていくと島田はその前に立ちはだかった。

 

「熱いんですの?それは大変ですわね。中で炭でも燃えているのかしら?」


 また麗子はとんでもない発想の発言をした。


「そうじゃなくって!こいつの『法術増幅システム』の素材は時間経過とともに劣化するんです!その際に熱を発する性質がありまして、常に装甲の表面温度は80度以上あるんですよ!だから火傷します!」


 麗子と島田のやり取りを見ながら誠は大きくため息をついた。


「でもこれが監査だとは思えないんですけど……ただ単に珍しいものを見て喜んでる子供にしか見えませんが……」


 麗子達のドタバタを眺めているかなめに誠はそう言った。


「そうだろうな、こんなもん書類のやり取りだけで済む話だ。まあ麗子はすることもないから本局を勝手に歩きまわられても迷惑なだけだからお散歩にでも出されたってところだろ?本局内部を暇だからという理由でウロチョロされるのはいい加減本局の人間も飽きたんだろしな。邪魔だし、何言ってるか意味不明だし、むやみにどこから来るか分からない自信を持って笑うのがうるせえし」


 かなめは面倒くさそうにそう言った。


「本当に問題児なのね。確かにあんなのがウロチョロしてたら仕事にならないものね」


 アメリアはそう言ってため息をつく。


「しかし、放置しておくわけにもいかないだろ?うちにも本局に報告されると面倒なこともいくつかある」


 カウラは珍しく部隊の秘密についてそう語った。


「そう言うこった。書類で済む話だけならいいが面倒なことに顔を突っ込まれるとうちとしても困るんだ。そこのところをいい具合にやれってことだ……叔父貴も面倒なことを押し付けてきやがる」


 そう言うとかなめは島田と揉めていた麗子に手を振る。


「麗子!遊びに来てるわけじゃねえんだぞ!監査なんだろ?データは本局にもある!実機が確かにここにあって島田の馬鹿が売りに出したりしている訳じゃねえことは分かった!それで十分じゃねえか!」


 かなめはハンガーをあてどもなく歩き回る麗子に向けてそう叫んだ。


「分かってますわよ……ささ、鳥居。写真をしっかり撮るんですわよ」


 かなめの声掛けに麗子はカメラで連写する鳥居に声をかけた。


「分かりました、麗子様」


 そう言うと鳥居はそのままどう見ても旧式すぎるカメラを慎重に構えて写真を次々と撮っていった。


「これが一日続くのね……もう疲れてきた」


 いつもは人を振り回して疲れ果てさせることが趣味のアメリアも慣れない振り回される立場を再確認して大きなため息をついた。

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