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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十章 『征夷大将軍』対策会議

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第53話 馬鹿な『将軍様』は見た目は絶世の美女だった

「確かにこれから来る女が、ラッキーなだけで使えないことは分かった。でも、さっき貴様は言ったが。西園寺。お前はその馬鹿と付き合いがあるんだな。というか『夫婦』なんだな?貴様は女だな、田安麗子もどう見ても女だ。貴様はあの日野と同じなのか?ああ、日野をあんな変態に育てたのは貴様だったな。当たり前と言えばそれまでだが」


 静かに、冷静を装いながらカウラがつぶやいた。


「『夫婦』って言うな!アタシは認めてねえ!でも……まあな。アタシの付き合いのある奴はアイツと響子くらいのもんだからな。他の修学院女子部の貴族の女共は卒業するとすぐに結婚してからというもの、アタシには連絡一つよこさねえ。あんまりうれしい話じゃねえけど」


 渋々かなめは堪える。


「じゃあ、写真くらいあるんだろ?その馬鹿とやらの顔を確認しておきたい」


 カウラの当たり前すぎる言葉に、かなめは頭を掻きながらスカートのポケットを探った。


「まあな。あるけど……先週のGⅠ一緒に行ったし……」


 端末を手にしたかなめが面倒くさそうに画面を操作している。


「私も本局でそれっぽい馬鹿は遠くから見たけど、後ろ姿ばかりだったから……その馬鹿の面、どんななの?いかにも馬鹿そうな顔してるんでしょ?かなめちゃんが嫌がるくらいだから大した女じゃ無いでしょ」


 アメリアは携帯をいじるかなめを興味深そうに見つめていた。自然と誠の目もかなめの方に向く。


「ほれ、こいつ。見るからに態度がでかいだろ?」


 そう言ってかなめは端末の画面を誠達に向けた。


 そこにはものすごく落ち込んだ表情を浮かべ、固まった笑顔で画面を見つめるかなめと、その隣の大きな目をした自信に満ちた表情の目鼻立ちのはっきりしたどこかヨーロピアンな雰囲気のある美女が移っていた。


「美人だな……なるほど、これが西園寺の『夫』か。美しい『夫』を持って幸せだな、西園寺。お幸せに」


 カウラは喜んでいいやら笑っていいやら複雑な表情を浮かべた後、とりあえずかなめを祝福した。


「そうですね。西園寺さんお幸せに」


 カウラと誠は完全にかなめがこの馬鹿と結婚するものと決めつけてそう言った。


「まあ、私は遠くで後ろ姿を見ただけだけど……スタイルも良かったわよ。あれじゃない、かなめちゃん。そんなに使えないならお嫁さんにでもなればいいじゃない?さっき言ったようにかなめちゃんは途中で軍人になるためにというかほとんど追放同然に高等予科学校にすすんだけど他の女子達は修学院女子を出るとすぐに結婚したって話じゃないの。それとも何?男も捕まえられないような馬鹿なの、麗子さんて」


 とんでもないことをアメリアはあっさり言う。


「カウラ、神前。勝手に人のしたくもねえ結婚を祝うんじゃねえ。まあ、結論から言うと、あの馬鹿。かえでと同類だ。男にはまるで興味がねえ、女好きって奴だ。だからアタシを『妻』だと主張している。これはあくまでアタシが男も女もいける口だからだ。でもまあ、アタシは女は遊び程度にしか付き合わねえ。男は……こっちも遊び程度だな」


 かなめの言う事もかなりとんでもなかった。



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