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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十章 『征夷大将軍』対策会議

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第50話 『将軍様』からのお手紙

「ベルルカン山脈の付近は降水量が少ないだけじゃねえぞ。この星が地球人に見つかってすぐに調査がされたが資源もあそこにゃ埋まっちゃいない。誰にとっても価値が無いから誰も近づかない。そのことが、今の南部諸国にとっては幸運だった。あそこが地上の楽園と評されるほど平和なのはそのせいだ。そして、ポロは甲武と同盟を結んでいる。まあ、平和だから別に同盟なんて必要がねえんだけど、形だけの同盟だな。とりあえず遼州圏は戦争ばかりだから同盟を結んどかないと不安だとか言う理由で結んだような同盟。事実、前の戦争ではボロは戦争そのものを完全に無視して負けていく甲武を完全に見捨てやがった。でも同盟があるからという理由で軍事交流はあるついでに軍事技術の支援までしてる」


 かなめは少しやけ気味にそう言って苦笑いを浮かべた。


「なるほど、あいさつ程度の軍事技術の支援事業のお飾りの指揮官にでも収まったのか、そのおめでたいお姫様は。さすがにその程度の仕事くらいはできるだろう。一応士官学校を出ているんだから」


 カウラは納得したようにそう言った。かなめもそれを察して笑顔を返した。


「じゃあそこでそのまま朽ち果ててくれればよかったのに……永遠に。そうすれば本局であの馬鹿な笑い声を聞くような羽目にならなかったのに。かなめちゃん。あの馬鹿が明日ここに来るってことはその話には続きがあるってことよね?」


 本当に面倒くさそうに愛車はそう言った。かなめはその表情にうなづいた後、話を続けた。


「そうだ。あの馬鹿の所属の甲武海軍での押し付け合いの物語は始まったばかりだ。まあ部下も隊長は馬鹿だってことは知っててからできるだけ関わらないようにしていたんだが、あの馬鹿、何をとち狂ったか仕事をしようとした。アイツに仕事なんて何もなかった。現地部隊の訓練や指導なんてアイツがしなくても部下が全部やるからな。それに部下の誰も自分にかまってくれないんで暇だったんだろ。暇なら白い砂浜で知られるボロご自慢のビーチでずっと日向ぼっこでもしてればよかったのによ」


 かなめの言うことはもはや誹謗中傷のように誠には思えてきた。


「なんだ?教練でも始めたのか?甲武の厳しさは有名だからな。『征夷大将軍』の威光をちらつかせてうちのクバルカ中佐が神前にやってるような無茶なことでもボロの兵隊にさせたのか?」


 そう言うカウラの顔はかなめの物語にうんざりしている表情を浮かべた。


「まあ、普通ならそう考えるわな。でも、アイツのおつむの出来はそれ以下なんだ。なんだかよく分からないけど、日記をつけて海軍上層部に送り始めたんだ。意味不明だろ?アタシにも理解できねえ。普通そんなことは考え付かねえぞ」


 自分の言っていることがおかしいと自覚しているかなめの目は死んでいた。


「日記?なにそれ?そもそもなんで軍の上層部の連絡先を知ってるのよ、そんな馬鹿が」


 アメリアは驚きの表情を浮かべる。


「だからさっき言っただろ?田安家は甲武武門の棟梁、甲武徳川宗家の当主で『征夷大将軍』なんだ。軍の偉い人の連絡先なんて知ってて当たり前だ。まあ、送られた軍のえらいさんも大変だわな。読んでも訳の分からない報告書が毎日のように送られてくるんだからな。迷惑至極だ」


 そう言ってかなめはため息をついた。



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