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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十章 『征夷大将軍』対策会議

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第49話 『将軍様』ついに左遷される

「まあ、ことここに至ってはいくら辛抱強い海軍上層部も麗子が相当ヤバい存在だと気づいたんだ。だが、アイツが何をしたというわけでもない。これは誰がどう見ても事故だ。それにその問題の中心人物の麗子は武家の棟梁『征夷大将軍』だ。解雇するってわけにもいかない。そこで閑職に回すことにしたんだ……まあ遅すぎる判断なんて言う物は軍にはつきもんだ。珍しい話じゃねえ」


 かなめはそう言ってほほ笑んだ。


「でもまだ三年目でしょ?田安中佐が転属になったのは去年の八月……その間ずっとどこにいたのよ」


 アメリアは呆れたようにそうつぶやいた。


「アメリアよ。アイツの運命の連鎖の解明までにはその後三年かかるんだ。聞いとけ。まあ、閑職と言っても誰が見ても分かるような島流しにしか見えない明らかな閑職は『征夷大将軍』をあがめてやまない『徳川譜代』の軍内部の勢力が黙っちゃいない。そこで、ほとんどお飾りの名誉職を用意したんだ。格好はつく、でも何の仕事もない。どんな無能でも務まる。そんな仕事を用意したんだ」


 そう言ってかなめは周りを見回す。


「まあ役所じゃよくある話だ。別にそれほど珍しい話ではない。東都警察にもそう言う部署は有るらしいぞ」


 カウラはそう言ってかなめの話を聞くべく頬杖をついた。


「そうだ、よくある話さ。ベルルカン大陸。北は『修羅の国』と呼ばれる紛争国家群が山のようにある。そこの勤務となれば軍人としてはさも優秀なように見える。まあ見た目だけなんだけどな。あそこはアタシ等も以前、神前専用の法術専用兵器の運用試験で出動したことがある場所なのはオメエ等も知ってるだろうが、あの南部、ポロ共和国。知ってるか?」


 かなめは全員を試すような口調でそう言った。


「まるで私達がなにも知らないみたいな言い方ね。知ってるわよ。ベルルカン大陸は中央部のベルルカン山脈と付近の高地にほとんど降水量が無いから完全に分断されていて、南部の国々は内戦続きの北部の国々に比べたら治安が圧倒的にいいわね。そんな中でもポロは安定してるわよ。要は『荒れてるベルルカンの為に勇敢な女将軍が立ち上がりました!』とか言うキャッチフレーズでも欲しかったんでしょ?でもベルルカンの南部なんて……平和すぎて軍人には何の仕事も無いわよ?それのどこが名前だけの立派な仕事なの?誰がどう見ても閑職以外の何物でもないじゃない」


 偉そうなかなめの言葉にアメリアはそう言って食って掛かった。だが、かなめの余裕の表情は崩れない。



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