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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十章 『征夷大将軍』対策会議

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第44話 志半ばで死んだ『建国の英雄』

「アタシだって好き好んでアイツと付き合いたくはねえよ。だが、四大公家筆頭と四大公家第三位。公爵家の中でも特別な扱いの言えとなると周りの貴族連中も委縮しちまって近付いてこない。どうしたって付き合う範囲となると限られてくる。特にアイツの周りには『徳川譜代』という取り巻きが居て、自分達とそれ相応の爵位を持つ人間以外との付き合いを絶対認めねえからな。それにまず、アイツにアタシが逆らえねえ理由は『西園寺家』の血筋に有るんだ」


 複雑な表情でかなめはそう言った。


「でもかなめちゃんは建国の父『田安高家』を支えた甲武国の制度を整えた『西園寺基』の直系の子孫でしょ?なんでそんな高貴な血筋のかなめちゃんが所詮一地球軍人の子孫に過ぎないあの馬鹿に逆らえないのよ」


 アメリアは明らかに呆れたようにかなめにそう言った。


「そりゃあ、アイツが『ほんまもん』だからだ。アイツの先祖の建国の父、『田安高家』は地球の名前は徳川高家だ。『田安家』……神前、オメエは日本史を高校時代に選択してたって言ってたよな?当然『田安家』が何を意味するか分かるよな?お願いだからそれくらい分かると言ってくれよ。オメエの高校偏差値高いじゃねえか。それくらい常識だろ?オメエ日本史取ってたって言うし」


 かなめは強い調子で誠に向けてそう言ってきた。


「僕は都立の進学実験校の出身なんで、三年になると社会の授業は無いんです。二年までに戦国時代までは勉強してなんとか赤点を何度かとって再試で三年に上がれましたけどそれ以降の日本史は……西園寺さんすいません。まったくわかりません」


 誠の言葉にかなめは大きくため息をついた。


「それじゃあ、知らなくて当然か。じゃあ、ロールアウトした時点で同盟国である甲武国の知識を植え付けられているカウラとアメリアに向けてだけこれからは話す。歴史知識ゼロの神前は何も言わずに黙って聞いてろ」


 かなめは完全に誠を見限って話を続けた。


「『田安家』は徳川御三卿と言われる徳川幕府八代将軍徳川吉宗の庶子が興した家だ。一橋、田安、清水という徳川吉宗の庶子の一門の本当の嫡流なんだ。まあ、中でも田安家の嫡流は『徳川家茂』ということで14代徳川将軍になってるから最後の将軍を輩出した一橋家と並ぶ名門と言えるな。ともかくアイツは間違いなく『神君家康公』から続く徳川家の血を引いている。その点では甲武貴族の中でも別格的な存在なんだ」


 深刻に話すかなめの言葉に誠はどうやら今回の特別監査室長が特殊な身分の持主であることを理解した。


「でも、なんでそれなら『田安』なんていう家の飾りの名字を名乗ってるのよ。私もインプリントされた知識で日本史ぐらい知ってるのよ。紀伊、尾張、水戸の御三家。一橋、田安、清水が御三卿。どれも徳川将軍になる資格がある家。田安高家は本当は甲武国で徳川幕府を再興しようとした。でも、高齢だった田安高家は三女を娘婿に迎えた西園寺基にすべてを託して世を去った。でも西園寺基には武士なんて言う物を認めるつもりは端から無くて、彼が目指したのは平安時代の公家政治だった。だから田安高家の理想は甲武国では実現できずに全権を田安高家に託された西園寺基の思い通りの公家が武家を支配する平安時代の荘園制度を採用した国として甲武国は出来上がった。その西園寺基の嫡流の血を引くのがかなめちゃん、あなた。その説明はきっちりしていただけるんでしょうね?」


 アメリアのさすがの知識の多さに誠もカウラもタダ納得する事しか出来なかった。

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