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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第十章 『征夷大将軍』対策会議

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第41話 徳川将軍家の血筋とかなめの宿命

「アイツは世間知らずのお嬢様だ。アタシより格下の四大公家第三位だというのに初代が甲武建国の父と呼ばれる田安高家公だったということとその田安家が本来徳川の将軍に成る資格の家だということでそれを慕って甲武に来た『徳川譜代』の家臣たちに甘やかされて立派な馬鹿姫に育った。でも、麗子の奴は記憶力はいいぜ。アタシだって脳と直接外部記憶が繋がってるから話が合うけど、奴の記憶力は奴が生身の人間だと考えれば超一流だな。ただ言ってることが……」


 再びかなめは打つ向いていじけたような表情を浮かべた。


「意味不明なんだな?まあ、貴様の話とアメリアの話を総合すると必然的にそう言う結論になる」


 麗子の話をすると明らかに不機嫌になるかなめにカウラがそう声を掛けた。


「なんだ、カウラ。わかってるじゃないか。それと麗子は全く人の話を聞かないからな。聞いてもそもそも理解するつもりもないし、そんな能力もない。思い込みと直感が奴のすべて。しかもその根拠となる知識はどれも家臣の伝聞やら出どころの怪しい話ばかりでほとんどが陰謀論でしかないんだ。話をしててあんなに疲れる奴は他にいねえな」


 かなめは朝だというのにもう疲れ果てた表情を浮かべてそう言った。


「そんなんでよく中佐が務まってるわね……そもそもなんで軍を首にならないのよ……甲武軍の佐官て誰でもできるのね。羨ましいわ」


 かなめの説明に再びアメリアが呆れる。


「四大公家、武家の棟梁、『征夷大将軍』田安公爵家の当主という血筋のおかげだろ?貴族主義者が跋扈する甲武ならではの弊害だ」


 そう言ってカウラは麗子を一言で切り捨てた。


「いくら貴族制とは言っても……そこまでひどいとさすがのえらいさんはかばいきれないんじゃないの?結局自分の身にそのツケが回ってくるんでしょうし」


 アメリアは時々麗子の馬鹿を目撃しているだけに呆れてそう言った。


「アメリア!分かってねえ!甲武のことをまるで分かってねえ!あの国はそう言う国なんだ。アイツの記憶力がもし悪くてもアイツの官位の右大臣と言うことで婿とってうまい事やるような国なんだよ!あそこは!というか誰かアイツを嫁に貰ってくれ!そうしないとアタシがアイツの『嫁』になることになる!というか『徳川譜代』の連中の頭の中ではもうすでにアタシは完全に麗子の馬鹿の『嫁』扱いされている!あんな馬鹿の『嫁』になんて誰がなるか!何が『一緒に妊娠して同時に子供を産みましょうね♡』だ!あんな馬鹿の餓鬼なんぞ誰が産むか!馬鹿も休み休み言え!」


 かなめは怒りに顔面を引きつらせながらそう言うと視線を誠に向けた。


「だったら西園寺さんは……その『征夷大将軍』様のお嫁さんなんですね?おめでとうございます……」


 暴走するかなめに対して誠が言えることはそれだけだった。


「おい!神前!テメエまでアタシを見捨てる気か?今回の作戦ではオメエは重要な役割を担うことになるんだからな!あんな血筋と家柄だけで中佐にまでなった馬鹿とアタシをくっつけない為にオメエも協力しろ!アタシはアタシの実力で出世する!親父が譲った貴族の位なんて知ったことか!蔭位の制?検非違使別当?知るかそんなの!まあ、給料は出るから貰っといてやるなが!」


 かなめは今にも縋り付きそうな泣き顔で誠を見つめつつそう叫んだ。


「結局自分の都合だけしか考えてないんじゃないの。それと誠ちゃんを面倒なことに巻き込むのは止めておいてあげてね。あの馬鹿とお幸せに。浮気は駄目よ。一生添い遂げなさい」


 激高するかなめにアメリアは冷ややかな視線を浴びせながらかなめと麗子の結婚を祝福していた。

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