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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第九章 究極の無能『征夷大将軍』

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第38話 丸投げされた『将軍様』対策

「ふふーん。ベットの中ではねえ……そう言えばかなめちゃんはあの馬鹿な将軍様と競馬のGⅠがあるたびに出かけてるそうじゃないの。しかもその日は必ず朝帰り……やっぱりあの馬鹿とかなめちゃんは夫婦なのね?それにしてもそんなにするの?毎晩七回はするのね。そんなにたくさんして疲れない?まあ、かなめちゃんはサイボーグだから良いけど、あの馬鹿……体力もあるのね。舐められないわ……でもそんなことできる相手がいるなんて幸せなことじゃないの!」


 アメリアは満面の笑みを浮かべてそう言った。その顔にはしっかりと『誠ちゃんを争うライバルが一人減った』と書いてあるように誠には見えた。


「夫婦ねえ……俺も前のカミさんにはベットの中で空になるまで絞られた口だから。お蔦でもそこまでは求めてこない……というか途中で寝ちゃうから。まあ、かなめ坊と田安のお姫様の間には色々あるだろうけどさ。本局が決めたことだ。逆らえないよね。お前等の今日のお仕事は田安麗子特別監査室長他一名のご案内というわけ。命令したから。帰っていいよ」


 嵯峨はそれだけ言うと立ち上がり窓の外を向くとタバコを取り出し、火をつけた。


「隊長……」


 誠の呼びかけに嵯峨は完全に無視を決め込んでいた。


「誠ちゃん。ああなったら隊長に何を言っても無駄なのはいつものことでしょ?」


 いかにも投げやりな嵯峨の指示を再確認しようとした誠をアメリアは優しい口調で制した。


「では、失礼します!」


 そう言ってカウラは敬礼してドアに向かう。


「ああ、アタシはこのままタバコ吸ってく。麗子についちゃあ対策を練らなきゃならねえから第二会議室、空いてんだろ?オメエ等そこで待っとけ」


 カウラに続いたかなめはそれだけ言うと廊下を急ぎ足て喫煙所のある格納庫に向かった。


「かなめちゃんはいつも勝手ね。誠ちゃん。会議室、行くわよ」


 そう言ってアメリアは隊長室から出た誠の手を取って男子更衣室を過ぎた角にある会議室に急いだ。


「はあ、嫌な予感しかしないな」


 カウラはそう言うと諦めた表情を浮かべて、急ぎ足で歩いていくアメリアの後ろ姿を追った。


「あれだけ西園寺さんが嫌がるってことは相当面倒な人なんですね、田安中佐って人は。その割には会うたびに一晩過ごしている。ならばそのまま結婚すればいいんじゃないですか?甲武で法律的に可能ならばそれが一番の事だとおもいますよ」


 誠はそれとなくカウラにつぶやいた。


「その割には三歳の時から付き合ってると言うじゃないか……面倒なのはむしろ西園寺の方じゃないのか?アイツはその頃には今の義体を使っていたらしいから銃とかも持っていただろうし……しかし、西園寺とそんなに長く付き合っていてよく命があったな。そちらの方が不思議だ」


 冷静を装いつつカウラは誠に向けて笑いかける。そこには『ライバル一人脱落』という文字がありありと見て取れた。


「そうですよね、西園寺さんの方がずっと危ないですからね……いくら馬鹿でも田安中佐は銃は持ち歩かないでしょうし」


 誠は会った全員が『馬鹿』認定している麗子は本当に馬鹿なのだろうと思っていた。


「そうだ、アイツは危ない。そんな女を妻に迎えるという田安中佐の脳内もかなり危ないのだろうな。会わずともわかる。隊長の言うようにかなりの馬鹿なんだろう」


 誠はカウラの結論に賛成すると会議室へと足を向けた。

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