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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第四十章 永遠に来ない純愛

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第220話 居づらくなって屋上で出会った待ち人

 昼になった。あれからリン以外のあのメンバーはまるで魂の抜けた人形のような態度で形だけ仕事をしていた。


 誠はそんな抜け殻人形と策士リンから逃れようといつも通り仕出し弁当を売っているハンガーへと向かった。


 あの騒動の事を知らない隊員達は誠をアメリアが送信したメールに添付されていた動画の内容から『アダルトグッズ』として扱うような人間を見る目と明らかに違う視線を送ってきた。


「あ、『大人のおもちゃ』の神前さん、今日は生姜焼き弁当ですよ!250円です!」


 いつも弁当を売ることを買って出ている気の利く10代の隊員、西高志兵長の言葉の前にも昨日までは考えられない言葉が添えられていた。


「ああ、西。僕はもう『人間』なんだ。クバルカ中佐がそう認めてくれた。だから『大人のおもちゃ』扱いは止めてくれ」


 西に250円を手渡しながら誠は弱弱しくそう言った。


「そうなんですか?まあ、人の噂も七十五日って言いますからね。クバルカ中佐が認めたって言ってもしばらくはうちの隊員は全員神前さんを『大人のおもちゃ』扱いすると思いますよ」


 弁当を手渡しながら同情のこもった西の視線が誠には痛かった。


 後ろに並ぶパートのおばちゃん達の視線も明らかに汚いものを見る目で誠を見つめてくる。


 誠は耐えられなくなってそのまま階段を駆け上がっていつもはいかない隊舎の屋上で一人で弁当を食べるつもりでいた。


 しかし、そこには先客がいた。


「あら、珍しいのね。こんなところでお弁当なんて……やっぱりアメリアのいたずらで居づらくなったの?」


 そう尋ねてきたのは水色のショートカットの似合うパーラだった。


「転職はしなくて済みそうです。クバルカ中佐が僕を『人間』だと認めてくれましたから」


 パーラの隣に座ると誠は弁当の蓋を開けた。


「よかったというべきなんでしょうけど……たぶん中佐の誠君への扱いは今まで通りだと思うわよ。しかも、しばらくはアメリアのいたずらのせいで運航部の女子達も誠君を自由に使って良いんだとか言ってはしゃいでたもの。それが一段落するまではしばらくかかるわね」


 そう言うパーラの言葉にアメリアも結局抜け殻のまま何も言わずに誠には何をしてもかまわないと判断した運航部の女子達の行動を黙ってみていたことを理解した。


「しかたないわね、私からあの子達にはそう伝えるから。でも、またアメリアや西園寺さんが誠君にろくでもないことを仕掛けてくるのは目に見えてる……」


 そう言ってパーラは手にしていた封筒を誠に手渡した。

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