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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第三十六章 進化して生まれたもの、作り出されたもの

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第197話 進化しない生体兵器と進化する文明

「じゃあなんであんなに地球人は戦争が好きなんですか?特に核戦争。地球では50年に一度は大規模な核戦争が起きてるじゃないですか?それと僕達遼州人を作った人達だって地球人の科学の進み方から考えれば核兵器ぐらい持ってたでしょ?なんでその時点で滅びなかったんです?」


 誠の問いに嵯峨は予想していたというようににんまりと笑った。


「それはね、地球人も、俺達遼州人を生み出した文明も進化してその文明を手に入れた存在だからなんだよ。1億年前。地球人はこの宇宙に存在しなかった。というか地球には哺乳類すらいなかった。地上は恐竜が歩き回り、その足元で地球人の先祖のちっちゃな鼠の出来損ないみたいな生き物は卵を産んで子孫を残していた。そして、恐竜が滅び、哺乳類はより高度な進化を遂げた」


 嵯峨はゆったりとタバコをふかしながらそう言った。


「そんなことは知ってます!別に僕が理系の大学を出てるとか言う問題じゃなくて古生物に興味のある小学生だって知ってることですよ!」


 誠は嵯峨に馬鹿にされたように感じてそう言った。


「まあ、聞きなさいって。そのまま一匹の猿が木から平原に降りた。猿は牙も爪も無い。だから道具で野獣から身を守った。そこで『戦う』ということを進化の過程で脳に深くインプットした。その時点で地球人も、また似たような進化の過程を取ったであろう俺達遼州人を生み出した文明も『戦う』ことから逃げられない定めを負うことになったんだ」


 嵯峨は笑いながらそうつぶやいた。


「しかし、最初のうちはそれは自衛の戦いだった。やがて人類はより高度な狩猟採取生活を送るようになる。でもこの段階でもその『戦い』は組織だったものではない。あくまで少数のメンバーによる『戦い』だった。それがある事件を契機に『戦い』が『戦争』へと変貌を遂げる。そしてそこからいずれ訪れる『戦争による自滅』というすべての人類に与えられた宿命から逃れられないものであることを決定づけたんだ」


 こう言って悲しげに笑う嵯峨の話で誠の知識は次第について行けなくなった。


「分かって無い顔をしてるね。でも続けるわ。それは『農耕』だ。最初のうちは遼州人と同じ原始的な焼き畑農業だったんだろうな。その時点では戦争なんか起こらない。なぜならそんなことをしている暇が有ったら働いて少しでも農地を広げる方がマシだから。でも、進化によって農耕を始めた人々はそれでは満足できなかった。より楽な農業方法はないかと考えたんだな。そして灌漑農業や水田などのより効率的で生産性の高い農業を始めた」


 嵯峨は淡々とそう語った。誠は嵯峨が言いたい時代は要するに『弥生時代』なんだと僅かな歴史知識でそう思った。

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