第195話 禁秘の兵器として作り出されたもの
「でもさあ、ラン……それに匹敵する血からを持つ遼州人の存在……これっておかしいと思わない?」
嵯峨はタバコを揉み消すと顔を上げて誠を見つめた。
「確かにそうかもしれませんね……そもそもそんな力は生きていくうえで必要は無いですし……一応僕は理系なんで、そんな風に進化するってことはそれなりの必要な環境が無ければありえないことですよね」
誠は確かに嵯峨の言う通りなのでそう答えた。
「そんな環境そもそもあり得るの?アメコミヒーローに匹敵するような化け物がうじゃうじゃいたりとか、巨大怪獣が地上を闊歩していたりとか、どうしても光速移動しなきゃ生きていられない環境とか、なんだか知らないけど魔法少女が使うような魔法を使わないと倒せないような悪魔だかエルフだかが居るような世界……そんな世界あると思う?」
そう言う嵯峨の口調には明らかに誠に対する侮蔑の色が混じっていた。
「そんな世界あるわけないじゃないですか。隊長、僕を馬鹿にしているでしょ?」
誠はむっとしながら嵯峨に向けてそう言った。
「うん、馬鹿にしてる。だって自分から『アダルトグッズ』や『ハエ人間』だと認めちゃう奴はどう考えても馬鹿だよね。俺は確かに自分を『アダルトグッズ』だと認めてる。でもそんなことを大ぴらに言ったりなんかしない。そんな事を言って回るお前さんは俺からしてもどうかしてる」
嵯峨はあまりにはっきりとそう断言するので誠には呆れることしかできなかった。
「それでだ、結論として言えること。遼州人……そしてランは明らかに何者かが進化ではなく意図的に作り出した存在なんじゃないかなあというのが俺の言いたいこと。自然にそうなったのではなく、今の地球科学では考えられないような技術を持った連中が俺達遼州人やランを作り出した。そう考えてみればラン達の強さや、お前さんの干渉空間や『光の剣』の存在もあっても不思議じゃない。そう思うんだ」
そんな嵯峨の結論に誠は唖然とした。
「作り出した……何のために?」
誠の興味はその一点にあった。
「そりゃあ戦争なんじゃないの?地球人、核を作ったよね?あんなもの作って、そして実際に使って、何が楽しいの?と俺は思うけど実際作って使ってる。同じように俺達遼州人やランを作り出した文明も俺達やランを兵器として作り出した……そう考えると遼州人やランの思考回路が地球人のそれと明らかに違うことの説明があまりにもぴったりとあてはまっちゃうように俺は思うんだ」
嵯峨はそう言って大きくタバコをふかした。




