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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第三十五章 『人類最強幼女』の秘密

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第190話 『人類最強』幼女に言わせると巨大怪獣も巨大ヒーローもタダのでかい的でしかなかった

「というわけで、アメコミヒーローじゃ束になってかかってもランにはかなわないということが分かって俺も本当に面白いものが見れたなあと自分がやったことの正しさを実感したんだ」


 嵯峨はタバコの煙を天井に吐きながらそう言った。


「その無茶苦茶な行動のどこに正しさが有るんですか?それにあのシリーズ、たぶん今でも地球のアメリカでは続編が続いてますよ。そのファンの夢を壊すような発言は慎んでください」


 ヒーローに幼いころからあこがれていた誠はそう言って身近にいつもいるランがアメコミヒーローを遥かに凌駕するまさに『人類最強』である事実に驚きながらそう言った。


「そして続いては巨大怪獣、巨大ヒーロー映画を見た時のランの反応なんだが……これも少し俺の持ってた常識とは違う反応だった。どんなだったと思う?」


 今度は面白がるような表情を浮かべて嵯峨の方から誠に質問してきた。


「僕が答えるんですか?そうですね……問題はあんな大きさまで育つのには何を食べていたんだということをクバルカ中佐なら気にしそうですね……あの人、食にはこだわりますから。しかも、あんな小さいのに僕よりたくさん食べるんですよ?あの食べ物あの小さい身体のどこに入るんですか?」


 誠は逆に質問を返すことで何とか嵯峨におもちゃ扱いされる不快感から逃れようとした。


「うん、最初に聞いてきた質問はまさにそれ。大正解。でも、そんな設定を描いてる映画なんか一つもないから、これはフィクションだとして、他の感想はあるか?って聞いたんだ。そしたら『こんなデカかったらいい的じゃねえか!それにビームとか光線とか放射能とか出すけど、こんなに動きが鈍かったら避け放題だろ?なんで避けねえんだ?』と言ってきたんだ」


 嵯峨の言葉に誠の目は点になった。


「確かに的になるのは事実かも……僕は戦車には詳しいんですが、第二次世界大戦のときにアメリカ軍が大量生産の事だけを考えて他は何も考えずに作ったM4シャーマンという戦車が有るんですが、エンジンを航空機の物を流用するという非常識を通り越して呆れ果てるような代物なんですけど、おかげでやたらと背の高い戦車になったんです。その上、装甲が紙だからナチの戦車にボコボコにされて撃てば火を噴く使えない戦車ということでドイツ兵から『マッチボックス』とあだ名されたのが有りましたから。それに対してナチの戦車の主力は主砲がより強力だけど砲塔を持たないⅢ号突撃砲だったんですけど、こちらは砲塔が無い分車高が低く作れるんで待ち伏せ攻撃とかされたらドイツ軍が一方的に勝ってたみたいですからね。まあ、対戦車装備をまったく持っていない日本軍相手にはそんな最低の戦車のM4シャーマンでも十分通用したみたいですけど」


 誠は戦車に関する知識だけは人より豊富だったのでそんな例えをして嵯峨に目を向けた。


「そうなんだ。今、シュツルム・パンツァーを遼州圏の国の一部では主力装備としている訳だが、その開発に最初に携わってその名称の語源がドイツ語から来ているにもかかわらずドイツ人の子孫を名乗るゲルパルトはシュツルム・パンツァーを一切製造していない。その一番の理由が敵に対した時の人型兵器の表面積の大きさだ。シュツルム・パンツァーなら伏せて物陰に隠れでもしない限り、お前さんの好きな戦車の砲塔が飛んでいるような形態で薄く小型な飛行戦車の方が有利だというのがあの国の考え方。ゲルパルトもランが東和に亡命した時にランの分捕りあいに参加すればよかったのに。まあ、アイツが戦車長をしたとしても砲手も操縦手もアイツの指示に従えるだけの人材がいないということで諦めたんだろうけどね」


 嵯峨はそう言うと再びタバコの煙を大きく吐き出した。


「アイツは飛べる。しかも、握れば炭素の棒がダイヤになるような力がある。だから、巨大怪獣が来たら頭突きの十発もすれば倒せるだろうし、巨大ヒーローも同じ。ああ、たぶんアイツが本気で頭突きをしたら相当堅い表皮の怪獣でもない限り貫通しちゃうか。穴だらけの巨大怪獣やヒーローなんか見たくないよね。というかそんな気持ち悪い映像誰も見たくないけど」


 明らかに面白くてたまらないというように嵯峨はそう言った。

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