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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第三十二章 人間を捨てたヒーローと彼を救おうとする常識人

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第178話 常識ある『依存症患者』の一言で元の木阿弥になった

「西園寺、貴様の言葉は貴族の言葉では無いな。明らかに金を惜しむ守銭奴のセリフだ。それにその理屈なら貴様も私も、この寮にいる全員がクバルカ中佐所有の『ハエ人間』だったということになる。しかし、事実はそうではない。つまり昨日の馬鹿騒ぎはクバルカ中佐があの場所に現れた時点ですべては終わっていたんだ」


 いつも通り出勤前はすでに制服に着替えて食堂に現れるカウラがそう言って転職情報誌を持って立ち尽くすパーラを押しのけてやってきた。


「おい、アタシは『関白』だぞ?それがなんであんなちび所有の『ハエ人間』でなきゃならねえんだ?それこそ理屈に合わねえじゃねえか」


 食事を終えてまったりしている余裕のある態度のかなめは挑戦的な視線をカウラに送った。


「貴様は『関白』かもしれないが、同時に『特殊な部隊』の隊員で甲武陸軍の軍人。そして『武装警察官』だ。このような身分にある人間にとって上官の意志は絶対だ。クバルカ中佐は自分の部下は『ハエ人間』であるという意思を明白にした。その言葉が発せられた以上、その瞬間から貴様も私も『ハエ人間』なんだ。ああ、神前は『ハエ人間』ではなく、西園寺専用の『アダルトグッズ』になったわけだから貴様は『ハエ人間』にならなくてもいい」


 そう言い残すとカウラは食事を取りに厨房に向った。


「あの無表情メロン色髪女、アタシを『ハエ人間』だとか抜かしやがった。軍隊では階級がすべて?そんなの知ってるよ……でもあのちびにこれから『ハエ人間』として扱われるのは面白くねえな」


 かなめがつぶやくのを見てパーラは手にしていた転職情報誌をかなめに手渡した。


「西園寺さん。そんな時はこれよ。『ハエ人間』から『社畜』へのステップアップ。西園寺さんはサイボーグだから不眠不休で働かされるコンピューター業界のエンジニアなんかが似合うと思うのよ」


 パーラは笑顔で転職情報誌をめくりそのような職種の仕事を探した。


「おい、パーラ。オメエもどうしてもうちを辞めてえみたいだな。でも、そいつは無理だな。あの姐御が一度目を付けた人間を簡単に手放すとは思えねえ。アイツは遼南内戦では『真紅の粛清者』と呼ばれて逃げる味方は平気で手にした槍『方天画戟』で串刺しにした女だ。今は得物は『関の孫六』に変わったがその本質が変わったわけじゃねえ。つまり、退職届を提出したとたんに後ろからバッサリだ。そんな最期を迎えるのは嫌だろ?」


 かなめはそう言うとパーラの広げた転職情報誌を閉じた。


「じゃあ、私達はどうすれば……」


 おろおろと今にも泣きそうな表情を浮かべて座るところを次々と奪われるパーラは立ち尽くしていた。


「そんなの急にアタシ等が『ハエ人間』になるなんて映画みたいな展開は有り得ねえからな。これまで通りで良いんじゃねえのか?まあ、神前がアタシ専用の『アダルトグッズ』になった事実は消せねえがな」


 このやり取りを聞いていて誠が思ったことはこの隊の人間は全員今まで通りの生活を過ごすことが出来るが、自分は『アダルトグッズ』として生きていくことになることが決定事項だということだった。

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