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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第三十二章 人間を捨てたヒーローと彼を救おうとする常識人

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第176話 どこまでも不幸な星の下に産まれた男、誠

「よう!アタシ専用の『アダルトグッズ』!元気か!いつでも使用可能にしておけよ!いつでもアタシはあのちびをぶちのめして『女の中の女』になる覚悟はできてるからな!」


 ご機嫌に食堂には入って来たのはかなめだった。そして興味深げに誠の食事を終えたトレーを見つめる。


「かえでの奴め、神前の精力増強メニューでちゃんといつでも自分を襲って欲しいとか考えているんだるが……もはや神前はアタシ専用の『アダルトグッズ』だ。アイツが使用することはねえだろう。まあ無駄なこったな」


 そう言うとかなめはそのまま食事を取りに厨房に向った。


「そう言えば……最近ムラムラが止まらないのはそんな理由があったのか……」


 誠は自分の食事が自分の健康の為では無くかえでが自分の性欲を満足させる為であることを知り衝撃を受けていた。


「おい、神前。オメエ気付いてなかったのか?朝からすっぽんのスープを飲むなんて60過ぎの絶倫爺のすることだぞ。そんな事も知らねえなんて……オメエは本当に社会常識もねえんだな」


 隣の席で普通のメニューを食べ終えた島田がサラの頭をなでながらニヤついてそう話しかけてくる。


「そうよ、誠ちゃんはこの寮の女達に『道具』として見られているのよ。『道具』から『社畜』へ。『道具』はモノだけど、『社畜』は人間よ。まあどちらにも人権は無いけど」


 パーラは真剣な表情で誠に語り掛け、転職情報誌を見るように促す。


「なに?パーラ、転職情報誌なんて持ち出して……駄目よ!パーラに辞められると運航部は動かなくなるんだから。部長権限でパーラの退職は認めません!」


 いつものように派手な色の誰が着るのか分からない服装のアメリアがそう声を掛けてきた。


「私じゃないわよ。誠君……彼には私のような不幸な人生を歩んでほしくないの……この隊の女子は愚か、アメリアのせいで男子隊員からも人権をはく奪された誠君に残された道は『特殊な部隊』を逃げ出すしかないわ!」


 パーラは真剣な表情でアメリアに向けてそう言った。


「それはもっと困るわね。誠ちゃんは隊共有の『おもちゃ』なんだから。だからみんなでいじってあげるのが当然の事でしょ?そんな、今時転職なんかしてもどうせ待っているのは死ぬまで残業させて自業自得だと考えるイカレタ経営者の経営するオーナー企業ばかりでしょ?その点、うちならいつも暇でゆったりできるし、私みたいな奇麗なお姉さんに囲まれて生活できるし……まあ、仕事の性格上任務で死ぬことはあるけど。その時は二階級特進で退職金はたんまりお母さんの所に入るんだから。こんないい職場他に無いんじゃないの?」


 アメリアが笑顔でそう言う後ろには怒りの表情のかなめが立っていた。


「神前はいつから隊共有の『おもちゃ』になったんだ?コイツはアタシ専用の『おもちゃ』だ。それもこいつが自分の意志で『ハエ人間』になることを断って選んだ道だ。当然その道を貫くのが当たり前のことだ」


 そう言うと転職情報誌を手にするパーラを押しのけて強引にかなめは誠の正面に座った。

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