第166話 かなめの独占宣言のもたらしたもの
「えー、私もかなめちゃんの『アダルトグッズ』になるの?でもかなめちゃんはそう言う物を雑に扱いそうじゃない……私は嫌よ!抜けるわね」
かなめの攻撃性を知り尽くしているアメリアは一人この場から逃げ出そうと立ち上がった。
当然、そんなことをかなめが許すはずが無い。
「すべてはオメエの馬鹿騒ぎから始まったことだ。だから、オメエもアタシが自由にいたぶっていい『アダルトグッズ』の一つに過ぎねえんだ。特にオメエはまだ痛みがいかに快楽に近いか分かっていねえようだから徹底的にいたぶってやる。半殺し……いや、99%殺しぐらいにいたぶればその快楽からオメエも抜け出せなくなって、徹底的にいたぶられることを自分から望むような身体になる。うれしいだろ?」
かなめの顔は誠が戦場で見かけることが有る殺戮者のそれに変わっていた。
「絶対嫌!私はかなめちゃんには殺されたくない。かなめちゃんは99%殺しと言って本当に殺すもの。しかも眉一つ動かさずに『あ、壊れたな。捨てるか』とか言ってゴミ袋に入る大きさに切断してゴミの日に出すとか平気でやりそうだもの。そんな生涯の閉じ方は御免だわ!」
付き合いが長いだけあってアメリアはかなめの性格は知り尽くしていた。
「なんだ、アタシがやりたかったこと全部言いやがった。つまらねえじゃねえか。アタシの『アダルトグッズ』になった以上、最終的にオメエ等の行き着く先に舞っている運命はアメリアが言う通りだ。使えねえ『アダルトグッズ』はゴミ袋に入る大きさに切断してゴミの日に出す。だって『アダルトグッズ』だもんな。人間じゃねえもんな。殺しても何も問題ねえよな」
平然とかなめはそう言った。
「大ありです!西園寺さん!アンタは人殺しだ!アンタには血が通ってないのか!人間か!アンタは!」
誠はあまりにショッキングな誠達の末路を平然と語るかなめに向けてそう言った。
「神前……オメエは『アダルトグッズ』なんだ。人間じゃねえんだ。人間を殺せば……当然人殺しだが、『アダルトグッズ』を壊すかどうかは所有者の自由なんだ。まあ、安心しろ。オメエは滅多にお目にかかれない貴重な『ビックサイズアダルトグッズ』だし、オメエだけは男だから使い道が色々あるから最後まで愛用してやる。なんならアタシの腹で餓鬼を作ってもいいぞ?そう言う機能も有るんだろ?な?」
かなめはそう言って妖艶な笑みを浮かべた。
「西園寺さんは間違っています!僕達は人間です!『アダルトグッズ』に設定したのはアメリアさんです!僕はまったく関係ありません!」
そんな必死の叫びが通じたのか、また誠の部屋の扉が開かれた。




