第165話 『パチンコ依存症』人造人間の決断と『関白』の強権
「よし!私も決めた!私も神前の『同梱商品』となって立派な『アダルトグッズ』としてその生涯を生きよう!」
カウラはきっぱりとそう言って誠に歩み寄って来た。
「カウラさん!気は確かですか!そんなリンさんのおもちゃになるんですよ!それでも良いんですか!この人かつて無茶苦茶にされたことが有るんですから、きっと僕達本当に滅茶苦茶なことをされますよ!性の道具になっちゃいますよ!」
カウラの決断はさらに誠の立場を人間から遠ざけるものだったので誠はそう絶叫した。しかし、カウラは優しい笑顔を浮かべると誠に向けて教え諭すような口調で話し始めた。
「いや、私は所詮作られた存在だ。本来この世界で人間として扱われること自体が間違っている存在なんだ。それが神前と同じ境遇に落ちる。それも私の運命なんだ……それも悪くない」
そう言って笑いかけて来るカウラの表情が妙に生き生きしているのがさらに誠の恐怖をあおった。
「そうですね、それはさらにお得になりました。しかし、そうなると私としても初使用の方針を少し変えた方が面白いかもしれませんね。ベルガー大尉と誠様。それぞれ異性を知らない完全未使用の『アダルトグッズ』。これがどういう反応を示すのか……これを見てみるのも悪くありませんね」
そう言うとリンは誠のパンツを下ろそうとしていた手を止めた。
「なるほど、リンは良いことを言うな。さすが僕の所有者だ。僕も同じことを考えていたんだ。ベルガー大尉。服を脱ぎたまえ。これから君と誠君に愛し合ってもらう。その様子を見ながら僕とリンもお互いを慰めあう。これは大変に興奮する展開だ」
かえでもまた持ち前の嗜虐的変態の本性をあらわにして誠から離れた。
「そうか、二人とも誠の初めてを私にくれるのだな。それはありがたいことだ。『アダルトグッズ』として産まれたからには最高の幸せなのかもしれない」
カウラはそう言うとそのまま誠のベッドに乗っかってきた。カウラは自分が『アダルトグッズ』になったという事実を喜んで受け入れているのが誠には悲しかった。
「あのー、カウラさん?カウラさんはいつから『アダルトグッズ』として生を受けたんですか?戦闘用人造人間だと僕は思ってたんですけど……それは僕の思い違いでしょうか?」
あきれ果てた誠はただそう言う事しか出来なかった。
その様子にキレた人物がいた。
かなめだった。
「おい!リン!オメエは30億でこいつを買ったと言ったな!じゃあ、アタシは200億をオメエにやる!それでオメエごとここに居る全員をアタシ専用の『アダルトグッズ』として買い取る!200億だけじゃ不満か?それなら今空いてる『権少納言』の官位もくれてやる!アタシは『関白』だから官位の認定なんざアタシの専権事項だ!どうだ?悪い話じゃねえだろ?それと、アメリアもアタシの『アダルトグッズ』になれ。この騒動の原因はオメエだ。だからそれを収めるにはオメエが責任をとる必要がある。この寮の女全員と神前をアタシが生殺与奪権のすべてを握る所有物にすればこの問題はすべて解決する!」
かなめは高らかにそう宣言した。
天性のサディストで殺戮すら平気で行うまさに『殺生関白』のその宣言に誠は身体が凍り付く恐怖を感じていた。




