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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『特殊な部隊』と『征夷大将軍』  作者: 橋本 直
第三十章 悲劇のヒーローオークション

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第159話 『女性用アダルトグッズ』の初入札者

「おい、神前。端末は開いたままにしとけ。今からアタシがアメリアの悪事を全部白日の下にさらす」


 かなめはそう言うと誠に目を向けた。


 誠の手に握られた携帯端末の画像が急に切り替わった。恐らくかなめがリモートで切り替えたに違いないと誠は思った。


 元々かなめの義体は電子戦には向いていない。しかし、ネットサイトに侵入してそれを操作するぐらいの事は楽にできる機能は有った。


「神前、まずその画面の入札数を見てみろ」


 かなめの言われるがままに誠は自分が出品されている画面の入札件数を見てみた。


 そこには1万件を超える入札が会ったことを示す数字が並んでいた。


「なんです?この件数……というか……開始金額1円……アメリアさん。僕がもしこれを悪ふざけだと思ってる人ばかりだったとして本当に1円で落札されたらどうするつもりだったんですか?」


 誠は怒りに震えながらアメリアを見つめた。


「それはそれで面白いじゃないの!でも、落札価格30億円よ!少しは自分に誇りをもって良いんじゃない?」


 まったく反省の色が見えないアメリアは糸目をさらに細めて笑った。


「ああ、1円入札したのはこいつか……アイツ、ネットオークションなんて知ってたんだ……でも1円で落ちないとなるとすぐに諦めてる。まあ、アイツらしいといえばらしいがな」


 かなめは脳内を走る情報を見ながらにやりと笑った。


「アイツって誰です?僕の知ってる人ですか?」


 誠は恐る恐るかなめに尋ねた。


「アンだよアン。あいつ、ゲームしか電子機器は使えねえと思ってたが……まあ、東和に来てからは近代装備戦用に隊の携帯端末を支給されてるからな。オークションぐらいできて当然か」


 そうあっさり答えるかなめに誠は力が抜けていくのを感じていた。


「アン!お前にとって僕の価値は1円なのか!というかお前は僕を1円で落として何をするつもりだったんだ!これは『女性用アダルトグッズ』のカテゴリーだぞ!そんなとこ毎日チェックしてるのか!お前は!」


 目の前に居ないアンに向けて誠は激怒に駆られてそう叫んでいた。


「まあ、アン君にとってはそんな価値なんでしょ?でもその数分後に2円、3円と入札があって……開始2時間後には5,000円まで値上がりした。大人気じゃないの、誠ちゃん」


 アメリアは満面の笑みで誠に向けてそう言った。


「それって褒めてます?というか、それでも5,000円ですよ。本物の新品の『アダルトグッズ』と同じくらいの値段ですよ。僕の価値ってそんなものだったんですか?」


 これ以上何を言っても無駄だと思いながらも誠は黙って見ていることは出来なかった。

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